AIU PRIDE MONTH ① LGBTQ+の権利のために戦い続ける理由


みなさん、こんにちは!

私たちDiversity部では、6月8日(水)~6月30日(木)の1か月の間に、AIU PRIDE MONTHを開催しています。

図書館前にボードのメッセージ展示があり、カフェテリアではPRIDE MONTHについての説明のフライヤーもあるので、チェックしてみてくださいね。
図書館前のボードでは皆さんからのメッセージを募集しているので、どんどん書いてくださいね。
テーマは「PRIDE MONTHにかける思い」です。AIUがもっと多くの人にとって自分らしくいられる場所になるように、みなさんの声・思いを可視化したいと思っています。

さて、この記事では、①LGBTQ+のコミュニティが何を目標に活動しているのか、②閉鎖的な空間である秋田で活動を続ける意義についてお話したいと思います。

LGBTQ+の平等な権利への戦い

LGBTQ+、フェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティ、などという単語を聞いた時にどんなことを思い浮かべますか?
「最近同性婚の訴訟やってるよね!」とか、「パートナーシップ制度ってよく聞くけど、なんか関係あるのかな?」とか。もしかしたら、フェミニズム、ジェンダーなんて聞くと、「めんどくさそうだな~」なんて思う人もいるかもしれません。
当事者意識があまりないと、自分には関係なさそうに見えますが、どんなところで困っているのか、そもそも私たちが求める平等な権利、安心・安全な生活について一つ一つ説明しようと思います。

1.結婚の権利

結婚の権利については、知っている人もたくさんいるかと思います。日本では、同性婚を合法化するための訴訟が行われていますし、結婚に近い(でも完全に同じではない)権利を認める同性パートナーシップ制度を導入する地方自治体も増えてきています。パートナーシップ制度がカバーできる内容は、それぞれの自治体によって異なります。国際教養大学がある秋田県・秋田市でもこの2022年4月からパートナーシップ制度が導入されました。

配偶者として法で扱われていないために起こる問題の具体例は以下の通りです。
病院などで「家族」に当てはまらず、面会することができない。
相続面では、法律上での「ふうふ」として認められていないので、配偶者として相続することができません。
③日本国籍をもっていない同性カップル(片方が日本国籍をもっていても)は、日本で一緒に暮らすことができません。異性カップルの場合は、配偶者として在留資格がおり、日本で一緒に暮らすことができますが、同性カップルの場合は、配偶者として法で認められないがゆえに、在留資格がおりません。

パートナーシップ制度ができたことによって①の問題が解決されたケースは多いと思いますが、法が介入する②と③に対してはパートナーシップ制度は効力を持ちません。
パートナーシップ制度が導入されていることは良い変化だとは思いますが、まだまだ不十分です。絶対に同性婚を合法化する必要があります。

2.高い自死率

また、LGBTQ+のコミュニティでは自死率が、そうではない人(自認)に比べ、2~7倍高いと言われています。その背景には、いじめや差別などや、ロールモデルの欠如があります。

①いじめや差別
性自認や性的指向、性表現などを理由にからかわれたり、いじめられたり、差別された人はLGBTQ+である自認に関わらず、たくさんいるのではないかと思います。
今はすべてを包括する言葉で、SOGIESexual Orientation, Gender Identity, [Gender] Expression)という言葉を使い、「SOGIEハラスメント」と表すこともできます。
Sexual Orientation: 性的指向(どんな性別の人を好きになるか、男女だけではない)
Gender Identity: 性自認(自分の性別は何と自認するか)
Gender Expression: 性表現(どんな性別を服装や言葉などで表現するか)
この定義に当てはまる部分で、嫌がっているのにしつこく質問したり、何かを強要したり、と人を傷つける行為はSOGIEハラスメントに当てはまります。

また、何か新しい環境に身を置くときにも、その環境が安全なのかを見極める精神的負担も生じます。
どれくらいLGBTQ+の権利を守る規則があるのか、実際に施行されているのか、働いている人は実際にどれくらいLGBTQ+についての知識・理解があるのか。
進学するたび、職場をうつすたびにこのような心配が付きまといます。

