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日常の中の物語りを切り取る

一人一台、高性能なカメラが搭載された
スマートフォンを持ってる現代

一回のシャッターの重みはだいぶ軽くなって
しまった気がする

でもそのおかげで、たくさんの思い出を
写真に閉じ込めて置けるようになったのも事実

情報で、映像で、溢れる中で
本当に魅力的な写真
それを撮れるかが勝負になる

でも大抵、意気込んでカメラを持って
出かけた日は納得いくものは撮れないもので。

一度、好きな写真を見つけるために
開いたTwitter。

そこでわたらいももすけさんに出会った。
彼は#バイバイ制服のハッシュタグで
女子高生の卒業をテーマにした
エモい写真で一躍有名になった。

彼が撮る写真にはエモさがある。
たぶん誰も真似できない。

私は彼が撮る、女の子の写真がとにかく好きだ。

みんな恋をしているような、そんな顔。
彼氏だけが撮れるなんともいえない表情の女の子。

女の子ってすごく表情が豊かだ。

怒ってるのに、照れてて
笑ってるのに、哀しそうで。

でも、大好きな人の前では
自然と女の子になっちゃうような。

目線が合ってなくてもいい。
何かに真剣な顔、不機嫌に膨れて見せたり。
わざとらしいくらい、あざとい顔も。
無表情な顔も。

私は自分自身が撮られる側になって
初めて気付いたことがある。

好きな人が撮った写真には
自分の知らない自分がいる。

こんなにわかりやすく不機嫌になってたこと。
好きなものに囲まれた時、見たこともない
キラキラした顔をしてたこと。

だから私は恋愛関係における
ストーリーを写真で紡ぐことにした。

カメラマンとして撮影する以上
映る人がみたこともない
かわいいとさえ思ってもいなかった
顔を、姿を撮りたい。

私はいい写真を撮る時に
ひとつだけ大事にしてることがある。

それは写真がちゃんと生きてること。

単に生命があってそれが止まって見える
だけではなくて。
今にも会話が聞こえてきそうな
そんな写真が撮りたい。

今まで私はこどもたちを撮る
スタジオカメラマンとして働いていた。

こどもたちは基本的にいうことを聞かない。
撮影のための小道具はたちまち遊び道具になり
スタジオセットはまるで
公園に置かれたジャングルジムだった。

それが私はむしろ好きだった。
その子のリアルを撮ることが
今しかないその表情を真空パックして
おきたかったから。
数年後、反抗期だの疎遠だのなったとしても
その時の一瞬が永遠に残るその感覚がとても
好きだった。

だけどいま撮りたいのは、違う。

もう少し成長した、上手に映れる大人
だからこそ魅力のある等身大の大人。

もっと人間らしくて、いいから
せっかく心を持ったから。
私が閉じ込めて見せるから。

ちょっとだけ恋心にも
力を借りてみようと思ったんだ。

恋してる女の子、彼氏でも
好きな人でもいいから一緒に連れてきて。

私にその等身大を撮らせてください。

愛子




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