赤いラジオ日記

ラジオを聴いて思ったことや本のこととかを書きます。

赤いラジオ日記

ラジオを聴いて思ったことや本のこととかを書きます。

最近の記事

能動的東京建築祭

2024年5月25、26日は東京建築祭なるイベントが初開催された。昨年参加した京都モダン建築祭に続き、こちらも参加することにした。土曜は他の予定があったので、26日一日で行ける範囲で楽しもうというコンセプトである。 腹ごしらえスタートは神田駅。まずは肉の万世で腹ごしらえする。秋葉原店がビルごと閉店になって悲しかったけど、あの味はこうやって他の店舗で食べられる。こちらの店舗も素敵な雰囲気だった。 日本橋方面に行くことを考えていたが、食後に建築祭公式アカウントの投稿を確認した

    • 【館ハシゴ】中近東文化センターと古代オリエント博物館

      ずっと行きたいと思っていた中近東文化センターに行ってみたのと、久しぶりの古代オリエント博物館を訪問した。午後からスタートしたので、2箇所巡るのはちょっと時間が足りなかった。それでも充実の一日となったので、気づいたことを少し書いてみたい。 中近東文化センター中近東文化センターは三鷹市の西のほうにある。駅からも遠く、アクセスがよいとは言えないこの地に、急激にその建物は出現する。 見学には予約が必要なので当日の思いつきで訪問することはできないが、予約自体は電話かメール1本ででき

      • キラキラなんてしていない青春、でもそこにある成長が美しい小説

        坪田侑也『八秒で跳べ』は、高校バレーボール部選手の主人公が怪我による挫折から再生するまでの物語だ。主人公の景は試合直前の練習帰りに忘れ物に気づき学校に戻ると、フェンスを乗り越えようとする同級生、真島綾を見つける。驚いて自転車ごと転んでしまった景は翌日の練習試合で怪我をしてしまう。 表紙はスカイエマさんの装画で、たくましい体つきの選手がスパイクを打とうと跳び上がったところが切り取られている。そこに著者の同級生がデザインした題字が走るように配置され、疾走感がある。しかし、この小

        • 【館ハシゴ】泉屋博古館東京と菊池寛実記念智美術館

          東京で好きなミュージアム2つである。美術館・博物館は好きだけど大きすぎるところは疲れてしまうし、小規模でマニアックな展示をやっているところに心惹かれるようになった。この2館は最寄り駅が異なるため長らく気づいていなかったが、実は距離にして結構近くにあり、歩いてハシゴできる。そんなわけで連休の一日を使ってこの2館を巡ることにした。 泉屋博古館東京六本木一丁目駅を降りてエスカレーターをずっと上っていき、サイドに植え込みのある道を通り抜けると、開けたところに出る。すると左手に平たい

        能動的東京建築祭

          【ラジオそして読書】言葉の横溢、夏

          少し前の話になるが、3月24日の日曜日、ラジオを聞くともなく聞いていたら、それは爆笑問題の番組「爆笑問題の日曜サンデー」だった。来れなくなったゲストの代わりに急遽呼ばれたゲストが小説家の道尾秀介さんだった。道尾秀介さんの作品はほぼ読んだことがないのだが、話が面白くてつい聞いてしまった。 輪袈裟リスナーからの質問のコーナーで、集中力を保つにはどうしたらよいかという質問があった。よくある質問だが答えは突拍子もないもので、「輪袈裟を買う」だった。道尾さんの買った輪袈裟はそれなりに

          【ラジオそして読書】言葉の横溢、夏

          鴨川ホルモー、ワンスモア ワンスモアレポート

          鴨川ホルモー、ワンスモアを観劇した感想を以前の記事に綴った。11日後、もう一度観てきたので気づいたことを記したい。世に言う「追いホルモー」である。なお、今回は劇の内容に触れていく。 裏芝居1度目の観劇ではメインストーリーを追うだけで精一杯だったが、台詞のある人以外も裏芝居をしているわけで、今回はそこも多少気づくことができた。 べろべろばあでの新歓コンパで、主人公の安倍が早良京子の鼻に一目惚れするところから物語は走り出すのであるが、このとき早良京子は芦屋満に一目惚れしている

          鴨川ホルモー、ワンスモア ワンスモアレポート

          【ラジオそして読書】コント、劇団、青春

          以前聴いた一花さんと二葉さんのラジオが本当は東京03の番組の時間帯だったということで、東京03の番組も気になって調べてみたらヨーロッパ企画がゲストになっていた。そんなわけで4月4日の木曜夜は「働く大人たちの日常痛快コントショー 東京03の好きにさせるかッ!」を聴くべくラジオにかじりついた。 ヨーロッパ企画からは上田さん、石田さん、酒井さんの3名がゲストとして来ていた。このメンバーは東京03より少し年下だが、互いに何十年もキャリアを積んできたところだ。そんな中、酒井さんは老け

          【ラジオそして読書】コント、劇団、青春

          鴨川ホルモー、ワンスモア 初日観劇レポート

          昨日は舞台「鴨川ホルモー、ワンスモア」の初日だった。初めて『鴨川ホルモー』を読んだのは12年前に遡る。ずっと心を捉えて離さなかったこの作品が舞台化する、それもヨーロッパ企画の上田誠によって、というのは期待しかなく、情報が出てから心待ちにしていた。場所と時間を間違えないよう慎重に会場へ向かった。 着いてみると、グッズ販売コーナーは長蛇の列だった。階段を数階分上まで伸びていて、並んでいたら開演に間に合わないのではないかと思ったが、買わないという選択はない。並んでいる人たちのこれ

