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好きな一冊の紹介📖

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読んだ本の感想を気まぐれに投稿していきます。ジャンルは主に、小説や学術的な内容のものが多いです。好きな著者は夏目漱石。好きな本や良いなと思ったものには、ぜひスキを押して共有してく… もっと読む
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記事一覧

月の満ち欠け/著 佐藤正午

『月の満ち欠け』 タイトルになんとなく惹かれ本屋で手にとりました😌今まで読んだ本の中でも感じたことのないストーリーの展開で面白かったです。 昔付き合っていた彼女や妻の生まれ変わりとして、何十年後かにある女性と出会うという、不思議だけど現実的に起こりそうな感覚をもつ、そんなお話でした。 生まれ変わりだという女性は、主人公が昔一緒にいた恋人や妻と性格や会話までが似ていて、自分の近くにまた生まれてきたのだと信じています。しかし、みんなにそのことを伝えても誰一人としてその話を信じ

ルフィの仲間力/著 安田雪

私がお知り合いの方におススメされた一冊『ルフィの仲間力』について今回はご紹介したいと思います!ワンピースを一度も読んだことが無い私でも共感する内容がいくつかあったので、是非どなたでも気軽に読んでいただけると嬉しいです✨ 主人公であるルフィは「海賊王になる」という夢を掲げて、大海原に飛び出します。彼が夢を追い生きるために、心から信頼できる仲間を見つけながら冒険に出るのですが、彼がどのようにして仲間を集めたのか、仲間たちはなぜ彼についていこうとしたのかなど、ワンピースの物語から

漫画 バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則/ジョージ・S・クレイソン著

本書は、現在のイラクである古代バビロニアの首都の王様バビロン大富豪から「お金を稼ぐ方法」と「生きる知恵」を得た、少年バイセンについて描かれている話です。 ーーーーーーーーーーーー 貧乏な家庭で生まれ、幼い時から真面目に働いてきた少年バイセンは、あるとき「お金持ちとお金持ちじゃない人の違い」は何なのか疑問を持ちます。というのも、バイセンには「将来お金持ちになったら貧しい家族を救いたい」という気持ちがあったからです。 その疑問を晴らすため、ある日バイセンは大富豪であるアルカ

空飛ぶタイヤ(下)/池井戸 潤 著

赤松運送の「整備不良」が事故の原因だと晒されてきた疑惑がようやく晴れ、真実が明らかになった。 これまで散々赤松運送を侮辱してきたホープ自動車は、事故の原因が自社にあると知りながら証拠隠滅を図ってきた。 過去の事故車両や部品の構造上の問題がバレてリコールを避けるために、ホープ自動車経営陣は「整備不良」が事故原因だと何年にも渡り主張し続け、国土交通省に提出する書類にも、作為されていたことが発覚。 警察は、手掛かりとなる十分な証拠が見つかるまで赤松運送に濡れ衣を着せてきたが、

空飛ぶタイヤ (上)/ 池井戸潤 著

三菱リコール隠し事件の実話である『空飛ぶタイヤ』。 子どもの母親の命を奪ったトラックの脱輪事故により、赤松運送が事故原因の疑いをかけられたが、警察は確かな証拠を見つけることができないまま真相は迷宮入り。 しかし、ホープ自動車会社が事件に深く関わっていることが明らかになり、本当の事故原因を知りながら社内で隠し続けていたことが発覚。 財閥系の会社だけに、縦割り関係が執着する組織内では、事件に関してT会議と呼ばれる「密着会議」がされていた。 ーーーーーーーーーーーーーーーー

君たちはどう生きるか/吉野源三郎 著

本書は、いたずら好きのコペル君が学校で出会った友達との関係や心情の変化、夢を持つことについて、あらゆる場面で感じたことをありのままに表現している。また、コペル君の叔父さんが彼の気づいたことをもとに、人生において大切なことを書き留めたメモがとても分かりやすいため、学べることが非常に多い。 叔父さんメモ: 「人間としてこの世に生きているということが、どれだけ意味があることか、それは、君が本当に人間らしく生きてみて、その間にしっくりと胸に感じとらなければいけないことで、はたからは

六千人の命のビザ / 杉原幸子著

(2016-06-03 Soka Book Waveより) 本書は、戦時中の時代背景を追って、杉原千畝の生涯を、妻の杉原幸子が語った一冊である。 当時、ナチスによるユダヤ教徒迫害のため、ヨーロッパから脱出してきたユダヤ人のために杉原千畝は外務省としてビザを発給し続けた。 私は、毎日何千人にも及ぶユダヤ人のビザ発給のために、人道支援として行った彼の行動は、世界中で称賛されてもおかしくないと思った。 それと同時に、ナチㇲによる人権迫害の歴史は、ユダヤ人だけでなく、一人の命