②ロールモデルの欠如
SOGIEハラスメントだけではなく、ロールモデルの欠如も自殺の大きな要因となっています。
例えば、家庭科の時間に、将来のプランを立てる授業などがあり、「何歳で結婚して」「子供は何人ほしいか」を考える授業はありませんでしたか?
同性婚が認められていない環境下では、「結婚できないけど、どうしたらいいの?」「結婚できないから、私の人生は間違っているのか?」というように苦しむ生徒がいます。
結婚をしない・できない場合に、自分の人生がどうなるのか想像がつかず、人生に絶望してしまう人も少なくありません。

また、キャリアの話でも同じことが起こります。
よく目にする社長、アスリート、芸能人、などで結婚していなかったり、LGBTQ+の当事者であることをカミングアウトしている人はなかなか見つけられません。(最近は少しずつ増えてきていますが)
そのような状況では、自分はそのような職業につくことができないのでは、と悩む人がたくさんあります。

このようなロールモデルの欠如が、自分の将来を想像することの難しさの原因となり、自死を選んでしまう人が増えているのです。

SOGIEハラスメントやロールモデルの欠如は、何年もの長いスパンで複数回起こる可能性があります。その中で、周囲の人に対する信頼を失い、誰にもつらい・苦しいことを相談できずに、自傷行為や自死を選んでしまう人がいます。
また、同じ原因で不登校になり、将来のキャリアに響いたり、うつ病を発症する人も多くいます。

このような現状を踏まえ、ダイバーシティ部では、相談できる環境、「自分は一人ではない」と思える環境づくりが大切だと感じました。
ボードに皆さんからの声を集め、少しでも多くの人に、キャンパス内に同じ気持ちの人がいることが伝わってほしいと思っています。

大切にしてもらいたいこと

これまでお話してきたように、自分のSOGIEが今の社会制度が認めるものと少し違うだけで、権利を奪われ、苦しい思いをしてきている人がたくさんいます。
最後は、もっと社会がLGBTQ+にとって安心できるものにするために、みなさんに大切にしてもらいたいことを書こうと思います。

1.コミュニケーションをとる

難しいことは何もありません。しっかりとコミュニケーションをとりましょう。
LGBTQ+と一口に言っても、その人がしてほしいこと、しないでほしいことは個人によって異なります。
その人が何を望んでいるかをしっかりと聞きましょう。
LGBTQ+特有の問題は上記のようにたくさんありますが、私たちがただの一人の人間であることに変わりはありません。
意思を持っていますし、それを伝えることができます。しっかり聞いてくれると、たくさんのSOGIEハラスメントや傷つくことを防ぐことができます。

2.ハラスメントが存在していることを忘れない

カミングアウトを受けた側のリアクションでよく聞くのが、「そういうの気にしないから大丈夫だよ!」です。
気にしない、受け入れてくれることはとっても嬉しいことです。
しかし、この社会にSOGIEハラスメント、差別が存在していることを絶対に忘れないでください。
よく起こる問題の1つに、アウティング(他人のSOGIEを許可なく第3者に教える)があります。
カミングアウトをする人は、しっかりと人を選んでいる場合が多いです。そして、カミングアウト自体はリスクを伴います。
絶対に第3者に許可なく教えるようなことをしないでください。
差別はまだこの社会に存在する以上、アウティングは当事者の命を脅かします。

まとめ

今日はLGBTQ+がどんなことに困っているのかを説明してみました。
ただ、これは多く聞くことであり、すべての人に当てはまるわけではありません。
コミュニケーションをしっかりとって、その人それぞれの話に耳を傾け、自分ができることを考えてみてください。

この記事を読んで、AIU PRIDE MONTHにもっと興味が出た場合は、図書館前ボードにメッセージを残してみてくださいね。

ちなみに、セクシャリティ、ジェンダー系の勉強をしたい人は、図書館の8番と18番(ダイバーシティコーナー)に本が多くあるので(日本語が主)、見てみてください!
ダイバーシティ部入部も歓迎です~!

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