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終わらない年末、明けない新年

世間よりほんの少し早く仕事が納まり、12月23日には冬休みに入った。

一方夫は、12月23日が年内最後のお休みとなって以来、未だ仕事が納まらないまま年末年始ずっと働いている。

しかもめっちゃ勤務時間が長い。一番過酷だった大晦日から元日にかけては、元日の深夜2時前に帰宅し1時間半だけ寝て4時過ぎには出勤していった。その日の帰宅は23時過ぎ。隣で見ている私も辛くなってくる。忘年会、年越しそば、おせちなど、和食料理人にとって年末年始が1年で一番の繁忙期であることは夫と結婚してはじめて知った。

去年も一昨年も、1月1日か2日には夫の仕事が納まって一旦休みがあったんだけどな。今年は今日まで恐怖の平均18時間労働の11連勤。死ぬで。しかも超過時間がちょろまかされてるとか。なんてアウトローな世界。

結婚してから3回目のこの冬、そんなわけで私は一人で過ごす3回目の年末年始となった。

私たちは12月18日に引っ越したので、もう本当、年末は怒涛だった。妊娠7ヶ月の私のお腹はそこそこ大きく、夫は日に日に激務。死ぬわ。

市内の引っ越しでまだよかった。なんとか寝床だけつくったけど、引越し当日は流石に荷解きがほとんどできなかった。

12月19日(月)新居1日目
二人とも仕事。キッチン用品をまだ出していないので、というかどの段ボールに一番必要なキッチン用品があるのかわからないので、昼も夜も外食。段ボールが重なっているので、身重の私は上の段ボールを持ち上げることができないため下にある段ボールには手出しができない。

そして不動産屋から預かっていた鍵4本のうち3本を持っていた私が、鍵を失くした。白目。まだ引越し翌日…。20時前に家の前で気づく。泣きたい。夫が帰ってくるまで、少なく見積もってもあと2時間はある。外は寒く、お腹は張っている。駅前のカフェは21時には閉まる。妊婦が一人、酒も飲めないのに居酒屋で時間を潰す気にもなれない。失くした場所に心当たりもない。落ち込んだ。家に入れたのは夫と合流した22時過ぎだった。疲。

12月20日(火)新居2日目
二人とも仕事。洗濯機が回せない。まだ出勤は残っているというのに、下着と冬用マタニティタイツの残りが少なくなり危機感募る。洗濯機の備え付けについては、引っ越し業者に頼まず夫が自分でやるといったので備え付け作業をしてくれていた。しかしである。排水ホースの口と備え付け蛇口のノズル?が合わないのである。蛇口をひねると水がぶしゅーと漏れる。どないすんのん。形が合いそうなノズル?をAmazonで注文する。プライム会員でよかった。ポイントで買えたし。

日中、仕事の休み時間に紛失した鍵を探しに前日に立ち寄ったお店を回っていたら、夕飯を食べたうどん屋で発見。よかった。本当によかった。マジでよかった。夜は通っているクリニックの予約日だったので仕事帰りに行く。引っ越したらクリニックが職場と家の間になって行きやすくなり、ラッキー。自分で鍵を開けられる喜び。帰宅21時前。疲。

12月21日(水)新居3日目
洗濯機のノズル?が届く予定だけど、下着とマタニティタイツが最後の1枚なので、もうコインランドリー決定。なお夫は潔癖なところがあるのでコインランドリーは嫌らしい。コインランドリーに行くくらいなら、仕事帰りにホームセンターでノズルを買ってくると言い張る。それ何時になるの?

夜、夫が注文してくれたオイルヒーターが届くというので、指定時間に間に合うように職場から急いで帰宅し、お風呂にも入らずコインランドリーにも行かず、家で待っていたけど荷物は届かなかった。再配達の手配をしたつもりでいて忘れていたらしい。涙。夫も疲れてるもんね・・・。

21時頃、私の洗濯物だけコインランドリーに持っていき22時頃回収。汚れ物が綺麗にホカホカになり満足。なお、Amazonで買ったノズルは合わなかった。うそやん。築3年でこんなことある?もう1つ、別製品をAmazonで注文した。私のポイントはほぼ無くなった。疲。

