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エピソード#7  看護師とは手と目で護ると書く、介護タクシーでの看護師の役割


何度か緊急受診のお手伝いをさせていただいた方のご家族から、直接当事業所に電話がありました。「ベッドの端に座ったら、そのまま滑り落ちてしまい、足に力が入らず、私だけではベッドに戻す事が出来ない。ベッドに戻すお手伝いをお願いしたい。」との内容でした。タイミング良く、2名体制でいただけでなく、ご自宅の直ぐ近くに居ましたので、直ぐに訪問しました。
 
お電話で聞いた通り、ベッドの直ぐ下、ご家族が座布団や布団を敷き並べた上に、ご本人様が臥床されていました。詳しくお話を伺うと、仙骨部に褥瘡が出来てしまっているとの事でした。
 
ベッドに戻す前に褥瘡部分を確認させていただくと、数日前にご家族が撮影した写真に比べて範囲も広がり、悪化しているように見えました。また、ご本人様も、意識を失う直前の様に、うなされていました。排便されているようでもあり、陰部洗浄を行い、ご家族には褥瘡部位に薬を塗布していただき、尿取りパットを交換しました。
 
ふと、下腹部を見ると、パンパンに下腹部が膨らんでいました。黒色の排便がありましたので、朝からの尿量をご家族に聞くと、あまり出ていないとの事でした。これらの状況からかなり、深刻な状況だと思いましたが、ご家族はそれほど深刻とは思っていないご様子で、来週の木曜日に受診予約があるので、その時まで様子を見ると考えている様でしたので、病院にも電話をして病状を伝えて頂くと、すでに土曜日の16時近い時間帯でしたが、直ぐに診るので来てくださいと言ってくださったので、緊急通院送迎することになりました。
 
ご本人様のご様子から、本来であればストレッチャーでの搬送が望ましいと思いましたが、営業所に取りに戻る時間的な余裕が無いことと、ご自宅から病院まで1キロの距離であることから、普通車椅子で搬送する事にしました。ご本人様の身体の下に、大きめのバスタオルを敷き、バスタオルごと車椅子へ移乗、首をご自身で支える事が難しいので、移動の際は車中も含めて常にバスタオルで首を支えて搬送、病院到着後は、直ぐに処置室に案内され、ストレッチャーに移乗されました。
 
結果、早い段階で入院となりました。急激に具合が悪くなったご家族を、就労しながら介護されていたご家族も、とても安心したご様子でした。
 
看護師とは手と目で護ると書く、介護タクシーに看護師が在職している事は、とても大きな意味があると改めて実感しました。
 

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