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たけのこ@マンガライターが2024年4月に読んで面白かったマンガ!

さて年度がかわりまして早々と4月も終わりましたね。
環境が変わったひともいることでしょう。ここから働きだしたかたは社会のきびしさを目の当たりにしているのではないでしょうか(苦笑

いや「きびしい」というか、「日中は仕事しかしてないし、帰ったら疲れてなにもできないし、つぶやくことがない」みたいなツイートを昔、見たことがあるのですが、そういう状況ホントにありますからね。
頑張りすぎないくらいに頑張ってくださいませ。マンガはいつでも君たちの味方だ!

そんな4月のわたしが読んでおもしろかったマンガです!

わりと、まがまがしい印象になりましたね(笑
ホラーがいくつかランクインしたせいかもしれません。

そんなわけで個別いってみましょー!


『ふつうの軽音部』

4月はもう『ふつうの軽音部』の月ってことでいいです。
圧倒的に面白かったです。わたしは音楽が好きなので、出てくる音楽もわかるし、この軽音部~の感じもわかるので5割増しでおもしろく感じているのではないかと思いますが、それをさっぴいてもおもしろいんじゃないかと。

最初読んだときに、クソでか感情があふれてしまったので、20以上もツイートを連ねてしまいました。よかったらどうぞ。そのあとnoteも書いたしね。

なにがおもしろいのかは正直言語化がむずかしいなって思ったんです。
何分わたしとして感じたのは、主人公の好きなアーティストなど、細かい部分から感じるリアリティなので、それが万人に伝わる魅力なのか?って言われると自信が持てません。

でも皆さんの反応もかなりいいので、おそらくそういうものって伝わるんだろうと。とりあえずそういうことにしておきましょう(笑


――あとから皆様に意見をいただき考えてみたのですが、「軽音部」としてのあるあるをリアルに描くことで、主人公があたかもモブのようになること。モブであるだけでなく、陰キャで余計目立たないタイプにもかかわらず、何気にすごいを才能もって見いだされること。
この辺の落差がカタルシスに繋がってるんじゃないかな……と思いましたので、気が向いたら単独でnote書きます(前後する可能性あり

いい作品でした!


『ガールズ・アット・ジ・エッジ』

そして2本目はこちら。
こちらはあんまり見つかってない感じがあるのですが、とっても面白かったです。風俗嬢たちを主役にしたサスペンス。カクヨムで連載していた小説のコミカライズですね。
風俗店でボーイが殺され、数人の風俗嬢とボーイが姿を消す。犯人はだれなのか?その動機はなんなのか。というのを群像劇的に描きます。

退廃的な空気がただよっていて、岡崎京子先生を思い出しました。時系列がいれかわり、むずかしさもちょっとあったのですが、この空気に持っていかれたという感じでしょうか。
わたしの根っこはやはりあの時代にあるんですよね。こればっかりは仕方がない。

意志強先生とか、ああいうツラさにあふれる作品が好きなひとも好きだと思うので、一度手にとってみてください。


『あくまでクジャクの話です。』

小出もと貴先生の新作ですね。
相変わらず、いっぷう変わったテーマを持ってきますね。それに今度はラブコメでもあります。生物学をもとに、人間同士の恋愛を工学し披露する。そんなご高説をたれるヒロインはじつは主人公にほれていると。

生物学的な解説も面白いですし、それにヒロイン自身が翻弄される様もおもしろい。理屈っぽい系ラブコメといったところでしょうか。

今後もどんな生物学講義が聞けるのか楽しみです!


『H村へようこそ!』

連載はじまったころから話題でしたね。
おもしろかったです。これも昨今流行りのホラーマンガの一角ですね。

田舎に引っ越してきた主人公。周囲には田舎っぽいちょっとかわった子たちはいるものの、よくある田舎ライフがはじまる。
……かと思いきや立ちはだかるなぞの女の子。怪異なのか神様なのか、誰もがはれものに触るように口をとざし、まともに彼女がなんなのか教えてくれない。そのうちなんとなく彼女と仲良くなるけれど、結局彼女がなんなのかわからないまま……

日常パートはちゃんと日常コメディしているんですけど、そこに唐突に入ってくるホラーパート。ここにグランドキャニオンくらいの大きな谷間があって、異物感がとってもコワイんですよ。
「楽しいのに怖い」にもいろいろあるんだなぁと思った次第です。

昨今はホラーがたくさん出ているので、いろんな切り口が見られていいですね。


『ニクバミホネギシミ』

そしてこちらもホラーからランクイン。
こっちはね、直球と言えば直球なのですが、とにかくお化けのビジュアルが怖い。「兄だったもの」に近いものがありますが、怖さっていうのはなにものにも代えがたい強さなんだなぁと思わずにはいられません。

