EdTech(エドテック)の現状は?日本・海外の取り組みと今後の展望
教育のデジタル化が進む今、EdTechの現状はどうなっているのかご存じでしょうか。プログラミングの必修化や1人1台PC・タブレット配布など、ニュースで見かける機会もあるでしょう。
しかし、EdTechは今や一大産業になっており、日本のみならず世界でも大きな注目を浴びているのです。
本記事では、EdTechの最新トレンドや日本と世界の市場規模、政府の取り組みから今後の展望まで紹介します。
これをきっかけに、これからの教育の在り方を把握しておきましょう。
EdTech(エドテック)とは
AIの発展とともに聞く機会が増えた「EdTech(エドテック)」。なんとなく教育の何かなのはわかるが、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこでまずはEdTechについて、以下3つの視点から理解を深めてみましょう。
・EdTech(エドテック)=「Education(教育)」×「Technology(技術)」
・EdTech(エドテック)とICT・eラーニングの違い
・EdTech(エドテック)の国内・海外市場規模
詳しく見ていきましょう。
EdTech(エドテック)=「Education(教育)」×「Technology(技術)」
EdTechは「Education(教育)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語です。テクノロジーの革新的な利用を通じて、教育分野に大きな改革をもたらす取り組みを指します。
EdTechは子どもたちの教育を中心に、大人の学びにも入ってきています。たとえば、受験勉強用のアプリやオンライン英会話サービスなどです。
話題になったものだと、公立の小・中学校を対象に、1人1台PC・タブレットを支給する「GIGAスクール構想」がありました。授業でプログラミングを用いてゲームを作ったり、PC・タブレットで宿題をしたりなど、文字通り教育分野に改革をもたらしています。
EdTechは今後の教育の在り方を変えるものとして、現在も注目されています。
EdTech(エドテック)とICT・eラーニングの違い
EdTechと似たような意味の言葉として、「ICT」と「eラーニング」が用いられるケースがあります。しかし、これらには明確な違いがあります。
ICTは「Information and Communication Technology」の略で、情報や通信に関する技術の総称です。
eラーニングはインターネットを活用し、PCやタブレット、スマートフォンなどの端末を使って学習するやり方を指します。学習教材や管理システムも含み「eラーニング」と呼ばれるケースもあります。
つまり、<今の日本は「ICT」を活用して「EdTech」の実現を目指しており、その方法の一つとして「eラーニング」がある>ということです。
EdTech(エドテック)の国内・海外市場規模
EdTechの国内および海外市場は、近年大きな成長を遂げています。特に新型コロナウイルスの影響により、オンライン教育への需要が急速に増加しました。
株式会社野村総合研究所が2021年12月に発表した資料によると、日本におけるEdTech市場は年々右肩上がりで拡大しており、2027年度には3,625億円にまで及ぶとされています。
また、株式会社グローバルインフォメーションのレポートによれば、2022年、米国のEdTech市場規模は1,946億米ドルでした。2028年には4,524億米ドルまで到達すると予測されています。
参考:EdTech市場:世界の産業動向、シェア、規模、成長、機会、2023-2028年予測|株式会社グローバルインフォメーション
このように、EdTech市場は国内外で急速な成長を遂げています。背景として、教育分野におけるオンライン化の必要性が高まり、EdTechの重要性が一段と明確になったことが挙げられます。
今後もEdTech市場の成長は続いていくでしょう。
EdTech(エドテック)が注目された背景
EdTechは近年、重要な取り組みとして注目を集めていますが、その背景として以下5つが考えられます。
・新型コロナウイルスによる学ぶ環境の変化
・「考える力」を育てる教育
・「アダプティブ・ラーニング」の実現
・教育格差の是正
・教員の負担軽減
注目された背景を知ると、EdTechへの理解がさらに深まり、今後の向き合い方も見えてきます。一つずつ見ていきましょう。
新型コロナウイルスによる学ぶ環境の変化
新型コロナウイルスの影響により、世界中の教育環境は大きな変化を経験しました。日本も例外ではなく、学校の休校や社会的距離の要求により、デジタル教育への移行が加速されたと言えるでしょう。
