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言葉の温度を感じ取る

「バカ!」

この言葉を読んだ時、今あなたの中でイメージした人は怒っていただろうか。それとも笑っていただろうか。

言葉には温度がある。

本気で怒った時の「バカ」もあれば、笑いながら冗談まじりで言う「バカ」もある。

言葉に込められた感情や温度感を誤解の無いように受け取るには、やっぱり直接顔を見ながら話すのが一番だと思っている。

2019年からの3年間で、世界は驚くほど変わってしまった。マスク着用が当たり前になり、それまで普通だったことがことごとく翻ってきた。

仕事ではリモートワークが増え、会社の飲み会は自粛されることがほとんど。「飲みニケーション」なんて言葉は姿を消してしまったようにも思える。もちろん、それにホッと胸を撫で下ろす人達もいただろう。僕もそうだった。無駄に長い飲み会が無くなり、人とのコミュニケーションの取り方もかなり変化が求められたように思う。

ただそんな中でも、仕事上のコミュニケーションの取り方において、変わらず心がけていることがある。それは直接相手の顔を見て話をすること。

「そんなの当たり前だろ」と思われるかもしれないが、意外と避けがちな人が多い。

『メールでいいや。文章として残るから「言った」「言わない」にもなりにくいし』

…なんてことを理由にして、メッセージを残すことで終わらせてしまう。

「お世話になります」「よろしくお願いします」なんていう定型文をつけてしまえば、なんとなくビジネス文章っぽく仕上がってしまうのだ。ただ、その代わりに書いている人の感情が隠れてしまうように思う。

これはどんなテンションで送ってきたメールなんだろう。

文面を見て、相手の感情が読み取れなかった時、僕はすぐに電話をするようにしている。大したことじゃなかった時もあれば、そこそこ不満を感じていた時もあって、その判断は文章や言葉だけじゃ判断ができない場合が多い。

優先順位としては、まず「顔を見て話す」。それが叶わないなら「電話で話す」。最終手段が「メールやLINE」。これを意識している。

とある仕事の中で、こんなことを話されるお客さんがいた。

「納品の時くらいさ、ちゃんと顔を見たいじゃない。今回はここが良かったねとか、ここが反省点だねとか話したりしてさ。仕事なんて、結局は人と人でしか成り立たないから」

デジタル化が進む中で、業務の効率化や負荷の軽減が重視されている時代。ただ、そんな中でも仕事は「人と人とが一緒に進めるもの」。それを改めて実感した瞬間だった。

非接触が当たり前になった日常。
ここ数年で社会に必要ではないと判断されたものは、削ぎ落とされてきている気がしている。つまり今残っているものは、きっと本当に必要なもの。形は変われど、人と人とのコミュニケーションの根っこの部分は、これからも変わらないんじゃないかと考えている。


(note更新385日目)

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