あやみ@南高愛隣会インターン

東大法学部3年生。休学→北海道と長崎で「障害」について考えるインターン。ここでは、長崎…

あやみ@南高愛隣会インターン

東大法学部3年生。休学→北海道と長崎で「障害」について考えるインターン。ここでは、長崎の社会福祉法人、南高愛隣会での出会いを綴ります。

最近の記事

「障害って何……?」と子供に聞かれたとき(インターン記vol.4)

澄んだ目で 「ねえ、障害……?」  小学校中学年の子が、澄んだ目で私を見つめて尋ねました。どうやら、5メートルほど先で大きな声をあげているおばあちゃんの様子を気にしているようです。  その日私は、冬休み中の学童でインターン勤務をしていました。同じ建物内には、重度の障害がある方が通う「生活介護事業所」があります。太一(仮名)さんが気にしていたおばあちゃんは「生活介護事業所」に通われている方でした。  私が「うーんと、」と答え始めてすぐ、その子は友達に呼ばれて去ってしまいまし

    • 今と将来との繋がりが見えないとき、会いたいと思える人との出会い(インターン記vol.3)

      プロ和太鼓チームの練習へ 冬も本番となり、吐く息が白く染まる山の上の体育館。毎日朝早くから集まってミーティングをする方々に出会いました。  「今日は午前中にストレッチと基礎練習から始めます。」「そのあとの口唱歌は〇〇さん中心でやってください。自分たちは明日のリハーサルをします。」「午後は……」と、一日の予定を確認していきます。 「山本さんも一緒にストレッチからやりましょう。」と、練習に混ぜていただくことになりました。  彼らは、世界中を飛び回るプロの和太鼓チーム「瑞宝太鼓」

      • 窮屈だった「成長」という言葉を、柔らかくほどいてくれた出会い(インターン記vol.2)

        就職を目指して通う場所へ 商店街の一角にある、ベージュの新しい建物。階段を登ると、ロッカーが並ぶ廊下にあたり、20歳前後の若い人たちがロッカーと教室の間を行き来しています。  私を見かけて「こんにちは!」と挨拶してくださる方々は、見慣れない姿に「どなたかな?」と疑問に思う様子が表情に垣間見えながら、初対面であっても縮こまる様子がありません。その声はとてもハキハキとして大きく、緊張しがちな私は咄嗟に「私もちゃんとしないと!」と思い、挨拶の声が気持ち大きくなりました。  ここは

        • 長崎で出会った、「当たり前の暮らし」のかたち(インターン記vol.1)

          インターン始まりの夜 「もっと、思いっきりバットを振って!!」「走って!走って!!」  10月の中旬。羽織を着ても少し肌寒さを感じる夜に、私は利用者さんのソフトボールクラブに参加していました。職員が一人と、利用者さんが20人程度。職員があれこれと指示をするのではありません。クラブのメンバー同士が声を掛け合い、地域のシニアの方を監督として毎月練習をしています。練習終わりにグラウンドを整備するときには、新入りの私に「やり方わかりますか?」と声をかけてくださる利用者さん。ベ

        「障害って何……?」と子供に聞かれたとき(インターン記vol.4)

          はじめまして~東大を休学して長崎に来た話~

           2020年、大学3年生の秋。私は丘の上で、小学生の時以来、10年ぶりに馬に乗っていました。丘のすぐ下に広がる海、そこに浮かぶ山々を見渡せる、気持ちの良い場所です。  私は、3年生に上がるこの春からの1年間、大学を休学しています。北海道と長崎で半年ずつ過ごす生活。東京で生まれ育った私にとって、日本のなかでも特に遠く離れた土地での暮らしは、毎日新鮮なことばかりで胸が躍ります。  休学を決めたのは2年生の秋のこと。 「時間をかけて福祉の現場に入り、障害についての考えを深めたい

          はじめまして~東大を休学して長崎に来た話~