当時は学校に集まって勉強するのが当たり前だったため、自宅にいながら学ぶ方法としてEdTechが注目を浴びたのです。
このころから、ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議ツールが、教育に積極的に利用され始めました。
その前からオンライン学習はありましたが、新型コロナウイルスの影響で教育技術の進展が加速したと言えるでしょう。
「考える力」を育てる教育
日本は「詰め込み教育」や「ゆとり教育」など、さまざまな教育方法を試してきました。その流れで、現在は「考える力」を育てる教育に着手しています。
これはグローバルな人材の育成に必要なほか、AIの発展により「情報を持つ人」ではなく「情報を使いこなせる人」が重要とされていることが影響しています。
考える力を育てるために、プログラミング教育が必修となりました。そのためには1人1台PC・タブレットが必要なため、国が取り組みを推進し、EdTechが注目を浴びたのです。
EdTech(エドテック)は学生に問題解決能力や批判的思考力などのスキルを身につけさせることができるツールとして、考える力を育てる教育において重要な役割を担っています。
「アダプティブ・ラーニング」の実現
「アダプティブ・ラーニング」は、EdTechを活用して個々の学習者のニーズに合わせて教材や学習経路を調整する教育方法です。アダプティブ・ラーニングによって、個人のペースや理解度に合わせてカスタマイズされた学習が可能になります。
アダプティブ・ラーニングは、現場の教師の負担増や個々の理解度の差による「一斉教育の限界」が囁かれたことによって注目を集めました。
AIを活用すれば、一人ひとりの理解度に合わせた問題が出題されたり、それぞれが間違いやすい問題を重点的に出したりなど、アダプティブ・ラーニングとの相性は抜群です。
EdTechはアダプティブ・ラーニングの実現において、必要不可欠と言えるでしょう。
教育格差の是正
EdTech(エドテック)の導入は、経済状況や居住地域による教育格差を是正する有効な手段です。
現在でもそうですが、経済的に裕福で都心部に住んでいる人の方が、私立学校や学習塾など、教育において選択肢が多く有利な状況にあると言えます。
ただ、PC・タブレットから高い質の教育が受けられれば居住地域の制限はなくなり、義務教育でEdTechを推進すれば経済状況による格差も縮められます。
EdTechは、教育格差を解消するための強力なツールとして期待されているのです。
教員の負担軽減
近年、学校教員の激務による問題が注目されていました。それに追い打ちをかけるかのように問題も出てきており、2021年の文部科学省の調査によると、2021年度の始業日時点で、すでに全国で約2,500人の教員不足があったとしています。
EdTechが推進されれば、教員は負担が減り、より一人ひとりの生徒に目を向けられるようになります。負担減が実現すれば、教員への応募数の増加も見込めるでしょう。
教育現場全体の質が向上する可能性を秘めたものとして、EdTechは注目されているのです。
日本政府によるEdTech(エドテック)への取り組み
日本は国全体としてもEdTechに力を入れており、各省でさまざまな取り組みを行ってきました。
ここでは、以下3つの省の取り組みを紹介します。
・文部科学省
・経済産業省
・総務省
国としてどのような取り組みをしているのか、詳しく見ていきましょう。
文部科学省
文部科学省は学校教育の核となる存在であり、日本のEdTechの推進において中心的な役割を果たしています。
文部科学省は2018年「Society 5.0に向けた人材育成 ~ 社会が変わる、学びが変わる ~」と題して、新時代の学びの在り方についてまとめました。そのなかで、取り組むべき施策として以下3つを挙げています。
・学習の個別最適化や異年齢・異学年など多様な協働学習のためのパイロット事業の展開
・スタディ・ログ等を蓄積した学びのポートフォリオの活用
・EdTechとビッグデータを活用した教育の質の向上、学習環境の整備充実
これらの実現にはEdTechが必要不可欠であり、文章中にも「EdTech」という言葉が何度も出てきていました。
実現への具体的な行動として、プログラミング教育の必修化やGIGAスクール構想による1人1台のPC・タブレット配布を行ったのも文部科学省です。
このように、文部科学省は早くからEdTechを推進しており、学校教育の中枢として教育現場に変革をもたらしています。
経済産業省
経済産業省は、文部科学省とはまた違った視点から、国内のデジタル教育環境の発展とイノベーションを推進しています。
経済産業省は2018年に「『未来の教室』とEdTech研究会」を創設し、未来の学校教育が目指すべき姿について議論を重ねてきました。
