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自分自身の変化から感じる「お参り」の効用。

ここ数年、毎日の「朝参り」を続けています。「朝参り」では、「氏神さま」と「お墓さん」にお参りにいくようにしています。きっかけは、だいぶ年下の先輩が「毎日お墓参りをしている。」という話をしてくれたことと、知り合った方に「お墓参りをするといいことがある。」という考えがあることを教えていただいたことです。

その話を聞いて、「自分自身がお墓を作る仕事をさせてもらっている以上、自分自身もしっかり「お墓参り」をしよう!」と思ったのと、本当にいいことがあるかどうかはやってみないと分からないし、どんな風に感じるかもやってみないと分からない…と思ったことから、毎日の「朝参り」をスタートさせることにしました。

かれこれ、早いもので数年、毎朝「氏神さま」と「お墓さん」に手を合わせに行っています。始めた頃「これを毎日やったとしてもどうなるかな…。」と少しの疑念もあったのは事実でしたが、最近は全くなくなってきました…というのも、自分自身の中で明らかに変化が起こっているからです。この変化は始める前に想像していた以上の変化でした。

”自分のこと”から、”ご先祖さまのこと”へ

自分の中で起こっている変化の1つに、手を合わせた時に思うことの変化があります。始めたころは、いつも”自分のこと”を考えていました。「どうか◯◯できますように…」、「うまくいきますように…」など、自分の願望や夢を託すような形です。すべての自分のことでした。

不思議なのですが、最近は違います。手を合わせると”ご先祖さまのこと”を思うようになりました。「どうか幸せにお過ごし下さい。」、「いつも見守ってくださってありがとうございます。」など、”ご先祖さま”のことを思うようになっています。

この原因は、「お参り」をずっと続けてきたことで、初めにお願いしていたことが少しずつ実現してきていて、何かいいことがあった時は「ありがとうございます。」ってことを心の中で思うようになったことが大きい原因の1つだと思っています。初めはすがるようにお願いしていたのですが、だんだんと実現していくことが多くあり、自分自身が「感謝の気持ち」を表現するようになってきた…と感じています。

”できごとについて、ご先祖さまに感謝すること”が、ボジティブな面に注目する習慣につながる。

そして、最近の変化は、特に何もないなぁ…と思ってお参りに行った時に、「いつも見守ってくださってありがとうございます。」と心の中でお祈りした時に、「何か感謝しないといけないことってなかったっけ?」と思うようになったことです。

つまり、昨日の出来事について、ポジティブな側面を探しながら振り返っている自分がいることです。そう考えるようになって驚いたのが、何もない…と思っていても、探してみると些細なことでも、意外といいこともある…ということ。「◯◯さんとのご縁を繋いでいたただいて、ありがとうございます。」「◯◯をさせていただいて、ありがとうございます。」といった感じで「お参り」にいく度に、前の日を振り返って、よかったことを探して感謝するようになってきました。

これを毎日続けていると、日々の生活の中で「明日お参りに行ったら、この出来事も感謝を伝えないと…。」とだんだんとこれまで気づけなかったに気づいたり、これまで意識できなかったことを意識できるようになってきている自分がいて、日々の生活の中での考え方が少しずつ変化してきていて、ポジティブな側面に注目をするようになってきています。

ここまででお気づきの方もいると思いますが、この「できごとをポジティブに振り返ること。」、「プラスの側面に注目すること。」、「感謝すること。」はおそらく心理学の世界であったり、ビジネスの世界であったり、多くの場所で大切にされている考え方だと思います。「お参り」というシンプルなことの中に、実は大切な考え方や、心のの持ち方を育ててくれるエッセンスがたくさん詰まっている…と感じています。

「『ご先祖さま』のことを思うだけでいい。」という先輩の教えから。

石屋になってから、お墓のことについて勉強をしていると、多くの先輩から同じことを教えていただくことがあります。それは、「お墓参り」に行ったら、「ご先祖さまのことを思うだけでいい。」、「ご先祖さまの幸せを祈るだけでいい。」ということ。不思議とこれは多くの先輩から教えていただきました。正直、「それだけでいいの?」って思っていましたが、最近の自分自身に起こっている変化から、先輩方の話に納得できるようになってきました。

特に最近、「お参り」する時に自分のことを思わなくなってきたのは、お願いした多くのことについて、応援いただいてサポートしてもらっていて、「自分は見守ってもらっている。」という感覚が少しずつ生まれてきていることです。そして、毎日「お参り」している自分自身の変化からも、この感覚がもっと大きくなっていくだろうな…ということも想像しています。

「お参り」をすることは、不思議と、自分自身を見つめ、考え方を整えていく…といった効用があると考えています。よく「成功している人は『お墓』を大切にしている。」という話があるのですが、「本当に?」って思っていたところもありますが、最近自分自身が感じていることから考えると、ちょっと納得し始めています。自分自身に起こる変化を見つめつつ、これからも「お参り」を続けていきたいと思います。

庵治石細目「松原等石材店」3代目 森重裕二

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