UNOで盛り上がる大人たち
ある日のお昼。
会社で弁当を食べていると、別の部屋から「っしゃー!」や「うわー!」という声が聞こえてきた。
なんだか、たいそう盛り上がってるなーと思い、部屋をのぞいてみると、若手スタッフが4人でUNOをしていた。
「お、混ぜてよー」
楽しそうな雰囲気に、僕も参加させてもらった。
最近、家でも息子とやっていたので、タイムリーだなと思ったのも参加した理由だ。
計5人でやってみたのだが、これがとても面白い。そして、盛り上がる。UNOはトランプと違って、色んな記号のカードがある。これがカードの持ち手の戦略にもつながるのだ。運要素よりも、戦略性の強いゲームだなと思った。
そして、話していて面白かったのは、それぞれ知っているルールが違うこと。
ドロー4の後に各色のドロー2は重ねて出せるという人がいれば、それはダメだという人もいる。
手持ちのラスト1枚に記号カードを残すのは、アリという人もいれば、ダメだという人もいる。
なに、このローカルルール。
そして、どれが正しいかも分からない。
それぞれが生まれ育った中で経験するUNOルールの違い。同じUNOのはずなのに、それぞれ違うUNOなのだ。でも、それすら盛り上がりのひとつのきっかけになった。
大人が本気になって挑むことほど、面白いことはない。先輩・後輩関係なく、みんなが真剣に勝ちを狙う。
こどもの頃にやっていた遊びを、大人になって改めてやったらめちゃくちゃ面白いかもしれない。
気が付けば、昼休憩の時間もあと少しになった。
「ラスト1回、お菓子をかけてやりませんか?」
誰かが言い、最下位が他の4人にコンビニでお菓子を買ってくるというルールが提案された。
「よし、やろう」
全員合意のもとで、7枚のカードが配られる。
これが今日最後の勝負。
『絶対に負けられない』
手札を見るみんなの顔には、はっきりとそう書いてある。この様子が個人的にはたまらなく面白い。
こんな会社って、他にあるんだろうか。
他の4人の真剣な顔を見ながら、僕はふとそんなことを考えていた。
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