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 野良猫は侍でいう浪人

  猫との出会いは複雑です。野良猫との出会いの中で感じたのは、野良猫は好きで野良猫になったのではないということです。心ない飼い主に捨てられて野良猫になったのです。野良猫になった猫にはよほどのことがない限り、代々野良猫で一生を終わることになるでしょう。
 何かに似ていませんか。そうです、江戸時代の浪人です。主を持った侍が何かの原因で家禄を没収されて、浪々の身を置くことになるのです。家族があれば家族も同様ですね。浪々の身になっても主が見つかり仕官すればいいのですが、世の中は厳しいことばかり仕官は難しく、一生浪々の身を送らなければならない。野良猫も同じです。飼い主から捨てられれば浪人(野良猫)になるのです。ただ、違いは新しい飼い主に飼われても、飼い主の都合で捨てられたという人間不信があるから、飼い猫には成り下がらないというプライドがある。また、人間と違い食べられるものは何でも食べる。生活力があるっていうか、生きることの貪欲で逞しい。ちょっとやそっとで弱音を吐かないし、人間のように自ら死ぬようなことはしない。かえって浪々の身を楽しんでいるのかもしれない。
         

自由に生きてるのが気兼ねしなくていい

 野良猫に関心を持ったのは弱いように見えても芯は強くたくましく、優しくしてくれる人間にはココロを開いてくれるおおらかさをみたからです。  私がカメラを向ける野良猫の小屋は犬用の小屋です。誰かが雨露を避けるため持ってきたのでしょう。水受けや食器皿もあります。餌を持って来た老婦人に会ったことがあります。老婦人が来るとどこからか野良猫が寄って来るそうです。一度、野良猫を自宅に連れて帰って飼ってみたのですが、1週間くらいで姿が見えなくなり、野良猫の小屋に来てみると戻っていたそうです。
                     

プライドの高い野良猫

              




 



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