お化けを見ることができるカメラマンと、オカルト雑誌の編集者のバディで各地の怖い話をもとめて飛びまわります。

編集者のほうはお化けを見ることができないっていうのが面白くて、すぐ真後ろまでお化けに忍び寄られていても、見えないどころか気づくこともできない。でもカメラマンにはそれが見えているので大慌て。
そんな関係性が怪異とのいい感じの距離感になっていて楽しいホラーでした。


『線場のひと』 上巻

そしてこちらはトーチから。
戦後に生きた女性たちを主人公とした作品……かな。

基本ふたりの女性のすれ違う人生をメインに描くのだと思うのですが、先生のあとがきによるとクィア(LGBTに当てはまらない性的マイノリティや、性的マイノリティを広範的に包括する概念)とかセクシャリティの話にするつもりとのことで、そこまで上巻ではその手の話は表立って出てこないので、下巻はまた印象が違うかもしれません。

わたしがいいなっと思ったのは、この絵柄の雰囲気。そして離れ離れになったふたりの先行きが気になってしまったというあたりに尽きる気がします。ようするにキャラに心をつかまれてしまったということでしょうか。

正座して下巻を待とうと思います。


『ういちの島』

都留泰作先生の新作は、いち夜にして日本中が奇病?におかされるパニックホラー……とみせかけて、それだけで終わりそうにない片鱗も見せだしております。

まあこれまでの作品のどれひとつとして普通じゃない作品を描いてきた先生ですから、この作品だって普通であるはずがないわけです。表紙はかなりホラーっぽい雰囲気を醸し出しておりますけど、これまでの作品と思うと通常運転って感じです(笑 ああ、エロは今のところないかな(笑

メディアミックスとかいまのところまだないんでしたっけ。
もうすぐそこまで来てると思うんだけどな。


『やばいアイドルのマネージャーになっちゃった話』

そしてこれは、どこで買おうって思ったんだったけ。
アイドルものって結構最近氾濫していると思うので、どうしよっかなーと悩んで、試し読みして結局購入にいたったんだと思います。で、面白かったと。

表向きは正統派アイドルだけど、実は裏ではタバコとかもバカスカ吸うし、「陰キャ」って感じのアイドルと、元アイドルで、今では世にひねてしまったマネージャが互いに励ましあって頑張っていくお話です。

最近は「やざぐれキャラ」には「とりあえずタバコ」っていう風潮が出てきましたね。多くの人は普通にはタバコを吸わなくなったという証左でもあるということでしょう。
でもそうやって描かれたふたりの感じがどこか似ているし、だからこそ支え合えるっていう関係性が素敵なんですよね。立場や年齢が違って、百合って感じがしないものまたいいです。

百合もBLも好きですけど、そこに「愛」があったほうがいいときも、ないほうがいいときもありますよね。これに関してはなくてよかったと思います。


『へぼ侍』

そしてコミカライズされたこちら。
原作と作画別れてるやつって、やっぱりクオリティ高いことが多くていいですよね。西南戦争従軍記です。

わたしは基本的に歴史の知識が薄くて、歴史ものは和洋問わずに苦手意識をかかえることが多いのですが、これは楽しく読めました。理由はよくわからないけれど、主人公のキャラは好きです(笑

そして、原作からよくできているのでしょう、名台詞が結構多いんですよ。それがねーズバッと切り込んでくれるのがなかなか快感です。面白いですよ。


『花四段といっしょ』4巻

最後に選んだのは『花四段といっしょ』の4巻でした。
今月結構選ぶの難しくて、とくにこの最後の1冊は最後まで悩んだんですけど、これにいたしました。

4巻まで買ってるのですから当たり前なんですけど、もともと『花四段といしょ』好きだし、この4巻は輪をかけて面白かったように思います。
話で言うと、妹弟子の子が女性として初めてのプロ棋士になるという大きな話を描いていて、たぶんここが良かったんじゃないかと。涙を誘いますし、大きな流れがあったからこそ、脇をかためる花四段とかのひょうひょうとしたキャラがハマるというか。

こんな大きな話ばっかりじゃなくていいんですけど、たまにはこういうのもいいなって思った次第でした。


『その他』

というわけで、惜しくも10選には入らなかったのはこちらの4作。

『MA・MA・Match』

『空は世界のひとつ屋根』

『雷雷雷』2巻

『どく・どく・もり・もり』2巻


いい作品でしたね。このへん。どれも面白かった。
どく・どく・もり・もり』相変わらず不穏かわいいで良きだし、世界感が見えてきた『雷雷雷』も良かったし、『空は世界のひとつ屋根』は相変わらずの露出度で、『MA・MA・Match』に限らず末次先生はまあ強いさって感じ。

とりあえず形にしたから、手直しだけしてあとは連休中に出せるといいな。描きたい記事がふたつ、みっつあるんですよね。しかもどれもカロリー高そうっていう。「今日の注目記事」とか狙いたいなーとか勝手に思ってます。

ま、そんな2024年4月に面白かったマンガでした。
今月も頑張ってマンガを読みましょうか。



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