【小説】雨音と私の家
空に浮かぶのは厚い雲ばかり。その先のあるであろう星々を見ることができない。私の目が悪いわけではなく、この空にはいつからかはれない雲が覆っている。太陽からの光を奪い、太陽の光を浴びた月さえも見ることができない。どうしてこんなことになったのか。どうしてこんなことになっているのか。
厚い雲は雨を降らす。恵の雨。そう言ったものだけれど、何事にも限度というものはある。毎日毎日、降り続けば迷惑の雨となる。生まれてから一度も青空というものを見たことがない。何十年かに一度ほど、雲間の隙間から