相地

あいじ。もしくは、八ヶ崎 薫。コーヒーを淹れるもの書き。お仕事の依頼はこちらから(ka…

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あいじ。もしくは、八ヶ崎 薫。コーヒーを淹れるもの書き。お仕事の依頼はこちらから(kaoru.hachigasaki@gmail.com)

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  • cider.

    サンダー、サイダー、サバイバー。まっとうに生きるって、大変だ。

  • 目目、耳耳

    感想文。

  • 詩、まとめました。

  • 100etc.

    100文字で案外書ける小説は(5・7・5)

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    短歌、まとめました。

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「cider.」もしくは、その泡たち。(538字)

・僕相地。 もちろん、本名ではない。 「cider.」の語り手。 性別は、どっちつかず。 自称ライター。お仕事ください。 本と音楽が好き。 吉田篤弘さん、haruka nakamuraさんの作品をこよなく愛している。 憧れの人は、ロックバンド・女王蜂のアヴちゃん。 よく白湯をすすっている。 ・パートナー伴侶。 コーヒーが好き。 メガネがよく似合う。 僕のありのままを受け止めてくれる、唯一の人。 寝起きは、とびっきりかわいい。 (でも、これは僕だけが知っていれば

    • とりどりの真昼と、終わりの「まきやま」

      あらすじ:名古屋にいる。 昨日は、旅行のメインである、庵野秀明展に行く。 全国巡回だけど、ぼくらの地元には来ないみたいだから(よくある)せっかくなので、パートナーの思い出の地である名古屋に行こうと。 そういえば、名古屋にいるのに、まだモーニングを食べていなかった。 ので、ホテル近辺を調べて(それだけでも大量に出てくる)気になるところに行った。 老舗(だと思われる)の喫茶で、500円以下の、おいしいサンドイッチとコーヒーをいただいた。 昔からある喫茶だと、濃ゆいコー

      • 私的な聖地巡礼、あと愉快

        5月の終わり。 の、前の日。 ぼくとパートナーは、名古屋へ。 ぼくは、東海の方へ行くのははじめて。パートナーにとっては、学生時代を過ごした土地。 バスや新幹線を乗り継ぎ、約4時間。 新幹線で、クリスティの『オリエント急行の殺人』を読もうと思ったけど、思ったより揺れるので、前置きで力尽きた。 昼すぎに、名古屋到着。 名古屋といえば、デニーズ。 というわけでは、もちろんなく、パートナーにとっての思い出の場所。 学生時代、夜行バスで実家から名古屋駅まで戻ったとき、

        • はじめての土地と、慣れてきた潮風

          これから、名古屋に行く。 東海の方は、はじめてだ。ぼくは。 パートナーは、ここで学生生活を過ごした。 (まあ、名古屋だけでも広いのだけど。) 今回は、パートナーがどうしても行きたいところがある、そんな旅行。 他にも回ろうと思っているけど、それがメイン。 いつもは、主にぼくが、ここに行きたい、と言い出して決まることが多い。 (この辺りじゃないけど、遠征に無理のない範囲で、ライブがあるとき、とか。) パートナーは、遠出してまで行きたいところは、あんまりないと思って

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        「cider.」もしくは、その泡たち。(538字)

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          「いつか」が来るのか、わからないけど(今朝は、ホットコーヒー)

          眠れるようになった日々が続いた。 眠れなくなった日々が続いた。 そしてまた、眠れるようになっている。 この家は、静かで、他人の気配を感じることもない。 それでも、長らく不眠だったぼくは、波があるらしかった。 いつか、凪いで、よく眠れる日々が、ずっと続いてくれるんだろうか。 「いつか」だから、ぼくにはわからないけど。 アルネは、小さく肩をすくめた。 ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。 やかんに水をためて、火をかける。 器具を並べる。 豆を用意して、挽く

          「いつか」が来るのか、わからないけど(今朝は、ホットコーヒー)

          「無関心」を引き出された話

          『関心領域』を観に行った。 (内容については、あらすじの範囲でしか喋らないので、ネタバレはしていない。) アウシュビッツ強制収容所の隣に住んでいる家族の話。 (隣に住んでいるくらいなので、父親はナチスで、かつ上層部の人間。) 塀の方から、毎日、聞こえてくるのだけど。 家族にとっては、日常と化しているので、特に話題に上げることはない。 タイトルの『関心領域』は、まさしくそれを指すのだけど。 劇中のさまざまな仕掛けから、「塀の向こう側」に最も無関心であるのは、観客な

          「無関心」を引き出された話

          そんな、朝の話

          ここしばらく、起きられない日々だった。 夜ふかしをしているわけでもなく、ただ、よくわからずに疲れて。 (よくわかっていた日もあったけれど。) けれど、昨日は、早朝に起きて、早朝の内に身支度をしないといけなかった。 たぶん、遅れるわけにはいかない、という焦りのようなものが、あったから。 月に一度の歌会。 バスで最寄り駅まで、30分。駅から、目的地付近まで30分。車でも1時間はかかる県外。 まあ、それらは一切使わず、途中までパートナーに車で送ってもらった。 (丁度

          そんな、朝の話

          疲弊した朝は、そういえば、

          一昨日、美術館に行ったからだと思う。 昨日、目が覚めると、ぼくは起きられずにいた。 ここ1週間くらい、早起き出来ずにいられずにいる。 「調子がいいようですね。ただ、回復する経過で、悪くなるときもあります。あまり落ち込まないようにしてください」 この前、薬剤師に言われたことを思い出す。うろ覚えだけど。 新しい家に住み始めて、落ち着いてから、なんなく出来ていたんだけど。 ボランティアの参加日だった。 前日に用意していたけど、結局行かなかった。 午前中、パートナーの

