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【エッセイ】 たまごの中で見つけた未来行きの鍵



どこに向かっているのかなんて分からない

ただ、ただ、走って逆風に見ぐるみを剥がされて行く

人間らしい服は、破られ原始人の様になって行く

そんな私を誰かが指を指して笑うだろうか?

鼻を揺らして、風のにおいを嗅ぐ

焼いた肉のにおい




ちょっと変な普通の人

役割を着込めば、それなりにカモフラージュ


でも、ここの所
プールの底で三角座りをしている自分をいつも隠して過ごしている

見えない行き止まりに出会した時は
深く深く潜るんだよ

しれっと生きてる振りをしてね

しれっと存在していると
色んなことが麻痺して来て
次第に答えに近付いて行く


目的を忘すれた原始人が焼いた肉のにおいで何かを思い出す様に

その時は突然やって来る

ーakaiki×shiroimiさんへ
あんた、絵本風イラストとか言いながら
絵本らしい絵なんて書いてないじゃない

とそんな声が聞こえて来て

ただ、何かに向かって走って来て
自分色が強くなりすぎていた事で輪郭がぼやけてしまっていた事に気付くのだ

絵を描くと言う事は
他者の目で自分の絵をまじまじと見つめる必要がある様に思う

そんな時に自分の不足とやらに気付き重ねて行くことが上達して行くと言うことなのだと

ーところで、あなたはどんな絵を描き
何の為に絵を描きたいの?

私にはずっとこのパーツが足りなかった
それをずっと探して来て

これが無いから未来に進む道が見当たらなかったのだと改めて納得した



息子と寝る前に絵本を読み
絵本の絵の美しさにやっぱり温められて

私は何かを思い出した様に
焼いた肉に齧り付くため、この手の中に収めた


プールの底にいる自分の口元からぷくりぷくりと空気が出る速さが増していく

地図を書き込み
ザブンと水面に顔を出す前に
少しずつならしながら目を開けて行く

少しずつ地図は出来て行く
今じゃなくても、明日じゃなくても
明後日には陸に上がれるかも分からなくても

一つずつ、辻褄を合わせて行くのだ

未来行きの新しい服を着込み旅立てる様に

カッコつけるのをやめにして
自分に合った服を着る





お読みいただいたエッセイは、最近どうしたって絵が描けなくなってしまった私の宝探しの最終章です

そんな私も深く潜る日々の中でいくつかの大切なことを見つけ出すことが出来たました

そして、新しく絵本を描くことを軸にもっと挿絵を描いて行きたいと思い
新しい作品を描いて見たところです


title  /プルメリアのお城



随分、前の自分とは違う絵が出来たものだと自身でも驚きを隠せませんが

古き良き絵本に暖められた記憶を元にこの絵が出来上がりました

これからはもっと挿絵のお仕事に携われるように
特訓しながらストーリーのある絵を描いて行きたいと思っています



▼  この所の自分の中に潜り宝探しをした体験を記事にしています


第一章 羽化する前の潜水


第二章 ライラック色の風のまぼろし


akaiki×shiroimi

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