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モバイルゲームの作り方

一般的なモバイルゲーム開発についてご紹介します。

ゲーム開発は簡単にいえば、「どんなゲームにするか決め、キャラクターを作り、実際にゲームが動くようにプログラミングする」です。しかし、具体的に何をしているかについてはうまくイメージできない部分もあると思います。今回こちらのコラムでは、ゲーム開発の一連の流れを詳しく説明していきます。


(1)一般的なモバイルゲームの開発フロー

一般的なモバイルゲームの開発フローは、大きく7つのステップで進みます。ゲームジャンル問わずに、ほぼ同じステップを辿ります。

①企画・戦略立案
②プロト版
③α版
④β版
⑤マスター版
⑥テストリリース
⑦グローバルリリース

ここからは、各ステップごとについて説明していきます。

(2)企画・戦略立案

企画は、会社によって始まり方も様々です。企画専門の部署が市場調査データを分析して新しいゲームを提案することもあれば、経営層が方針を決定し、責任者を任命して進めることもあるでしょう。社内でアイデアを募集してコンペも行うところもあるようです。
どのフローで始まったとしても、市場調査・競合調査・予算案・コンセプトシート・新サービスの概要・差別化ポイントなどを企画書にまとめて、会議で話し合い、可決されます。
この決定後には、開発スケジュール、必要な人員、社外協力会社の選定など、具体的なアクションプランが策定され、開発着手となります。


(3)プロトタイプ版・α版・β版開発

β版という言葉は聞いたことがある方も多いと思いますが、プロトタイプ版・α版は初めて聞く方も多いかもしれません。順を追って説明していきます。

▶プロトタイプ版
「ゲームのコア部分を中心に大まかにプレイできる状態」のゲームです。
例えば、パズルゲームであれば「パズル」だけができて、ストーリーやミニゲームは、画像があてがわれているだけで、実装されていない状態です。
この状態で、インゲーム(そのゲームのコアとなるゲーム部分)をテストプレイすることで、課題をみつけて、ブラッシュアップ箇所について、検討を重ねていきます。場合によっては、ゲーム開発を中止し、新たなゲーム開発に切り替える場合もあります。

▶α版
α版は「一連の流れをプレイできる状態」です。テストプレイを重ねて、ブラッシュアップを重ねていきます。α版では、アウトゲーム(インゲームを準備するための部分)の開発も進めているため、この段階に入ると関連する人が大幅に増えていきます。
それぞれの担当箇所の部分を開発・作成を進めていき、プロデューサーが全体を調整して一つのゲームにまとめていきます。
ゲームジャンルにもよりますが、ここが一番時間のかかる段階かもしれません。

▶β版
IT用語辞典によるとβ版は「開発途上のテスト版のこと」と記載されています。テスト版とありますが、ゲームでのβ版となるとほぼ正規版の状態で、最終段階のものを指します。この段階になると細かな修正点や一部機能のみの実装されていない状態なので、社内で共有してテストプレイをすることもあります。

こうして、企画時点でゴールとしていたゲーム開発はほぼ完了します。

弊社ゲーム『Critter Crew(クリッタークルー)』のプロトタイプ版とマスター版のホーム画面


(4)テストリリース・グローバルリリース

リリースは、他に、ローンチという言葉を使うこともあります。
「公開」「発表」の意味で、リリースを指します。「ローンチ」は触って使える製品などに用いられるのに対し、「リリース」は情報公開などサービスに使用されます。どちらを使うかは会社や状況によって異なります。
そして、テストリリース(ソフトローンチ)は「限定地域・限定対象のみに試験的に公開」することを指します。
前段で、ゲーム開発はほぼ完了と書きましたが、それはあくまで企画時点でゴールとしていたものです。テストリリースを行うことで、グローバルリリース前に数百人や数千人単位のプレイデータを集めて、改善点をみつけてゲームのクオリティを上げることができます。
そうしてようやくマスター版を完成させ、グローバルリリースで皆様の元にお届けします。

ちなみにテストリリースにはいろいろな方法があり、ゲームイベントの参加者にβ版プレイをいただいたり、報道関係者や関連の方々を集めた試遊会でテストプレイを行うこともあります。


(5)まとめ

大まかな流れは以上になります。
モバイルゲームは、家庭用ゲーム機のソフトと違い、リリース後もブラッシュアップができるゲームです。リリース後も常に改善を重ねていくので、一度辞めたゲームに復帰すると以前よりゲームがおもしろくなっていることも多々あります。その差を楽しむのもモバイルゲームの醍醐味の一つなので、ぜひ以前プレイしたゲームでもまた遊んでみてください。




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