岩田彬広

プロダクト開発について考えています。IT会社で働いています。

岩田彬広

プロダクト開発について考えています。IT会社で働いています。

最近の記事

ちょっと待ったその"人事権"、本当に必要ですか?

結論そもそも人を増やして解決したい課題は何ですか?その課題は、機会損失を十分に鑑みても解決すべき課題ですか?それが十分に説明できるなら別に権限いらなくないですか? 人を増やすために人事権が欲しい場合は要警戒例えばWebアプリケーションでパフォーマンス問題が起きているとする。この場合まず何をするか?そう、計測及びボトルネック特定である。 人を増やすというのはパフォーマンス問題への対処で言えばサーバー台数を増やすようなものである。DBがボトルネックなのにアプリケーション台数を増

    • “良い本”とは何か?

      IT業界ではよく「おすすめの本ありますか?」「これが良いと思います」と言った会話や記事が見られる。Kindleのセールに合わせて”おすすめ書籍”を紹介するとインプレッションも取りやすい。 最近『プロダクトマネージャーのしごと』という書籍を読んで、あぁこれ良い本だなと思った。しかし同時に、こういう”良い本”って微妙だよなぁと思った。 ”良い本”というものには、厄介な性質とでもいうものがあると思っている。この性質について思うことを書き記す。 厄介な性質:多くの場合、”良い本

      • 4年前の自分に向けて。「モノ」が好きなら大丈夫

        TGIFということで、他にやらないといけない事柄から目を背け、久しぶりになにか文章を書いて発信しようという気分になった。気づけば1年近く、そのようなことはしていない。 さて、誰に向けて何を書くか。そういえば今年の7月で現職4年目が終わり、5年目に突入していた。節目ということで、対象は4年前の自分にする。4年前の自分は、この会社で、またPMとして、生き残れるのかご飯を食べていけるのか不安しか無い状態だったように思う。まだまだPMとして一流とは言えないが、多分ここさえあれば大丈

        • PMの人々にリフレッシュ方法を聞いてみたらすごい勢いで回答が集まった

          リフレッシュしてますか?こんにちは。岩田と申します。 暇さえあれば(暇なんて無くても)プロダクトやユーザーやその他諸々について考えてしまうプロダクトマネージャーのあなた、好きでこの職種をやってはいるものの「たまにはリフレッシュしたいなぁ」とぼんやり思うことありますよね。 でも意外とリフレッシュできないんですよね、分かります。結局、プロダクトやユーザーのことが頭から離れないんですよね。 ということで、プロダクト筋トレコミュニティでPMの皆様にリフレッシュ方法を聞いてきました

        ちょっと待ったその"人事権"、本当に必要ですか?

          "アイデアこそ全て"症候群

          プロダクトマネジメントに関わる人であれば誰しもアイデアの重要性は認識していると考える。世界中で使われているどんなプロダクトも、最初は誰かのアイデアから始まっている。誰も思いついていないような革新的なアイデアは世界を救おう→ジョブ理論だ!デザイン思考だ!という理屈自体は正しい。 しかしアイデアを考えるということは全体のスタート地点に過ぎない。さらに言うなら、私含め多くの人が思う「アイデア」自体、プロダクトを作るために考えなければならないことがそもそも欠落しているパターンが非常

          "アイデアこそ全て"症候群

          プロダクトが好きですか?

          始祖のプロダクトマネージャー達世の中にはプロダクトが好きで好きで仕方ないという人がいる。彼らは探究心や知的好奇心に溢れ、世の中に出てくる様々なプロダクトに興味を持つ。今流行りのアプリはなにか、自分が愛用する道具のベストはないのか、見つけた素晴らしいプロダクトの作者や会社の思想や背景はなにか、といった情報を誰に言われずとも自分で好きで探求をし続ける。 さらに彼らは単なるマニアにとどまらず、自らモノづくりに関わり始める。彼らは(ある種狂気的な)拘りを発揮し、世の中を変えてしまう

          プロダクトが好きですか?

          プロダクトを組織の中心に据えるとは

          私の友人が非ITの製造業の営業?購買?(社内がカオスだからどっちも見ているとか)からIT企業のカスタマーサクセスへ転身するらしい。様々なギャップや驚きがこの先起きると思う。オススメの書籍を教えてくれというのでカスタマーサクセスの本を1冊と、プロダクト志向組織に関する書籍を数冊薦めた。 カスタマーサクセスという職種自体、このプロダクト志向という前提あってのものであると考える。 さて、ここでいうプロダクトの要件とは何だろうか。冒頭の友人は製造業で様々なプロダクトを取り扱ってい

          プロダクトを組織の中心に据えるとは

          PMとして「考える」とはどういうことか

          PMとして考える、とはPMに限らず、多くの仕事にとって考えることが重要という話に異論を唱える人はいないと思う。 PMとして「考える」というのは多くの場合プロダクトに関する意思決定をした後をシミュレーションすることであろうと考える。具体的には、プロダクトをローンチしたら誰がいくらで買ってくれるか、どのような価値を感じてもらえるか、開発しきれるだろうか、等である。 何を以て「考えきった」と言えるか これを更に深堀りしてみる。例えばプロダクトを拡張し、よりよい体験を提供しようと

          PMとして「考える」とはどういうことか

          プロダクトの機能を減らすという意思決定

          2019年にPMとして働き始めてから、よく「マイナーな機能を削除したら思いの外クレームが多かった」「一度出した機能を削除するのは大変」という話を目にする。そもそもニーズが無い機能をはじめから出さないことが鉄則であり、そのためのノウハウや知見も世の中に溜まってきてはいるが、そうはいっても失敗してしまうこともある。 この話の時に必ず入るのが「マイナー」「少数」といった単語である。ようは、当該機能によってユーザーにもたらされる恩恵の総量に対して、開発リソースの投資が見合っていない

          プロダクトの機能を減らすという意思決定