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【キャリア】プロボノをやってみての感想

少し前に非営利団体のプロボノ活動を経験しました。
興味はあるものの、実際にやったことがある人は少ないかもしれません。完全に個人の体験談となりますが、私自身がプロボノの経験を通じて考えたことなどを共有してみたいと思います。

プロボノってなに?って人は、こちらをご覧ください。

プロボノ(Pro bono)とは、各分野の専門家が、職業上持っている知識やスキルを無償提供して社会貢献するボランティア活動全般

Wikipediaより

プロボノを始めた経緯

非営利団体で活動する友人と雑談している時に、気軽な気持ちでアドバイスを始めたのがきっかけです。とある課題に対して、「こうした方がいいんじゃない?」「いや、その方向はやめた方がいいよ」「ちょっと対応方針をペーパーにまとめるわ」「ぜひ私にやらせて・・・!!」と、自ら案件を巻き取っていく形になりました。元々、その非営利団体の活動内容に関心が高かったことに加えて、当時、育休からの復職直後。希望していた部署に戻ることが出来ず、ややエネルギーを持て余しており、自分を必要としてくれる組織を求めていたという事情もあるかもしれません。

プロボノ活動の内容とは

数ヶ月ベースのプロジェクトで広報・マーケを担当することになりました。
定例会議は2週間に1回。ここで全体の進捗や課題、メンバー間で議論すべきポイントなどを確認しつつ、個別チームごとにTeamsやラインでタスクを進めていきました。広報・マーケ戦略の策定や、各種ガイドラインの制定、SNS運用などは基本的に私が担当していましたが、サブメンバーに文章のチェックやトラブル対応時の相談をこまめにお願いしていました。
これはプロジェクト全体に関わるイシューだな、と判断した時は、すぐにプロジェクトリーダーにエスカレーションし、全体の定例会議で議論するべき内容か、対応後に定例会議では共有にとどめるものか、という確認は取るようにしていました。

モチベーション維持の難しさ

何事も開始当時のモチベーションが一番高く、だんだんと下がってくるのではないでしょうか。例に漏れず、私も「自分がやらなければ、プロジェクトがうまくいかない!」くらいの鼻息で参加しましたが、「面倒くさいな・・・」と思うタイミングもありました。数ヶ月にわたるプロジェクトを完走できたのは、下記の3つのポイントが大きいと思います。

  • 非営利団体の活動内容やプロジェクトが目指す姿に強く共感していたこと。プロボノ=無報酬で働くことになるため、そもそも「お金を度外視してでも、関わりたい、力になりたいと思う案件か」というのが一番大事だと思います。

  • プロボノ活動の支援先=プロジェクトリーダーの(冒頭の友人)の判断が素早く、的確でした。何か問題が起こった時や、対応に困ったときに相談すると、すぐに対応方針を決めてくれたので、ボールが宙に浮いたままになってしまう・・・ということがほとんどありました。プロジェクトに関わるメンバー全員が知り合い、という状況では全くなかったので、司令塔がテキパキと割り振ってくれることで、自らのやるべきことが常に明確だったように思います。

  • サブメンバーの存在が非常に心強かったです。外部に何かを発信する際は、内容に問題がないか、誰かを傷つける内容ではないか等、細心の注意が必要となるため、ダブルチェックは不可欠だなと思いました。また、ちょっとした愚痴やぼやきが共有できるのも、ガス抜きになりました。同時に一人で走り続ける難しさを痛感しました。

プロボノ活動を始める上でチェックしたいポイント

上述の通り、私が活動を開始したきっかけは偶然でしたが、元々、キャリアの幅を広げることができるという観点で、プロボノ自体には関心がありました。もし、今後プロボノをすることがあるとすれば、以下のポイントをチェックすると思います。

  • 役に立ちたい!」と思える案件かどうか。プロボノは無報酬のため、やりがいを持てないと辛くなってしまいます。責任を持って関わるからこそ、得られるものも大きいため、活動内容や目指すところに強く共感できるかどうかは本当に大事です。

  • 無理のない範囲で活動できるか。最初は張り切って、いろいろ頑張りたくなってしまいますが、人間どうしても途中で「面倒くさいな・・・」と思ってしまうもの。最初は小さいことから、短期間から、と続けられる範囲で活動することをお勧めします。

  • 関わる人とのコミュニケーションが円滑か。報酬が介在しない関係だからこそ、人間関係が仕事以上に大事になってきます。プロジェクトの進め方、報連相、スピード感などが合わないと、お互いに辛いと思います。プロボノを始める前に、知っている人が全くいない、というのは個人的にはリスクがあります。例えば、関心がある非営利団体、NPOのSNSを定期的にチェックしたり、活動している場に足を運んでみて、つながりと作っておくのは大事です。

心がけたいこと

プロボノを行う際に、私たちが心がけたほうがいいのは下記のような点だと思います。

  • 自分はどんな人なのか、自己開示を意識すること。多くの場合、プロボノで関わる人たちとは「はじめまして」になると思います。スピード感があるプロジェクトの場合、自己紹介の時間をゆっくり取らないことも珍しくありません。自分に何ができるのか、何を考えて、どう判断するのか。円滑にコミュニケーションを進めるために、積極的に自己開示した方が良いと思います。

  • 自分にできること、できないことを明確にすること。「ここまではやれる」「未経験だとやってみたい」「できない」という案件への関わり具合、関わり方は明確にしておいた方がスムーズです。

  • 自分で設定した締め切りやタスクは守ること。支援先との関係とは、上司部下でもなく、クライアントでもないのがプロボノの難しいところです。自主的な取り組みが求められるからこそ、自ら設定した締め切りやタスクは遵守しましょう。

プロボノ活動を通じて得たもの

色々あるのですが・・・代表的なところはこんな感じかな。

  • 自分がやりたいことを出来る、役に立っている充実感。仕事においても前向きに、自主的に取り組む姿勢を心がけていますが、そうは言っても仕事を選ぶことができないのも事実。プロボノで参加したプロジェクトは、心の底から「このプロジェクトは実現させるべきだ!」と思えるものだったので、自分がその一助になれていることへの充実感がありました。

  • 視野や人間関係が広がること。色々な人と気軽に飲みに行けた若手時代と異なり、どうしても人間関係が固定化してしまっていたので、仕事や日常生活で関わる機会がなかった人たちとの協業は新鮮でした。プロジェクト終了後、飲みに行きたい!と思いつつ、実現できていないのですが、帰国したら声をかけたいな・・・。

  • 自分のスキルや強みを客観的に把握できる。私は広報やマーケのプロ!と胸を張れる身分では全くないのですが(これまでのキャリアで携わった経験はあるものの)、プロジェクトの段階や規模によっては十分役に立つことが出来ることがわかり、少しだけ自信を持てました。あとは、日頃から趣味でSNSをたくさんいじっていることも功を奏しました笑 

コンサルタントの岡島悦子氏が「タグ(強み)の掛け算で希少人材になることができる」とよく仰っているのですが、私のキャリアのタグを増やせる経験だったと思います。(タグの話は改めてnoteに書きたいと思っています)

プロボノは人生100年時代におけるライフキャリア形成の視点などからも注目が高まっているようです。興味があれば、ぜひ参加してみることをお勧めします。



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