2019年に発表された第2次提言では、未来の教室ビジョンとして、以下3つが挙げられました。
・学びのSTEAM化
・学びの自立化・個別最適化
・新しい学習基盤づくり
これらはすべてEdTechの推進が前提のため、EdTechが重要な取り組みであることを示唆しています。
また、資金面での支援も経済産業省の取り組みです。「探究的な学び支援補助金」や「EdTech導入補助金」など、EdTech推進に対して経済を通して関与しています。
総務省
総務省は、教育分野のデジタル化を推進するための政策を策定し、学校や教育機関のインターネット接続やデジタル機器の整備を支援しています。文部科学省と共同でICT環境整備事業にも取り組んでいます。
また、EdTechに関する情報発信も行っており、各省と連携して日本全体でEdTechを推進するために動いています。
日本の民間企業のEdTech(エドテック)導入事例7選
日本は公共教育のみならず、民間企業もEdTechを推進しています。ここでは、以下7つのEdTech導入事例を紹介します。
・トライグループ
・リクルート
・Z会グループ
・ベネッセコーポレーション
・Classi
・atama+(アタマプラス)
・ワンダーファイ株式会社
それぞれどのようにEdTechを導入しているのか、詳しく見ていきましょう。
トライグループ
トライグループは、教育業界のなかでもいち早くEdTechを推進しました。トライグループは現在も、テクノロジーを活用して教育サービスを提供し、新しい学習体験を創出しています。
たとえば、トライグループは2015年に、すでにオンライン授業の配信を開始していました。その後、2019年には「ヒトとAIの共生環境の実現」を掲げているギリア株式会社と資本提携し、新しいAI教育サービスである「診断型AIシステム」を開発しました。
参考:トライグループとギリア、5教科対応「診断型」AI教育サービスで資本業務提携-2020年4月の本格提供に向け実証研究
このように、トライグループはEdTech分野における革新を牽引しており、今後も目が離せない企業です。
リクルート
リクルートは教育業が専門ではなかったにもかかわらず、デジタル技術のノウハウを使ってEdTechを推進しました。
その最たるものが「スタディサプリ」です。スタディサプリでは小学生から社会人まで、オンライン上で動画を見たり講座を受けたりして勉強できるサービスです。
もちろん動画内ではプロの講師が授業しているため、わかりやすいと評判になりました。その後、学習塾などにもサービスを展開し、ビジネスと教育業界の発展を両立させています。
公共教育機関への導入や、技術提供も期待されている存在です。
Z会グループ
Z会グループもトライグループ同様、日本の教育業界において、長年にわたる実績とEdTechの革新的な取り組みで注目されています。
Z会グループはEdTech推進のためにさまざまな取り組みを行っており、経済産業省EdTech導入補助金2021にも採択されています。
参考:株式会社Z会ソリューションズと一般社団法人Fora、経済産業省EdTech導入補助金2021に採択決定~生徒が学び合う姿勢を高めながら、探究活動の成果の可視化や多面的な評価が可能に~
具体的には「Z会専用タブレット」の存在が挙げられます。株式会社ワコムと業務提携し、「手書き×デジタル」という両方のよさを生かせるタブレットを開発しました。タブレットでありながら、ノートに書いているように勉強できると評判です。
また、スタディプラス株式会社も2019年に資本業務提携し、学習管理アプリ「Studyplus」をZ会グループ各社のサービスに導入しています。これにより、生徒が自ら学習を管理することが期待できます。
Z会はただ最新技術を導入するだけではなく、EdTechの進化に積極的に対応し、教育の質と学習者の経験を向上させている点が特徴です。EdTechのほか、SDGsにも積極的に取り組んでおり、今後の動向にも期待が高まります。
ベネッセコーポレーション
ベネッセコーポレーションは在宅学習の先駆けとして、現在もEdTechを推進しながら日本の教育業界をリードしています。
ベネッセコーポレーションといえば「進研ゼミ」ですが、もちろんEdTechに関する取り組みが行われています。
進研ゼミには専用タブレットがあり、受講者全員に配布されるのですが、学習専用端末のため自由にWebサイトを閲覧することはできません。
保護者の方々からは「今や学習にスマートフォンやタブレットが使われているのは知っているけど、遊んだり有害なサイトにつながったりしないか心配」という声が多くありました。
進研ゼミのタブレットはその面で安全なため、小学校低学年のお子さんでも安心して利用できるのです。