12月22日(木)新居4日目
疲れは溜まりまくってきたけど、私は年内最終出勤日。希望。

今日こそオイルヒーターが届くというので、またしても職場から急いで帰宅。19時〜21時指定の宅配に間に合うためには駅前スーパーで買い出しが出来ないのよね。だから今日も買い出しに行けず、食材はない。ただしこの日は荷物受け取り以外にトラブルも用事もない。

帰宅後、荷物を待ちながらようやくまともに段ボール開けに着手できた。しかし私は身重な身。3、4個の段ボールをやっつけたら動けなくなった。前日に注文したノズル的なアレは届いたけれど、またうちの蛇口には合わず洗濯機はまだ使えない。疲。

12月23日(金)新居5日目
まだ平日だけど、私も夫もお休み。私は妊婦健診。引っ越したから病院が遠くなったけど仕方がない。25週の今回は妊娠糖尿病やクラジミアなどの諸々のスクリーニング検査。

夫は付き添うといってくれたけど、夫にとっては年内最後の貴重な休み、しかも検査項目が多い日だったので夫の申し出を断り夫には新居づくりをお願いした。この日に家具や収納シェルター類など重たい荷物がいくつか届く予定だったからだ。どう考えても夫にはそちらに注力してもらった方がよい。

妊婦健診の帰り、551の蓬莱を差し入れに買って帰ったのが地味にファインプレーとなった。夫は三種類ほど家具組み立てをしつつ、ホームセンターに洗濯機のノズル的なアレ(3つ目)を買いに走ってくれた。

その間、私はキッチン周りの収納を頑張った。妊婦、限界。夕方近くには疲れ果ててソファで寝落ちる。三度目の正直でようやく洗濯機が使えるようになった。夫に感謝。そしてようやく新居が家らしくなった。

でも基盤ができただけで、まだ多少の段ボールが残っている。疲。疲。疲。

夜は夫と二人で打ち上げ&忘年会。私もノンアルビールを頼んで乾杯。2人ともとってもよく頑張った。

ノンアルでもたまらん〜

・・・これ書いてる今日、1月3日なんだけど。
引っ越してから毎日が濃すぎていまだ新年が始まらない。

12月24日(土)新居6日目
スマホの充電が半日ももたなくなり、引っ越しの傍ら、急速に生活に支障が出てきたのを感じていたこの1週間。妊婦の私が緊急事態の時にスマホの充電がなくて病院にも夫にも連絡できないとなったら洒落にならない。鍵失くした日なんて職場で充電してなかったら本気でやばかった。

帰省を目前に控えていたので、心斎橋のApple Storeに急遽iPhoneを買いに走る(格安スマホで本体一括払い派)。引っ越し費用でただでさえうん十万と出費がある中で、補償入れて12万円。白目。

Apple Storeで相談しながら購入したいと言ったら30分後に出直せと言われた。疲れやすくお腹がすぐ空くので30分のためだけにスタバに入りこの出費…贅沢…

世間はイブということでApple Storeは激混みするに違いない。疲労のたまる体に鞭打ち朝イチで向かうも、なぜかデータ移行やSIM入れ替え後のAPN設定などスムーズに行かず、終わったのは正午過ぎ・・・。

さらにせっかく心斎橋に来たのだからと、インテリアを見たりと無駄に体力を使う。妊娠してからやたらお腹が空くので、カフェも2回くらい入って出費も無駄に増える。なにやらおしゃれなインテリアショップで植物を1鉢買って、リビングに潤いが出る。新しいiPhoneをテーブルに置いてもなにやら絵になる。さすがりんご製品。

この子が置かれただけで
ちょっと気分が上がる。

ようやくリビングが落ち着く空間になってきた。

買い出しに限度があるので(重い荷物を持っちゃいけないから)クリスマスらしい食事を作るのは諦めたけど、体に鞭打ってとりあえず夕飯だけは作る。夫は「ご飯無理しなくていいよ」と毎日声をかけてくれるけど、賄いを食べて帰ってくるわけではない。早朝出勤深夜帰宅になってきてかわいそすぎるので、せめて食べるものを用意してあげたい。夫はクリスマスケーキを買って帰ってきてくれた。ありがとう。

