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パソコン教室から考察する日本の政治家のAIに対する深刻な理解不足

⚠️ 注意 ⚠️
 このコンテンツの本文には、何時ものような漫画やアニメや音楽ファンにしか分からない話は含まれていません。 #IBM5100 の話しからアニメ版の #シュタインズ・ゲート #漆原るか のお母さんの #ポケベル の話しに持って行きたいところですが、今回は珍しくまじめな話しです。 #岸田文雄 首相が国会議員になった #1993年 頃は、まだ、ポケベルの全盛期で #国武万里 の『♬ #ポケベルが鳴らなくて 』や #秋元康 原案の同名のドラマが放映されたのも1993年です。この頃、私はもうアメリカに移住していたので、最近まで国武万里や岸田文雄のことは知りませんでした。以下の記事にも書きましたが、アメリカでは日本の総理のことなど、ほとんど報道されないんです。
 
フォーリン・アフェアーズの日本語版が岸田文雄に関して何も書いていないことは、ここをクリックすると一目瞭然です。ゼロです。

本文:30歳以上の方なら、パソコンが使えない上司を実際に見た経験がある可能性が高いので、上の記事で私が言及していることの意味が理解できたと思います。しかし、社会人経験のない学生や、 #デジタルネイティブ世代 の皆さんには、私の言っていることが理解しづらかったかもしれないので、本稿では上の記事の背景について補足説明します。

 岸田文雄首相は1993年から国会議員を務めており、同じ年代以上の議員の中にはパソコンやFAXを使った経験がない方が少なくないのが現状です。通常、国会議員のスケジュールは、新人議員でも10分刻みでアポイントメントが入ります。大臣や首相になるとさらに多忙で、大規模な自然災害や事故、北朝鮮のミサイル発射、海外の要人からの急な連絡が入るなどして、アポイントメントがキャンセルされることが頻繁に発生します。

 議員のスケジュール変更に対応するため、多くの議員が10~20人程度の秘書や事務員を雇用しています。そのため、実際にパソコンを使って業務を行っている国会議員はほとんどいません。パソコン操作は秘書や事務員に任せのことが多いです。この状況は、IT企業を除く大企業の重役にも当てはまるでしょう。

 コロナ禍でも大企業の役員と秘書が出社し続けていた理由は、(1) 役員が出社していないと緊急時対応に困るということ、(2) システム・セキュリティ上、企業機密に社外からアクセスできないこと、(3) 多くの役員がパソコンの使い方を知らないことが、三大理由として指摘されることが多いです。

 地方都市の町議会議員の中には、自分で支援団体などの情報を年賀状管理ソフトで管理し、支援団体や有権者に自ら年賀状を作成している議員もいます。しかし、町議会と国会では状況が大きく異なります。多くの地方議員には秘書がおらず、自分でパソコンを使わざるを得ない状況です。

 日本の国会議員や大企業の重役の多くは、パソコンに極めて疎いのが現実です。それに対して、一部の年齢層やIT産業の人々はIT機器の利用に慣れています。しかし、多くの企業の上層部では、依然としてIT機器の操作が難しいと感じられています。

 はじめてキーボード入力をする高齢者にとっては、キーボード入力は困難なスキルで、未経験者がピアノを始めるのと同じくらい難しいと感じ、キーボード入力で断念する人も少なくありません。これは彼らが無能だということではなく、政界や産業界の要人には、タイピングの練習よりも優先度の高い重要な仕事が多数あるという意味です。

 実際、以下のパソコン教室の宣伝にあるように、パソコン教室には60歳以上の方が半数近く通っていることも多いです。

 シニアパソコンコースも人気があり、受講生の100%が60歳以上というパソコン教室も少なくありません。デジタルネイティブ世代の方々は『えっ! 冗談でしょう?』と思うかも知れませんが、近年では #iPhone講座 #Android講座 の需要が急激に高まっています。

