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入社2年

会社に入ってしばらくしてから会社を見つめてみる感じの記事。入社してから2年少々、2度目のカレンダーイヤーを終えようとしているタイミングで見る会社は、いろいろ理解が進んだ状態でありつつもまだ未知なものもたくさん残っている。

なぜ前職をやめたのか

前職に対して強い不満は無かったものの、小さなフラストレーションはたくさん溜まり、ここで長く働こうという執着も持てなくなっていた。勤怠管理画面であり余る有給を見て「あぁ仕事やめて有給消化しよう」と思い、そのまま退職の決意を固めた。

この件についてはこちらの記事をどうぞ。

正直、今はやめてよかったと思っている。私を育ててくれたのは前の会社の某新規事業だと今でも思っている。でも転職してから振り返ると、全てがデジャヴュに見え始めた時点で私はもうあそこでは成長できなかったんだと思う。

なぜこの会社を選んだのか

漠然と、次に働くならネット系ベンチャーだとずっと思っていたのに、冷静に考えたらそうではなかった。

転職にあたって自分は一体何が好きなのかを考えてみて気づいたのは、いつの間にか、3度の飯よりOMOが好きになっていたということだった。

テクノロジーの活躍の余地が最もあるのはアナログな世界であり、テクノロジーを人が正しく使いこなすことがどんなパワーを持つのかを考えるのが好き。そこに既に存在するマニュアルオペレーションとどう共存し、どう発展させ、どうやって本当に必要な作業だけを残していくのかを組み立てていくのが一番好き。

店舗がほしい。それも、オムニチャネルの強みを活かせるような店舗数が。
何となく前職の経験から、最低でも300店舗ぐらいあるところと思っていた。(でもコンビニは違うというワガママ)

ご縁というのは不思議なもので、こんなことを考え始めたらそんなところに巡り会えたのだった。

入ってみてよかったこと

いい人ばかり
基本的に、偉い人達が皆いい人。皆常にポジティブな考え方だし、いつも前向きな言葉で励ましてくれる。

私がパイロットテスト中のプロダクトでとんでもない問題にぶつかった時、障害報告をしたら社長が「こういうことがあるかもしれないからパイロットテストをやったんでしょ。パイロットの意味があってよかった」と言ってくれたことは絶対忘れない。

全然違う部門の役員が私に多大な時間を割いてくれるのも嬉しい。「結果が欲しいんだ。だからここに時間を使うんだ。」とストレートに期待を伝えてくれることがどれだけ心強いか。

ゆとりが持てる生活
転職してからというもの、時間的にも心理的にもゆとりが持てる生活ができている。COVID-19の影響下では基本的にリモートワークだが、普通に出社していた頃も毎朝ジムに行ってから出社していたし、帰りもそれなりに早い。もちろん遅い日もあるが、基本的に18時を過ぎるとオフィスの清掃が始まって「早く帰れ」という無言のプレッシャーを感じる。10時出社なのでその時点ではまだ8時間経過していないにもかかわらず。

在宅勤務もそれなりにできる。本来通勤するはずだった時間を使って子供の習い事の付き添いをしたり美容院に行ったりしている。

好きなようにやらせてもらえる
もともとMy project, my ruleというスタンスな私。本当にありがたいことに、結果を出し続ける限りそれを尊重してもらえる環境。逆に言い訳はできない。

全てはお客様のために
お客様という共通言語がある。議論をしても最終的にはそこに立ち返って結論を導くことができるし、偉い人への忖度よりもお客様が強い。

入ってみて期待はずれだったこと

日本オフィスに主導権がない罠
基本的にグローバルチームが開発したいろいろなものを使っているため、システムのことがよくわからないままに仕事をするハメになっていること。何となく機能から仕様を想像することはできるけれども、参照できるドキュメントもなく、そのシステムの担当の人に聞きに行くスタイル。

いい会社って入れ替わりが少ないよねの罠
プロダクトマインドセットを持った人が圧倒的に少ない。だから私がハードスキルを磨く場が無い。(そんな文句を言っていたらここの手当てはしてもらえた。)

古き良きSIer気質の人が多い。それもそのはず、他部署も含め、オフィス全体の年齢層が高い。私の部は特に高い。まさか30をこえて部内最年少の肩書を手にするとは思わなかった。ITなのに。

おそらくこのおじさん達、若い頃はブイブイ言わせていたのだろうな、20年前にこんなシステムが既に存在していたなんて。で、それが何で今も現役なの?的な。(おじさんじゃないよ、システムの話だよ!)

自己都合退職のお知らせと同じぐらいの数の定年退職のお知らせを受け取る。皆が辞めない、いい会社なんだなぁ…

ベンダー選定のセンス
自社開発をしていないので開発業務は100%外注依存。なのにベンダー選定のセンスがない領域が散見される。私の領域もそうで、まさかECの経験がない人達のベビーシッティングをさせられるなんて思っていなかった。

居場所がわからない
外から見てもわからなかったけど、実際は文化と言語の断絶が大きい会社だった。外資といえども長く日本で企業活動をしていて、長い間日本企業だったからだと思われるが、純然たる日本人のコミュニティが社内で出来上がっている。

ここで私は常に自分の居場所が無いと感じる。日本人からは外人枠で扱われ、それでも外国人と渡り合えるほど流暢な英語が話せないから外国人からは日本人として扱われる。この生き辛さの中にチャンスがあるとは思うんだけど、まだその活かし方がよくわからない。

未知なるもの

未だに、会社の何がGivenで何が変えられるのかよくわからないので日々手探り。

もし、変えられる余地が小さかったら、ちょっと窮屈だろうなと思う。

総じて

本当に優秀な経営層の人たちと近い距離で一緒に仕事ができて、正直な感想として「元はとった」と思っている。この会社に貢献した自信はあるが、それと同等かそれ以上の対価は受け取った。いつ辞めてもいい。

いつ辞めてもいいのに、辞めないのは、気に入っているんだろうと思う。


ありがとうございます。いただいたサポートは、脳の栄養補給のため甘いお菓子となり、次の創作に役立つ予定です。