12月25日(日)新居7日目
引っ越してやっと1週間。ここまでくるのに2700字以上使ってるんだけど。5時過ぎに家を出た夫とプチ喧嘩をしたため、眠れなくなり6時に起きる(すぐに仲直りしたが)。家を片付けて、美容院に行った。疲。眠い。

12月26日(月)新居8日目
年内最後の動ける平日・・・ッ!仕事中に入念に下調べしていた役所周りロジ!しかも引っ越し業者の段ボール引き取りサービスが正午にはくるという。

夫婦二人分の住民票の異動、マイナンバーや免許の住所変更。区役所は地下鉄で2駅先だった。年末で区役所は絶対混んでると思い、いい加減朝ゆっくり寝たい気持ちを押しこらえ、開庁とほぼ同時に着けるように頑張った。妊娠中ということで、保健課的なところで保健師さんとの面談もあったのは想定外。子の予防接種ができる区内の医療機関一覧などをもらう。家族が増えると役所での用事が増えるのかと実感。

とんぼ返りで帰宅し、段ボール引き渡しになんとか間に合った。思えば段ボール引き渡しに段ボール開封が間に合ったことがすでに感慨深い。家、だいぶすっきり。

もはや買い出しに行く元気はない。翌日から一人で帰省のため、荷造りをする。少ない冷蔵庫の食材で、夫のために多少の作り置きをする。疲。

12月27日(火)
午前中の新幹線で横浜に帰省。年末年始に夫を伴って私の実家に帰省できたことは一度もない。最初は「結婚したのに・・」と寂しかったけど、今ではむしろ友達に会ったり親と旅行したり独身時代のペースで動けるのでまあこれもありかと思い始めている。

新横浜からタクシーでまっすぐ実家に向かおうと思っていたけど、横浜で友達と待ち合わせてお茶。(ご存知だろうか、新横浜から横浜はやや気が重くなる距離がある)

生後7ヶ月の子どもがいる友人が私に会うためだけに世田谷から横浜までベビーカーを引いて会いにくるといってくれたので、ここは私も頑張らねばなるまい。大きいお腹とスーツケースに比べたら、生まれてる赤子とベビーカーの方が大変なのは間違いない(スーツケースはエスカレーターに乗れるけど、ベビーカーはエレベーター一択のため稼働力が落ちる)。

赤ちゃん
ママのお友達が君にはじめてのプレゼントをくれたよ

12月28日(水)29日(木)
父親と産前旅行。伊豆の北川(ほっかわ)温泉。マタニティプランがあるところで探したらえらい高い旅館になった。ラッキー。

しかし藤沢方面へ抜ける道路が混みすぎててなかなかつかない。え、伊豆ってこんな遠かった?ってくらい全然着かない。しかも湯河原経由で箱根越えないのに。私の中では尼崎らへんから淡路島みたいな気軽なノリのはずなんだけど。

姪を連れた弟が「熱海までドライブ同乗して東海道線で帰る」とか言い出したせいで、ドライブ自体は盛り上がったけども、熱海駅周辺のくねくね急勾配の狭い路地を走る羽目になったやん。疲れても元気だったのに、ドライブで体調を崩してつわり以来2ヶ月ぶりに壮大に吐いた。

宿の方は最高だった。ホスピタリティも素晴らしいし、夕食も朝食もお食事も大変おいしかった。もりもり食欲がある時期でよかった。料理人の方、お疲れ様です・・・。こんな辺鄙なところで人手が足りていると思われないので、多分シフト制とかじゃなくて夕食も朝食も同じ料理人さんが作ってくださっているのよね・・・うちの夫のように・・・ありがたく頂戴します・・・などと思いながらご飯をいただいた。

夫と一緒になってから、ただの消費者でいられなくなった。

チェックイン早々
アフタヌーンティーのサービス
(この時間帯にこんなサービスあるということは、この旅館の料理人さんの休憩時間はほぼないんじゃないかと不安に)
何食べてもおいしい。
年末年始にご苦労様です🙏


今日こそゆっくり体を癒すぞと思っていたら、深夜1時過ぎに夫が「今から帰宅。職場にコロナ陽性者が出たから明日も明後日も朝食担当=5時過ぎ出勤」とLINEがきたため「まじで過労死するんじゃない?」と心配で、夫の職場人事課にクレーム入れたり、労基に通報する妄想をしていたら眠れなくなる。父のいびきと無呼吸が眠れない夜を助長する。

