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七転八起は一余る 2

前回のあらすじ
達磨寺に行きながら母との喧嘩を思い出していたから道に迷い続けているのは私のせいじゃなくて母のせいだと思いたい

 達磨寺は首里城下の町に王国時代からあり、今でも公園と住宅に囲まれて生活に根付いている。
そして私は近所の公園の掲示板横の地図で現在地を確認している、はずだ。

(左の中路って2つあるんだけど、え?この地図現在地間違ってない??てか、なんでお母さんが文句返してくるわけ?あの被害者面ァ!見てないけど!文面から伝わるわ!!てこ、ここどこぉ!?)
阿鼻叫喚である。ちなみに上の毛という場所にいる。

「さっきから何してるの?不審者?」
急に声をかけられてびっくりした。何つー言い草だ。不審者…こちらの台詞だ。
振り返ると小学生の男の子と女の子だった。
不審者ではないな。冷静に考えるとこんな真夏に呆然と立ち尽くす女は事実、不審者である。

純粋そうな子。5、6年生だろう。
その年位から反抗期始めた方がいいぞ。こんな不審者になるからな!
心でそう思った。口に出してない。

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