ウト株式会社を創業しました
※この記事は、私の起業記念note二部作のうちの第二部(やっぱりこっちもポエムになっちゃった…の部)です。事業にかける思いを真面目に綴ったら新作ポエムになりました。
ちなみに第一部はこちらです。
この度、ウト株式会社を創業しました。今日登記申請をしたばかりです。今は登記完了までのタイムラグ期間中なので「創業しました」と言い切っちゃっていいのか悩みましたが…無事に登記完了したら今日が設立日になるし、まぁいいかと思ってます。
創業の背景:DXの本質と課題
ウトは体験と技術とオペレーションでDXを推進する会社です。
DX推進の会社を立ち上げることにしたのは、私が持つ課題感からです。
DXに求められるのは単なるデジタル化、システム化ではありません。やるべきことは業務の効率化ではなく、業務の変革なのです。
しかし、DXという言葉に踊らされて成果を急ぐと、目に見えるROIを追って効率化ばかりに執着するようになり、本質を見失いがちです。
業務を変革することさえできれば、巨額のIT投資は必ずしも必要ではありません。逆に、いくら大規模な開発を経て素晴らしいシステムを導入しても、正しく使われなければ意味がありません。
あるべきプロセス・オペレーションの再構築
正しい技術の選定
良い利用者体験の設計
これら3つがDX成功の前提条件となります。
しかし現実には、ごく少数のDX成功者と、それ以外の会社の二極化が進行しています。
実は多くの失敗事例には、DXのDの部分だけが殊更に強調されているという共通点があります。簡単に言うと、いつの間にか目的がすり替わって「システムを入れる」がゴールになってしまっているのです。
「何も作らない」というDXがあってもいい
私はかねてから、作らないことの良さを説いてきました。
そのスタンスは全く変わらず、ウトではたとえお客様が相手でも、作るべきでないものは「やめましょう」とはっきり言います。ただ作らないだけではなく、作らずにどういった形がとれるか、どういう条件を満たしたら作ることに決めるかといったことも一緒に考えます。
私達の成果物は、真の意味でのDXを持続可能な状態で推進できるチームです。コンサルが入った時だけ、ソリューションを導入した直後だけ機能するDXではなく、市場や社内の状況にあわせてしなやかに変化し続けられるチームがDXの指揮を取り続けられる状態を目指します。
そのために私達は、DXのXの部分、つまりTransformationから逆算したソリューションを提供します。それは従業員の行動変容かもしれませんし、顧客体験の抜本的な見直しかもしれません。個社ごとに変革のドライバーは異なり、単一の正解は存在しないものです。私達はお客様のコンディションに合わせて最適なソリューションを提案します。
社名の由来
烏兎(太陽と月を指す古語)から来ています。太陽と月のように、デジタルだけでなくフィジカルも、オンラインだけでなくオフラインもトータルで捉えて体験を構築していく私達の姿勢を表しています。
実はもうひとつ後付けで気付いた意味があって、私達が得意とする UX / Technology / Operation を並べるとUTOになります。これらの3つの強みを活かして日本のDX(主語デカ)をバリバリに推進していきます。
烏兎とUTOですが社名表記としてはカタカナのウトです。
私達の強み
ウトのメンバーは、コンサルティング、製造、小売、飲食といった業界でDXを推進した実績を持つ者ばかりです。また、UX・ビジネス・テクノロジーの各領域に強みを持つメンバーが揃っており、三要素を網羅した上でのDX推進が可能です。
ロゴの裏話
私がリスペクトするUXデザイナーに「ロゴデザイン一番すごい人紹介して」とお願いして紹介してもらった方にデザインをお願いしました。
全部で6案出していただき、メンバー間での好みの差を如実に感じながら最終的には幻の7案目を採用するという展開でした。UX, Technology, Operationの3つの結節点になることが表現されたロゴです。
提供するサービス
1: コンサルティング
「業務の変革」に主軸を置いた、真のDX実現を支援します。
不変の課題・万能のシステムは存在しないという前提で、今ある、もしくは今導入しようとしているシステムや取り組みの事業成果の最大化を実現します。
課題の根っこは、課題設定かもしれませんし、システムそのものかもしれませんし、KPIや組織設計、はたまた、キーとなるミドルマネジメントの感情面の巻き込みや採用かもしれません。
外部のアドバイザとしての伴走ではなく、お客様の社内で役割(場合によってはレポートラインや予算執行権限)をいただき、改革の実行と成果の刈り取りに向けて先頭を走ります。
そのうえで私達の知見や過去の実績に基づき、今後起こりうる、揺り戻しやフェーズ進行による次の課題といった、ビジネス全体を俯瞰した事業戦略・プロダクト戦略・組織戦略策定といった今後の課題に向けた戦略や備えを明確にしていきます。
2: プロダクト開発
・共創プロダクト
お客様の深い知見と私たちのプロダクト開発力を融合し、革新的なプロダクトを共同で開発します。
アイデア創出段階から協力することで、ウトの持つプロダクト開発のナレッジを最大限に活用していただくことができます。プロトタイプにより仮説検証をしながら進めるなど、顧客が本当に必要としていたものにいち早くたどり着くための効果的な手法を提供します。
・自社プロダクト
現在開発中です。もう少し形になってからお知らせをしたいと考えています。
私達が目指すもの
第一部にも書きましたが、私が今回こだわっているのは「自分の手の届く範囲にいる人達の生活をちょっと良くする」ということです。
私達が起こすのは社会全体から見たらとても小さな変革です。しかし、それが波紋のように徐々に大きな輪となって広範囲に広がっていくことを期待します。人材の流動性の高まりとともに、ある企業でDXを経験した人が別の企業で再びDXをリードすることも珍しくなくなるでしょう。その時に、「ウトが支援していた会社から来た人たちにDXを任せたらやっぱりうまくいくね」と言われるようなブランドになりたいと思っています。
その次に起こることは、それらの企業の出身者がまた他の企業でDXを成功させながら、次のDX人材の育成をすることです。そうすると、私達がやることは徐々になくなっていくでしょう。そうなったら私達は、「今どきDXなんて流行らないんだよ」と言いながら違うビジネスを始めていると思います。
私はティースタンドを始めたいと思っています。「あのお婆ちゃん昔はすごかったらしいよ」と言われながら私は淡々と無愛想に紅茶を売ります。