〈中東〉の考え方 / 酒井啓子著

( 2017-04-14 Soka Book Waveより) 本書は、一見複雑で不明瞭に思われがちな「中東」地域の歴史の謎を、日本の著名な中東政治専門研究者、酒井啓子が解き明かした一冊である。 アラブ諸国のローマ時代からの歴史と文化から、現代政治の構造とその発展まで、平易に理解されているため、誰でも手に取りやすい内容である。 また本書は、一般的に誰でも抱くような、”中東地域では一体何が起こっているのか?”や、”そもそもアラブ人とは誰なのか?”などの質問を文頭に投げかけ

現代政治理論 / 川崎修編 ; 杉田敦編

( 2017-04-13 Soka Book Waveより) 政治とは何か、民主主義とは何か、自由な権利とは何か、といった誰でも抱くような疑問点から、歴史的顕著な学者の見解をもとに、現代政治理論の内容が平易に表現された一冊である。 私はこの本の内容の中でも特に、「多文化主義」というキーワードを取り上げたい。多文化主義とは簡略的に、あらゆる言語や民族の異なるグループ同士、互いの多様性を国家内で是認・維持していくという考え方である。 好況時、多文化主義を受け入れてきたイギリ

人道的介入 : 正義の武力行使はあるか / 最上敏樹著

( 2017-04-03 Soka Book Waveより) 無罪の人々が命を落とす世界中の残虐な紛争地で、「人道的介入」を求め、戦争を止める理由で、武力行使をすることは国際社会で認められるか。 認められるのならば、無罪で死んでゆく市民らの人権は誰が保障するのか。 本書は、武力行使のもとで人道的介入は果たして認められるかという是非を論じた一冊である。 英国で顕著な国際政治学者アダム・ロバーツや、アメリカで顕著な政治哲学者の「人道的介入」の解釈をひもときながらその論点を

開発援助か社会運動か : 現場から問い直すNGOの存在意義 / 定松栄一著

( 2017-04-01 Soka Book Waveより) 本書は、筆者の、国際開発に15年間奔走してきたネパールでの国際開発の経験と、そこから感じた筆者の心情を熱烈に物語った一冊である。 政治的に中立な立場をとらざるを得ない国際協力機関NGOがもつ特質は、時に人道支援の邪魔をする。支援の限界や制限を感じる中で、果たして、支援することが当の人々の望みになっているのか、この支援の在り方で現地の人々の状況は本当に改善するのか。 国際開発という分野で現場に立つ一人の人間の葛

海外で恥をかかない 世界の常識

( 2017-04-01 Soka Book Waveより) この本は、これまで世界中を旅し、多様な文化に触れてきた池上彰が著した一冊である。 世界中を旅した実際の経験や、各国の世界史から現代史、雑学、さらに観光名所の紹介などの情報が存分に含まれているため、楽しみながら読み進めることができる。 この本の内容の中でも特に私は、様々な国の食文化と世界史に興味もった。食文化においては、例えばドイツのビールのグラスには目盛りの線がついていて、線の高さ丁度にビールが注がれるように

レポート・論文の書き方入門

( 2017-04-01 Soka Book Waveより) 本書は、大学での講義における勉強の仕方や、レポート、論文のまとめ方など、大学の一般的な学習方法の基礎的な内容から応用の内容までが明確につづられている。 特にその中でも、「テキスト批評」とよばれる、読了した本の内容を簡略的にまとめ、筆者の意見を批評する方法がある。 これは、読んだ本の内容の中で、どの文面が自分にとって関心があると思ったかを明らかにし、そして本文中の自分の関心のある内容に基づき、自ら問題提起を立

欧州複合危機 : 苦悶するEU、揺れる世界 / 遠藤乾著

( 2017-04-01 Soka Book Waveより) 現在のヨーロッパ移民・難民の大量流入は「第二次世界大戦以来の人道危機」と呼ばれている。 そのような世界的危機が逼迫する中、本書は、現代のイギリスのEU離脱に伴う移民・難民が社会にもたらす影響、そしてヨーロッパ諸国の経済的、歴史的背景からひも解くEUの課題などが明確に述べられている。 また、EUが発展していく過程で、民主主義、ナショナリズム、社会連帯とアイデンティティの各キーワードが、現在の国際社会にどのような