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このたまご、生で食べられるの??

『このたまご生で食べられるの?』
初めて来店して頂いたお客様の8割が質問します。この質問を聞くたびに、如何に多くのお客様が、生たまごを食べたいと考えていて、そして、それと同時に食中毒を心配されているのだと、深く認識させられます。

生たまごを食べる文化は、日本の誇るべき文化です。ヨーロッパにも、アメリカにも、アジアにも、この食文化を持つ国は、ほとんどありません。どれだけ多くの日本人が生たまごや半熟たまごを食べて『幸せ』を感じているでしょうか。それを思う時、私達の仕事に大きな誇りと責任を感じます。

そして、生食文化のある日本でたまごを生産するということは、生たまごを食べることが前提であり、それは、養鶏家にとって、まさに食中毒菌との戦いを意味するのです。

 たまご由来の食中毒菌といえばやはりサルモネラ菌です。一部の種類のサルモネラ菌は、鶏に感染し、感染した鶏のたまごの中にサルモネラ菌が入り込みます。殻の外側に着いた食中毒菌を殺菌することは簡単ですが、鶏卵の中にある食中毒菌を殺菌することはできません。鶏卵のサルモネラ菌による食中毒が世界中で恐れられているのは、このインエッグとよばれるサルモネラ菌汚染が原因なのです。

 ちなみにアメリカ合衆国では、『たまごにはサルモネラ菌が一定の割合で含まれているので必ず加熱してください』と商品に表示されています。たまごは加熱が前提であり、『加熱用牡蠣』と同じ扱いなのです。アメリカ合衆国ではサルモネラ菌が含まれていることが前提なのです。その事例からも、サルモネラ菌をゼロにすることが如何に難しいかがわかってもらえると思います。

 私達愛鶏園は約100年の間、たまごを生で食べることを前提に、生産体制、品質管理体制を築きあげてきました。それは厳しい道のりでしたが、日本の生食文化が私たちを世界最高水準の安全性を備える会社に育ててくれたのだと思います。





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