          鴨川ホルモー、ワンスモア 初日観劇レポート

          【ラジオそして読書】落語、三つ葉

          3月30日、年度最後の土曜日にNHKラジオで、「一花二葉 はなしをしよう」が放送された。その名の通り落語家の春風亭一花さんと桂二葉さんがテーマに沿ってただ話す番組。 当初は28日木曜夜の放送予定だったので、「『働く大人たちの日常痛快コントショー 東京03の好きにさせるかッ!』を楽しみにラジオをつけてくださった皆さん、ごめんなさい!」と番組が始まり、本来は東京03の番組の時間帯らしいと分かる。その後も何回かこの番組名を丁寧にフルネームで言っていたので面白かった。 第1回のこ

          【ラジオそして読書】落語、三つ葉

          生きた歴史を読む

          前回記事では大阪メトロにまつわる物語に触れたが、今回は東京メトロである。門井慶喜の『地中の星』は、現在の東京メトロ銀座線が開業するまでの話だ。普段何も考えずに利用している電車であり、最初から「そこにある」存在であるがゆえ、それができるまでの過程なんて考えたこともなかった。表紙には見覚えのある銀座線の黄色い車両に人々が押しかけている様子が描かれており、パッと見特段の感慨は湧かないが、開通当時のポスターらしく、よく見ると和装に髷姿の女性もいたりして、今日も当たり前に走る地下鉄の背

          生きた歴史を読む

          【祝2周年】今こそメトレンジャーへの愛を語りたい

          『みをつくし戦隊メトレンジャー』なる小説をご存知だろうか。これは万城目学作品の中でも異色の一冊で、ライトながらもむんむんと深い香りを放つ作品である。 その名から想像がつく通り、大阪メトロを戦隊ヒーローに見立てるというところからこの物語はスタートしている。御堂筋レッド、谷町パープル、中央フォレストグリーン、長堀鶴見緑地イエローグリーン、今里オレンジの5人からなるこの不思議な戦隊ヒーローは、大阪の街を悪の組織トクガ1の怪人から守っている。 今となっては大阪の書店で購入できるよ

          【祝2周年】今こそメトレンジャーへの愛を語りたい

          桃花二葉二人会レポート

          ホワイトデーはなかのZEROホールへ。落語が心を洗うのを期待して出かける。と思ったら有楽町朝日ホールだった。同行者に連絡したときに間違いに気づいたからよかったものの、会場を間違えるところだった。危なかった。なんとか無事正しい会場に辿り着いた。 さてホールに入るのだが、ふとチケットを見ると「ニ列」と書いてある。大抵はローマ数字かあいうえおかアルファベットで書かれるところ、このような表記は初めてで戸惑う。この場合、漢数字と片仮名の2つの可能性があり、かつ片仮名の場合はアイウエオ

          桃花二葉二人会レポート

          AIZAN50

          イイノホールにて、神田愛山芸歴五十周年の会が開催された。神田伯山の公演にU25チケットで通ってきた私はついに26歳を迎えてしまったので、初めて普通に申し込んだ公演。運良く当たったので行ってきた。(U25チケットにはお世話になりました。今までありがとう!) 越の海勇蔵開口一番は伯山の三番弟子である若之丞による相撲取りの話。新春連続読みの東京公演でもこの話を読んでいた。なんとなくであるが、前回より聞きやすく緩急もついてきたように思った。開場が遅かったのか、会場にお客さんが入りき

          令和のときめき 大津小説

          成瀬が帰ってきた。数多の賞を戴いて、現在は本屋大賞にノミネートされている『成瀬は天下を取りにいく』の続編、『成瀬は信じた道をいく』 が発売になった。無論期待を膨らませていたが、それにしても驚異的な早さで続編が出てくれて成瀬ファンとしては嬉しい限りだ。続編が早すぎて物語は2025年にまで突入し、来週に迫る北陸新幹線敦賀延伸が過去の出来事になっている。表紙のイラストは、前作が西武のユニフォームを着た中学生の成瀬だったのが、今作ではびわ湖大津観光大使の制服を着た大学生の成瀬。自分の

          令和のときめき 大津小説

          やっとあの奈良の伝説と出会う

          奈良青春小説 鹿男に次ぐ鹿小説 時代パラレル小説 佐伯さん恋慕小説 実虚溶解小説 タイムカプセル小説 奈良で満月が見たくなる小説 前野ひろみち氏の『満月と近鉄』は、奈良を舞台に描かれる短編集で、2016年の『ランボー怒りの改新』が改題された文庫版として2020年に発行された。単行本発売時にも文庫版発売時にもその情報を目にし、心の底から気になっていたにもかかわらずなぜか今の今まで読まなかった。読み終えた今、なぜもっと早く読まなかったと後悔するほどに、天地がひっくり

          やっとあの奈良の伝説と出会う

          気だるげな愛

          火曜夜の恵比寿LIQUIDROOMへ、Laura day romanceのライブに行った。普段は講談とか年齢層高めの場所に行きがちな私にとっては、同世代が集う場所に行くのがもう工場見学みたいなものである。どんな雰囲気かドキドキしながら向かった。 会場に着き、ドリンクチケットを買う。ジンジャーエールを頼んで機械でゴボゴボと注いでもらった。炭酸が抜けて減るのを待って、数回に分けて縁ギリギリまで入れてくれた。 黒い空間に人がみっしりと詰まっていて、それぞれの楽しみな気持ちがむん