また、学習状況を保護者がチェックできる機能も搭載されています。学校や塾だとどのようにどのくらい勉強しているかわからないため、子どもの学習状況を把握できることで高評価を得ています。
2015年にはUdemyと資本提携し、プログラミングやゲーム開発などの専門教育分野にも進出しています。
EdTech推進において、今後も目が離せない企業であると言えるでしょう。
Classi
Classiは、EdTech推進のサポートする存在として大きく教育現場に貢献しています。
Classiとはアダプティブ・ラーニングを支援するツールであり、AIが個々の学習状況を分析して自動的に苦手な問題を出したり、生徒の学習時間・内容などを可視化したりします。
Classiがあることにより、生徒は勉強に対するモチベーションを保ちやすくなり、教員は負担が減ってより一人ひとりの生徒に目を向けられるようになるのです。
実際に公立・私立かかわらず複数の中学・高校がClassiを導入しており、教育現場に変革をもたらしています。
今後さらにEdTechが注目を浴びれば、Classiも教育現場に欠かせない存在になっていくでしょう。
atama+(アタマプラス)
atama+(アタマプラス)はAIを活用した個別最適化学習サービスを全国の学習塾へ提供し、日本の教育分野において革新的な役割を果たしています。
atama+はAIを用いた学習システムで一人ひとりに合わせて最適なカリキュラムを提供し、効率的な学習を支援します。人間では気づかないような細かな学習者の勘違いや傾向を分析し、可視化してくれます。
圧倒的な学習データをもとに開発されており、その精度の高さが特徴です。その性能は高く評価され、2020年度の日本e-Learning大賞を受賞しています。
今後の教育現場のキーワードは「人間×AI」になっていくでしょう。atama+はその先頭でEdTechを推進していくことが期待されています。
ワンダーファイ株式会社
「世界中の子どもが本来持っている知的なわくわくを引き出す」をミッションとして掲げているワンダーファイ株式会社。そのミッションの通り、子どもたちがわくわくするような革新的な学習体験を提供している企業です。
パズルや迷路などで思考力を鍛える知育アプリ「Think!Think!(シンクシンク)」はユーザー数250万人を突破し、公教育・塾や商業施設などに導入されています。
また、プログラミングやアートなど、さまざまなコンテンツが入っている教材を通じて、毎月子どもの知的成長を促す通信教育サービス「WonderBox(ワンダーボックス)」も新しいSTEAM教育の形として注目されています。
ワンダーファイ株式会社は、今後も子どものわくわくを引き出すような新たなサービスの開発が期待されます。
海外のEdTech(エドテック)への取り組み
EdTechは国内のみならず、海外でも活発な動きを見せています。ここでは、特にEdTechを推進している3つの国を紹介します。
・アメリカ
・中国
・インド
それぞれどのような企業があるのか、詳しく見ていきましょう。
アメリカ
アメリカはEdTech分野において世界をリードしており、教育技術の革新と応用において先進的な役割を果たしています。
アメリカには「Khan Academy(カーンアカデミー)」や「Coursera(コーセラ)」のような、世界的に有名なオンライン学習サービスが多数存在します。
特にこの2つは、アメリカの教育に革新をもたらしました。Khan AcademyやCourseraを使えば、誰でも無料で高品質な教育を受けられるのです。
アメリカでは教育格差が問題になっていましたが、自国の基幹産業の一つであるITを駆使し、その格差を埋めようとする動きがEdTechの導入につながりました。
アメリカは国としてもEdTechを推進しており、企業も莫大な資金を投じています。アメリカのEdTech市場の成功は、教育の未来を考えるうえで注視すべきと言えるでしょう。
中国
中国は近年、EdTech分野において急速な成長を遂げており、教育技術の発展と革新に大きく貢献しています。
中国には、人々の公教育への不信感や、都市部と地方の教育格差などの問題がありました。中国も近年IT産業が成長しているため、EdTechによって改善を目指しているのです。
民間企業もEdTechに力を入れており、オンライン教育サービスとしては「Yuanfudao(イェンフーダオ)」や「VIPKid(ビップキッド)」が有名です。
中国のEdTech市場は、政府の積極的な支援と巨大なニーズの存在により急速に成長しています。中国のEdTechサービスは世界にも進出しており、今後も目が離せない存在と言えます。
インド