          疲弊した朝は、そういえば、

          痛感するのは、いつぶりだろう

          「ああ、写真がないんですね」 そう、美術館の受付で言われた。 割引してもらおうと、障害者手帳を差し出したときに。 ぼくの手帳は、「写真貼付なし」の判子が押してある。 更新手続きをするときに、職員の人になくてもいいと言われたから。 「なくてもいいと言われたので」 ぼくは、そう言った。 本当なのに、言い訳がましくなった。 嘘をついているとか、ずるをしているとか、思われたんじゃないか。 手帳を取得して、美術館で利用するようになって、何年か経った。 手帳から写真が

          痛感するのは、いつぶりだろう

          紙片の、おそらくは、ほんの一部

          卵を割った。右手に、糸くずのようなものが付いていた。ぼんやりした頭で、そうか、鶏の羽か、と思う。糸くずと同じように捨てた。 思い出せなかったことを、思い出した。 「あたたかい飲みものは、やさしい仲間」じゃない。 「あたたかさは、やさしい仲間」じゃない。 村上春樹の『1973年のピンボール』にあったくだり。カバーの折り返しを、その頁に挟んでいた。ぼくは、『螢』だと思っていたけど、違ったみたいだ。 隣の市に行こうと思った。新しくできたコーヒー屋に。切符を買った直後に、一駅先

          紙片の、おそらくは、ほんの一部

          「ぼくが、絶望で構成されているわけじゃないこと」(今朝は、カフェオレ)

          色々と、用があった日が続いた。 日中は蒸し暑く、夜は冷え込む日も。 今朝も、それなりに寒い。 けれど、今より陽が出れば、かなり気温が上がりそうだ。 ぼくは、今日の格好のことを考える。 アルネは、やれやれといった風に、肩をすくめた。 ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。 牛乳をあたためる用意をして。 コーヒーを淹れて。 そして、牛乳をあたためる。 混ぜ合わさって。 ぼくは、この一連の流れを、とてもいとおしく思う。 時間がゆっくり流れている証のようで。

          「ぼくが、絶望で構成されているわけじゃないこと」(今朝は、カフェオレ)

          足して、引いて、足した日は

          本編とは関係ない一節が、思い出された。 なにかよくわからないスパイスの薫りで。 その書店は、以前は(はたして、何年前のことだろう)たくさん本があって、毎日でも来店したいくらいだった。 けれど今は、雑貨コーナーやカフェスペースにだんだん押しやられ、かなり減った書架は、肩身の狭い思いをしているように見えた。 そんな店なので、ぼくの足も遠のいていた。昨日立ち寄ったのだって、いつぶりだろう。 (まあ、行かなければ行かないほど、よりその店の本は減るのだろう。) ただ、ここに

          足して、引いて、足した日は

          軌道修正の仕方は、まだわからないけど

          そもそも、一昨日の夜は、起きていられるような状態じゃなかった。 眠たくなったから眠る、は、何もおかしいことじゃないけど。 今にも崩れ落ちそうで、パートナーに支えられなければ布団まで行けなかったのは。 その日は、たしかに疲れてはいたけど。 夕食を摂っている最中、眠気というより、蓄積した疲労が、突然爆発したようになって、どうにもならなくなった。 その夜、ぼくはよく眠れた。 (ひどく疲れていると、逆に眠れないことの方が多いけど、とにかく眠れた。) 朝になるまで、起きな

          軌道修正の仕方は、まだわからないけど

          未だにぼくは、曜日を間違えやすい

          朝と夜で、10℃以上の開きがあるときは、体調を崩しやすい。 一昨日、珈琲屋になっていたとき、来てくれた知り合いがそう言っていた。 当然といえば、当然なのだけど。要するに、ぼくらはぐったりしていた。 その夜も、ぼくはよく眠れなかった。 珈琲屋の出店を終え、疲れていたのもあるんだろう。 (ぼくは、疲れすぎると、眠れなくなることがある。) それだけじゃなく、一晩で、ひどく暑くなったり、寒くなったりをくり返し、布団を一枚剥いだり、またかけ直したりした。寝巻は、まだ冬用だ。

          未だにぼくは、曜日を間違えやすい

          役がころころ変わる日には、

          疲れた。 日中は、珈琲屋になって。 夜は、義実家でパートナーの『妻』としてふるまった。 ぼくが、人前で珈琲を淹れるときは、お店を間借りさせてもらっている。 昨日は、ひどく暑い日だった。 そのせいなのか、(お店の方の)ピークが過ぎると、お客さんはまばらになった。 なので、ぼくの方に流れてくるお客さんも、少なくなる。 まあ、こんな日もあるか。 出店道具をつめるボックス(座れる)に座って、ぼんやり過ごしたり、お客さんが来れば、淹れたりした。 変わらず、ぼくの屋号は

          役がころころ変わる日には、

          今日も、緊張する日だなあ、という話

          もう少し、豆を焼いておけばよかったかもしれない。 いや、充分足りる量ではあるし、まだ豆売りはしていないのだけど。 余裕があるに越したことはないから。 珈琲屋のぼくの話。 今日は、2ヶ月ぶりに、人前で珈琲を淹れる。 大体、1ヶ月に1回以上は、どこかのお店を間借りして、出店しているのだけど。 先月は、引っ越しでバタバタしていたから。 (荷ほどきが落ち着いたのも、つい最近のことだけど。) ぼくは、自分で珈琲を淹れるだけじゃなく、焙煎もしている。 味が落ち着くまで、

          今日も、緊張する日だなあ、という話