未経験者にAgileを教えた話 第3話 宿題に上司からのプレッシャー

前回までのあらすじ:
Agileレクチャーに関する部門長からのリクエストを無視した結果、大盛況のうちに第1回のレクチャーを終えた私。宿題をTrelloで出題したところ、ほぼ全員がTrelloにユーザー登録し、組織に対する希望が生まれたのであった。

宿題ボードに異変が

うちのITのメンバーはおとなしい。だから、宿題に一切関係ないRequestsというリストにカードが追加されることはないだろうと思っていた。

ある日、そこにカードが追加された。それを変だと感じてしまう私もどうかと思うが、異変である。

このリストはその名のとおり、今後のレクチャーに関するリクエストがあれば記入してもらうためのものだった。

そこにはこう書かれていた(原文は英語なので、意訳)。

第2回のレクチャー実施。ユーザーストーリーの書き方、エピックをどう分解するか、など。チームにとってとてもよい学びになると思います。

追加したのは予想どおり部門長だった(彼からの当初のリクエストについて詳細はプロローグを参照)。

さらにフィードバックリストには彼からこんなコメントが。

人を惹きつける、パワフルなプレゼンテーションでした。スペックの書き方に関するフォローアップを楽しみにしています。

ゴゴゴゴゴ・・・・・・

もう、これ以上逃れられない・・・!

次回の方向性を修正

第2回の内容に関して、本当は提出された宿題のサマリを紹介しながら、いよいよアジャイルとはという話をしようと思っていた。

例えば短いスパンで顧客からのフィードバックを得るとか、そういう「ありがち」な話である。

しかし、もう私はこれ以上逃げられない。レクチャーに与えられた尺を考慮するとエピックの話には至らないかもしれないが、ストーリーには触れざるを得ないだろうと思われる。

ワークショップを通じて私が仕向けた面もあるが、宿題の回答から決定的に抜けていることがあった。

宿題の回答は、いかにして顧客から聞いたWhatの再現度を忠実に上げていくかということに終始している。更には要求を明確に伝えなかった顧客の落ち度を指摘する声もある。しかしWhyに関する言及がない

皆はまだ、プロダクトマネジメントの本質にたどり着いていない。そして、それをカバーすることは、ストーリーを書く理由につながる。

この方向性にシフトして第2回を開催することに決めた。

ありがとうございます。いただいたサポートは、脳の栄養補給のため甘いお菓子となり、次の創作に役立つ予定です。