インドはEdTech分野において、新たな風を吹かせる存在として注目されています。
インドの特徴として高等教育は英語が使われることが多く、質の高い教育を受けるには英語の習得が必須です。そのため教育熱心な家庭が多く、学校へ通わずに受験勉強する予備校が一大産業になっているほどです。
そして近年、経済的中間層の増加や新型コロナウイルスの影響により、EdTechに目が向けられるようになりました。
国として教育の質を向上させる取り組みを行っていることもあり、EdTechに関する企業も多く設立されました。
おそらく、インドで最も有名なのは「BYJU’s(バイジュース)」でしょう。2011年の創業以降インドのEdTech市場を牽引しており、今もなお成長を続けています。
また、もともとYouTubeチャンネルとして始まった「Unacademy(アンアカデミー)」も資金調達を重ねて規模を拡大しています。
インドは人口も多いため、今後のEdTech分野において重要な存在になるでしょう。
日本のEdTech(エドテック)の現状・課題と今後の展望
ここまで日本・海外のEdTechへの取り組みを見てきましたが、最後に改めて現状と課題を把握し、今後の展望を考えていきます。
日本のEdTechに関する取り組みは他国より遅れている部分もありますが、着実に前に進んでいると言えます。
たとえば、数年前まではEdTechを推進しようにも、学校でデバイスとインターネット環境の整備がされていないためにできないと言われていました。
しかし国を挙げてGIGAスクール構想などを推し進めたことにより、近年デバイスとインターネット環境の整備が急速に進んでいます。
よって、次なる課題は「EdTechによってもたらされた素晴らしい教育環境を私たちがどう使いこなすか」です。そのためには、まずITリテラシーの格差を埋める必要があります。
デバイスが整備されていても、自宅にインターネット環境が無かったり、使い方が分からなかったりすると、最大限活用できません。
私が以前勤めていた学習塾でも、スマートフォンアプリで学習するカリキュラムを組んでいました。しかし、「家にネット環境がない」「スマホで勉強なんてよくわからないからやらせない」といった理由で学習させてあげられなかったことがありました。
わからないことに対して不安になるのは仕方がないのですが、効果も出ていてよい教材だっただけに、もったいないと思いました。
このように、ITリテラシーに格差があると、EdTechによってさらに教育格差が出てしまう可能性があります。時間とともに解決される可能性もありますが、保護者への説明会や企業による情報発信など、できる対策はあるでしょう。
また、民間企業のEdTech推進には、ビジネスモデルの確立が必要です。ビジネスとして成立しなければ、いくら熱意があっても民間企業としては存続できません。
そのため、公教育への導入や大手企業のサービス展開をさらに増やすなど、スタートアップ企業が参入しやすい環境づくりが求められます。
最新のEdTech(エドテック)に触れられる「エドテック×AI/DXフォーラム」
2024年1月25日の13:45~17:30に「エドテック×AI/DXフォーラム」が、日経ホール&カンファレンスルームで開催されます。
このフォーラムには、以下のようなEdTechとAI・DXに精通している方や企業が多く参加されます。
・赤堀 侃司氏(東京工業大学名誉教授 /一般社団法人 ICT CONNECT 21 会長)
・モノグサ株式会社様(プラットフォーム「Monoxer」)
・Will Booster株式会社様(AIアプリラーニングサービス)
・株式会社スピークバディ様(AI活用英語教育サービス)
・Edv Future株式会社様(非認知能力成長支援サービス「Edv Path(エデュパス)」)
フォーラム内では各企業の取り組みや現在・将来のEdTechについて紹介されます。最新のEdTechに触れられる貴重な機会です。一般の方でも参加可能です。またオンラインでの参加も可能ですので、ご興味がある方はぜひお申し込みください。
まとめ:EdTech(エドテック)の現状を知って推進していきましょう
「Education(教育)」と「Technology(技術)」を掛け合わせたEdTechは、今後の教育に大きな改革をもたらす存在です。新型コロナウイルスの影響や教育格差の是正などの背景から、さらに大きな注目を浴びています。
国として、民間企業として多くの取り組みをしていますが、まだまだ課題があるのも事実です。とはいえ、取り組みの成果は出てきつつあるので、諸外国の取り組みなどを参考にしながら、高品質な教育の場を形成していくことが求められます。
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