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マティスの遊び心と挑戦心に脱帽!「自由なフォルム」@国立新美術館

昨年の夏、マティス展へ行って
アンリ・マティスが、わたしの中で
推しの画家の仲間入りを果たした!

そんなマティスの「切り紙絵」に焦点を当てながら、晩年の集大成である南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂が再現される展覧会があると知り、

ぜっっったいに行きたい!!!と思い、国立新美術館へ足を運んだ。

本展はフランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約150点を紹介するものです。なかでも同館が所蔵する切り紙絵の代表的作例である《ブルー・ヌードⅣ》が出品されるほか、大作《花と果実》は本展のためにフランスでの修復を経て日本初公開される必見の作品です。

公式HPより

昨年と今年、マティス展でたくさんの作品を見て、マティスはとにかく挑戦し続ける人なんだなと思った。

今回は、いろんなオーダーを受けて果敢にチャレンジしていた様子がよくわかった。

舞台芸術、タペストリー、壁画…

スケッチやキャンバスに描く絵だけでなく本当に沢山のことにチャレンジしていき、切り紙絵という表現方法へ行き着く。

マティスのすごいところは、もらったオーダーに対してたくさんのアイディアを出して、こだわり抜いて作品を作っていくところ。

例えば、オーダーされた壁画1つとったって、自分でパパッとデザインを決めて製作することもできるはずなのに、何度も何度も習作を重ね、色を変え、線の感じを変えながら自分が納得いくまでその作品に向き合っている。

今回の見どころの一つだった巨大切り紙絵の「花と果実」は、迫力がすごかった。色がとにかくポップで可愛い。

大きさなんと縦4m×横8m以上!

切り紙絵は、アシスタントが塗った色紙をマティスがチョキチョキとハサミで切り、壁にピン留めして配置を決めていたらしい。

AERAマティス完全ガイドブックより

マティスの集中力と大胆な発想力、そしてアシスタント達の尽力を考えると感嘆のため息が出る。しかも、結局このデザインは最終的に採用しなかったようだ。1つのオーダーに対して、いくつもいくつも作品を生み出していくマティスのエネルギーに「あっぱれ!」と言わずにはいられなかった。

よく見ると色ムラも。
きっとアシスタントさん達は、膨大な量の色紙を作っていたんだろうなぁ。
実際によ〜く見ると、ちゃんと鋲が刺さっていたであろう針の穴までしっかり見える。

マティスの作品は、わりと下書きや線を消した跡なども残っていて、絵が生きている感じがした。

何度も下書きをした黒い線の様子が
しっかり画面に残っている
木(プラタナス)
よく見ると、修正テープで消したみたいに
線を修正した後がある

実際に見るからわかる、作品の持つエネルギーに触れられて、とっても楽しい美術展でした。

最後に。

原寸大で再現された、マティスの晩年の集大成「ロザリオ礼拝堂」に大感動。

礼拝堂の模型
再現された礼拝堂の中
ステンドグラス
差し込む光が床に映る

昨年のマティス展で、礼拝堂の存在を知り、映像で見ただけでも感動し、「いつか行きたいな~」という気持ちになっていた。今回は、その空間を体感することができて、さらに胸がいっぱいに。一緒にいった妹と、「いつか一緒にフランスに行って実際の礼拝堂を訪れよう」と約束した。

展示では、日の移り変わりによる礼拝堂の様子・ステンドグラスの光の移り変わりなどが表現されていて、それはそれは美しかった。マティス曰く、一番きれいなのは「冬の時期の午前11時」なんだって。

再現でも十分感動したけれど、現地で見たらそれはそれは美しいんだろうなと思いました。
とても幸せな空間でした。

足元までも、幸せな色彩に包まれる


以上、簡単ではありますが、今、国立新美術館で行われている「マティス 自由なフォルム」の感想をお送りしました。

会期は5月27日まで。

お近くの方はぜひ足を運んでみてください!
見どころたっぷり!幸せになれる空間です。

マティスのように、いつまでも挑戦心・探究心・遊び心を忘れずに自分の仕事や生み出すものにこだわりを持っていけたらいいな、なんてことを感じました。

最後までお読みいただき
ありがとうございました!!

おしまい。

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