もう全然寝れなくなっちゃったから、夜中2時過ぎに露天風呂に行って伊東の上に浮かぶ北斗七星を眺めながら体を温めた。癒。

伊豆大島の先に浮かぶ朝焼け

旅行先から実家に戻った夜、「今日こそはゆっくり寝るぞ」と思っていたら、札幌から帰省した妹が「今夜しか愛お姉ちゃんとゆっくり喋れないから」と夜中1時半頃まで私の部屋で喋っていた。眠。

12月30日(金)
毎朝それなりの時間に起きる生活が続いていたせいで、朝そこそこには目が覚めてしまう。昼ご飯を食べたら湘南に住んでいる大学院時代の親友宅へ。生後4ヶ月の赤ちゃん。天使かと思った。乳臭い赤子の匂いがたまらん。私の赤ちゃんも産まれたらこんなにかわいいのかと思った。癒。夫のLINEがいよいよ空疎になってきた。心配。

12月31日(土)
実家ではお正月より大晦日の家族イベントを重視しているのだけど、私は全員が揃う前に大阪に戻ることにした。実家<夫。

ギリギリまで何時の新幹線にするか迷ったけど、日付が変わらないと帰れないという夫に夜食を用意してあげたくて、そのためには買い出しとか色々必要だなと思ったら、結局午前中のうちに帰ることがベストという結論になった。札幌に住む妹夫婦が買ってきてくれた本物ししゃもを食べる会に混じれなかったのが無念。

昼には大阪の自宅につき、買い物に行って、体を休めながらのんびり調理できたのは、やっぱりよかった。怒涛の新居づくりだったけど、頑張った甲斐もありもうちゃんと落ち着く場所になっていた。TVから流れる紅白はあっという間に終わり、いつの間にか年があけていた。

1月1日(日)
静かな新居、深夜1時。
1人年越しそばをすする。

まだ整えたい部分はたくさん残っている。

たとえばクローゼットは、衣服は綺麗に収納できたけど、雑貨類はまだ段ボールから出したままポンと放っているだけになっている。掃除用具もいくつか欲しいし、植物ももう少し増やしたい。カーテンも一部屋分必要だし、できれば前から使っていたやつも買い替えたい。ダイニングテーブルもまだない。その前に床に敷くラグも買わないとと夫と話している。春に生まれる予定の赤ちゃんを迎える準備もしていかないと。こっちは具体的に何から買うかの計画はまだほとんど手付かず。

まだまだ考えることは残っている。お金はビュンビュン飛んでいく。

スマホで楽天市場とか見ているうちに2時近くになっていて、ようやく夫が帰ってきた。業務用洗剤とハイターでボロボロに赤黒く炎症を起こした大きな手。まるで剣心の頬みたいな立派な十字傷が指先に増えている。

疲れ切っているはずなのに、帰った家に私がいるのが嬉しいのか夫はテンションが高かった。同僚のパートナーの人たちはお正月みんな旦那さんを置いて実家や旅行に行っているらしいけど、「うちの嫁は俺のためにあえて大晦日のうちに実家から戻ってきてくれた」と自慢したらしい。

私が用意した年越しそばとか豚の角煮を食べながら、夫は嬉しそうだった。1時間くらい一緒に過ごして、1時間ほど眠って、4時過ぎにはタクシーを呼んでまた出勤していった2023年1月1日。

静謐な空間に再び取り残された私。

1年の間に何度でもやってくる、なんでもないいつもの休日のように洗濯をして、掃除をして、料理をして過ごした2023年1月1日。

2022年を振り返ることも2023年の抱負を立てることも、なんだか気力が湧かないままぼんやりと三が日が過ぎようとしている。

それでいて、1月3日の今日になってようやくnoteを開く余裕が出てきたら、こんなに書いてしまった。年末の最後の2週間だけで5000字以上もの溜まった心のなにかがあったみたいだ。

でもおかげで、これでようやく新しい年に目を向けられそう。

夫はようやく、明日お休みがくる。明後日からは私も仕事が始まる。今日はこの後、授業準備でもしようかな。

来週から妊娠後期に突入するけれど、赤ちゃんを迎える本格的な準備は、まだちょっと、もう少し棚上げさせて。

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