 若い世代にはジョークに聞こえると思いますが、高齢者のパソコン教室でどのようなことが起こるか実話をもとに説明します。はじめてパソコンを教える先生は、まさかマウスが何だか知らない人がいるとは思ってないことがあります。そのため、パソコン教室の生徒に当たり前のように、『マウスで画面のボタンをクリックしてください』というと高齢者生徒の反応は、『クリックって何ですか?』で、先生が『あっ、クリックは専門用語でしたね。画面のボタンをマウスで押すことです』、『そのマウスとは何ですか?』、『その右手側に置いてあるネズミみたいな機械がマウスです』と説明すると、高齢者の生徒はまじめに、マウスを右手に掴んで、そのマウスで直接画面のボタンを押して『動きません』と真顔で答えることがあります。

 パソコンのタッチスクリーンが流行ったのは、このような方でもパソコンが扱えるように、今でいう所のUXを改善したからです。スマホではタッチスクリーンが当たり前ですが、パソコンのモニターはタッチスクリーンになっていないものもあるので、いまでもこのような事例は実際に多発しています。パソコン教室の先生も慣れてくると、まずは生徒がマウスが何だか解らない前提で説明するので、このような懇切丁寧な先生が高齢者には人気があります。

 一方、欧米では80歳以上でもパソコンを使いこなしている人が多いです。その理由の一つは、学生の頃からタイプライターを使っていた経験があることです。

#IBM は1911年に創業されたCTR(Computing-Tabulating-Recording)から発展しました。CTRの主力製品には、タイムカード機(最近は無いかも知れませんが、紙カードを入れると、入社した時間と出社した時間が刻印される機械です)や、パンチカード機器(昔は紙カードに #2進数 でプログラムなどが穴で開けてありました)、計量器、自動肉スライサーなどのメカ系製品が含まれていました。1924年に社名をIBM(International Business Machines)に変更し、その後電動タイプライター事業に進出しました。IBM Selectric Typewriterは、特に有名なモデルで、そのコマーシャルは以下のYouTubeビデオで見ることができます。

 以下のハンマー式 #タイプライター と比較すると、IBMの電動式タイプライターが如何に洗練されていたかが分かりやすいでしょう。ただし、電動式であっても、インクリボンを球形の活字ハンマーで物理的にタイプ用紙に文字を印刷しているので、ミスタイプやミススペルすると、全て最初から打ち直しになるか、ホワイトのインクやテープで文字を消してから、用紙の位置を修正してタイプし直す不便さは旧来のハンマー式と同じです。

 現在のテキストエディタのように簡単に文字をコピー&ペーストしたり、構文を入れ替えたり、推敲して文章を書き直すのは、非常に面倒な時代でした。

 日本では、バブル経済が崩壊する1992年頃までキーボード入力は特殊技術と見なされていて、 #タイピスト という職業が存在していました。現在も #日本語ワープロ検定試験 が行われています。

 このような背景から、多くの高齢者がプログラミング学習を始める際、 #print関数 からスタートします。文字列を画面に表示する単純なタスクを完成させるだけで、彼らは『自分はプログラミングができる』錯覚してしまうのです。

 このレベルのコンピュータスキルの総理大臣がAIに関する国際会議の場で、1時間だけパソコン教室に通って『私はAIのプログラミングを実践的に学んだので、AIのガバナンスや透明性を確保するための国際ルール作りを日本が主導する』と主張することがどれほど滑稽で危険な状況なのかを認識する必要があります。

 以下の記事では、AIの国防や諜報での利用に関しても軽く説明してありますが、これらを全て統括しているのが、内閣官房長官( #内閣調査室 )や、防衛大臣( #防衛省情報本部 )、警察庁長官( #警察庁警備局長 #サイバー警察局 )、外務大臣( #国際情報統括官組織 )、法務大臣( #公安調査庁 )などで、各省庁の最高責任者の大臣や長官などを統括しているのが日本の場合は、首相=総理大臣です。

 ここまで詳しく説明すると、日本の政治家の情報機器に関する『無知』がどれほど恐ろしいかわかりましたか?

 冒頭で引用した記事に、さまざまな事例を追加しました。さらなる詳細と事例については、以下の記事からリンクしている記事をご参照ください。


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