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バス・ロマン|路線バスに乗って

あのー電車って知ってますか?おれも最近知ったんですけど、電気の力で動く大きな鉄の乗り物のことで、それに乗ると隣町までお出かけするのにMONDO GROSSO「ラビリンス」のMVに出てくる満島ひかりの動きで行くよりも多少早く目的地に到着できる可能性が高いというものです。多少ですよ多少!


つい数年前まで「ラビリンスのMVの感じで帰宅」みたいな言い回しをよく見かけたけど、いつの間にかとんと見なくなりましたね。あの感じで帰宅していた人たちは一体どこに行ったのでしょうか。一説にはコロナ禍の時期、失われた様々な文化や場所とともにこのまちからいなくなってしまったと言われています。コロナ憎しです。


当時は不要不急の外出を避けるように言われていましたから、電車にも人が全然乗ってなくて、コロナ禍がひと段落した現在にあっては、人が少ない電車というのが少し恋しく思えてきます。おれは満員電車が大嫌いですから、パンデミックの次に嫌いですから、あのコロナ禍で失われた文化とかいっぱいありますけど、満員電車一瞬消えたか?ってなりましたよね。いつの間にかムクムクと蘇ってきて、今やすっかり元通りになってしまいましたが、これだけはマジなくなってよい文化です。おれは、三密の塊こと満員電車にたいへんうんざりしています。


三密って懐かしいですね。「密閉」・「密集」・「満島ひかりとビリヤニ食べたい」ですよね。あっ間違えました、最後のはおれの願望でした。あと一個なんでしたっけ。小ボケを挟んでいたら普通に忘れちゃいました。あの頃あんだけ言われてたのに人間っていらない記憶は忘れちゃうもんなんですね。


ほんと最近マジで朝の電車の乗車率ヤバくないですか?荷台の上にまで乗らないとちょっと無理なくらい混んでない?一番嫌いなのが、降りる時、一緒に降りる人たち後ろからめっちゃ押してくるじゃん。順番にゆっくりと一歩ずつ前の方に送り合わせれば絶対降りられるのに我先に降りていこうとするじゃん。おれあれ超嫌い!たまに押し返すくらい嫌い!


電車内に充満している負の感情にあてられて、おれ自身も朝からご機嫌がナナメになってしまいます。日々機嫌よく生きていきたいし、おれのまわりも機嫌よくあってほしい、恋人とかが不貞腐れている時は機嫌よくしろと言って怒るような人間なものですから、それでおれは通勤やお出かけ問わず、電車に乗りたくない日っていうのはなるべく路線バスを使うようにしています。


そもそもおれは路線バスというのがかなり好きなほうで、あっ電車に乗りたくないぞという日、「仕方ないからバスに乗って出かけよう、仕方ないな~~~!」とブツブツ独り言を言いながら利用するんですけど、なんならちょっと胸の奥の方で騒ぐものがあります。これはおれの祖父が群馬バスの運転手をやっていたからに違いなく、DNAレベルでバスに対する特別な想いが刻み込まれているということになるわけです。


バスに乗ると、電車の車窓からは見て取れないまちの様々な情報がよく見えます。感じの良さそうなお店、知らない交差点、古い地名…バスに乗ることによって、普段のまちにグッと奥行きが出るというか、さらに細かい粒度でまちを見つめることができます。だから、おれはバスに乗るのが大好きなんです。


幸い、我が家の周りには各方面に向かうバス停が多くて、繁華街に通じている路線もあれば、東京の東側、下町のほうに続いている路線もあります。とみに面白いのは東京の東側です。アップダウンの大きな道も楽しいし、古くからの建物があちこちに残る景色をぼんやりと見るのもとても楽しい。たまに都バスの一日乗車券を買い求めて、路線を乗り継いだり、ふいに適当な停留所で降りてまちをぶらぶらとします。


これは別に言わなくてもいいことなんですけど、九条の大罪情報では路線バスって一台2000万とか3000万とかするらしいんですよ。超高級車ですよね。都バスの一日乗車券、500円とか700円とかそのくらいでしたっけ、超高級車に丸一日乗れてその金額っていうところに、百合子(小池)の懐の深さを感じざるを得ないですよね。これは別に言わなくてもいい余計な情報なんですけど。


ここでおれの好きなバスの路線やおでかけコースについて滔々と語ってもいいんですが、そのへんは他の人がやればいいと思っていて、インターネットで検索しますと、おすすめの都バス路線189選みたいなサイトが山ほど出てきますので、そのへんの情報はそっちを見た方がいいと思います。「徹底的に役に立たないnote」でやってますんでこっちは!(なんで語気が荒くなるんだ?)


あと、普段使いで乗るバスは別として、初めてのまちをぶらぶらしたのちにさあ帰ろうという時、電車に乗ると乗り換えとかが面倒なことってよくあると思うんですが、バスは意外と便利な駅とかまで帰れたりすることがあるのでときどき嬉しくなります。ここから新宿まで帰れんの!?みたいな。なので、一旦電車乗って帰るのめんどくせえなっていう時は、駅周辺のバス停の行き先とか調べてみたりします。そういう痒い所に手が届く感じもまた路線バスのいいところです。なんか、分かんないですけど後輩とかにいて欲しい感じです。えっあの資料やっといてくれたの!?みたいな、ちょうど養生テープ欲しいと思ってたところなんだよね、みたいなみたいな。おれの言いたいこと分かりますか?あんまり分からないですか。そうですか・・・


とにかく、おれはもう路線バスにめっきりあてられてしまっておりまして、それは生活インフラのひとつであり、いつまでもなくなってほしくない文化であり、おれがニコニコと生きていくために必要なもののひとつでございます。すなわちおれが普段機嫌よくこのまちで生きていけてるという事実と、東京の路線バスの使い勝手のよさっていうのは密接な関係があるっていうことでございまして、あっ三密の最後のひとつ思い出した!密接ですね。なんだよ密接って。当時は普通に受け入れてたけど、よく考えたら三密の一つに数えるには他の二つと比べるとちょっと苦しくないですか?なんか、もっとあるだろ!すぐには思いつかないけど!そんな感じです。




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