法律のバックグラウンドを持たずに法務部に入った人におすすめの本

世の中に新人法務部員へのおすすめの本を説く記事はたくさんあり、私も過去に何度もそれらの記事を参考に本を購入しています。

これらの記事は読みやすく、かつなぜその本が必要なのかが大変分かりやすく書かれているものが多い印象です。

特に参考にさせていただいたブログを一部紹介↓(本当はこれ以上にたくさんありますが、それだけで一つの記事になってしまいそうなので、一部の紹介です。)

いずれの記事も非常に参考になり、法務部の仕事を進めるうえでこれらの記事に何度助けられたか分かりません。

このような記事を作成してくださった皆様、本当にありがとうございます。


しかし…しかしですね。私のような元理系で文系の知識がほとんど無い状態で法務部に異動してきた者(そもそもなんで異動したんだ!という突っ込みはひとまず置いておいて)にとっては、たとえ名著『スキルアップのための企業法務のセオリー 実務の基礎とルールを学ぶ』ですら最初はよくわからなかったりするのです。(単に私の理解力の問題かもしれませんが。)

そこで、本記事では、法律の知識が全く無い状態で法務部にやってきた人を対象にした、私なりのおすすめ本4冊を紹介したいと思います。

1.初心者でもわかる!LawLゆいの会社法入門

本書はストーリー形式になっており、かつ話の展開もテンポがよくておもしろいので、さくさく読み進めることできます。

私が法務部に来て最初に任された仕事は、いわゆる商事法務関係でした。過去の役会・総会議事録を読み漁ってもなぜその結論に至っているのかが分からず、会社法関係の本を読んでもなにがなんだかよく分からず、途方に暮れていた私にとって、本書は会社法の感覚を掴むにはもってこいの一冊でした。

会社法関連の本を読んでも頭に入ってこないという人には、本書をまず読んでみてはどうかなと思います。


2.ビジネスマンのための法令体質改善ブック

本書は、名著『新法令用語の常識』を執筆した吉田利宏氏により執筆された本です。『新法令用語の常識』と比較すると多少内容の濃さは劣るものの、その分文面のタッチが軽やかで、面白いたとえ話もふんだんに取り入れられているため、非常に読みやすい一冊となっています。実際に読んだのは5年も前ですが、「その他」と「その他の」の違いについては、いまだにこの本のたとえ話を頭に浮かべてしまいますね。

個人的には、まずこちらの本で感覚を掴んだうえで、不足する知識を『新法令用語の常識』で補うという方法がよいのではないかと思います。


3.それってパクリじゃないですか?

知的財産に関する話は、法務部に来たばかりの人にはかなりイメージが沸きにくいですよね。特許?実用新案?意匠?商標?あー、著作権ならなんとなく知ってるかも…ぐらいの感覚だと思います。そのような方にとって、いきなり知的財産に関する深い知識を得ようとすると、知的財産に苦手意識を持ってしまうかもしれません。

そこで、本書の登場です。本書の特徴は、なんといってもストーリーが面白い!早く続編でないかな?と、楽しみに待っているぐらいです。ただストーリーが面白いだけでなく、(一応)弁理士の私から見ても知的財産に関する描写は正しく具体的に記載されているように感じます。

知的財産のとっかかりに、本書を強く勧めます。


4.事業担当者のための逆引きビジネス法務ハンドブック

本書は読んではいけません!

…え、いきなり何を言い出すんだって?

何が言いたいかというと、本書は、まずは「読む」のではなく、「聴く」ことから始めると良い、ということです。

実は(有名な話ではありますが)著者が直々に本書の内容を解説している動画がYoutubeにアップされているのです。

こちらがまたどの動画をとってもめちゃくちゃ分かりやすい!ですので、実際のセミナーに参加するときのように、動画を聴きつつ本書の該当箇所を読む、ということをまずは実施すべきだと思います。

動画を全て聞き終え、概要を頭に入れたうえで、本書を最初から読み進めたらよいと思います。


本当はこれ以上におすすめしたい本はたくさんある(希望の法務とか電子契約関係の本とか)のですが、ひとまず右も左も分からない人の最初の一歩に勧める4冊の本を紹介しました。

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