「 ただ中毒性がございます 用法・用量をお守りください 」



このときの後輩と、また飲みに行った。
まだ12月になったばかりだというのに都会はすっかりクリスマスとカップルまみれで、なんでわたしは素直に恋人を作れないのだろう…と憂鬱な気持ちになりながら待ち合わせまで向かった。


飲んでる間は好きな音楽の話や、友達の話、お互いの好きな人の話をした。


好きな人から有心論を歌って欲しいと言われたが2番が歌えないらしい。わたしはその場で8割は空で歌えてちゃんとRADWIMPSが好きな自分を思い出せてよかった。
有心論はMVでも3分前の僕がまた顔を出すからその話をしたかったのに、MVみたら教えてねという約束も守ってくれないあたり、今のところわたしは1番になれないんだろうなと思って、現実に引き戻される。

ずっとわたしを誘ってくるくせに好きな人の話に戻る、前もそうだった。結局好きな人ことを好きなんだろうな〜と思って、でも話のテンポは心地よくて楽しいのでこのままがいいのにとも思った。
わたしは名前のない関係が結局好きなのかも知れない。お願いだからいなくならないで欲しい。

帰りに、友達を待たせてるのに自分の駅とは真反対のバス停まで着いてきてくれて、バスが車で一緒に待ってくれて、その間に本人の目の前でおすすめしたい曲を送りつけようとしたら、いつも同期にしょうもない動画とかを送りつける癖で普通に同期に送ろうとしてしまい、さらにそれを誤魔化せばいいものを「あっマジで今のはごめん」と素直にガチ謝罪をしてしまって、シンプルにちょっと気まずくなった。
わたしがバスに乗るまでは待っててくれたけど、わたしが座って手を振ろうとしたときにはもういなくて、「同期は前バスが出発するまで手を振ってくれていたな」などと思い出して、どうにも言えない気持ちになった。

結局それから連絡はなくって、好きな人とのLINEは必死に続けてるという話を聞いたあとだなら余計にやっぱりわたしのこと好きじゃないじゃんと思う。結局ずっと保身的で当たって砕けろよー!と思って人のこと言えないかと反省する。
「彼氏ができる」と「同期と会えなくなる」を天秤にかけたときに思わず「代償が大きすぎる」と言ってしまった。「わたしは次付き合うのは、よっぽどひどく振られたときか、わたしのことを好きで好きでたまらない人と出会えたとき」という話はできたので、勝手に満足はしている。
後輩から見たわたしの話をきくのと同じくらい、後輩の好きな人の話を聞くのが楽しかったから、わたしも恋愛じゃないんだろうなと思う。

後輩は最近友達の影響で聴いているというback numberのスーパースターになったらを歌っていて、スーパースターになるもなにも本当に迎えに来てくれるのかよ…と思いながら帰りはback numberを聴いて冬を感じていた。back numberは冬の季語。

西藤公園に行ってみたい。わたしは冬が好きですが、あなたはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?