見出し画像

観戦日記「健太郎と名のつく人に、悪い人はいない」の巻

2023年10月3日


男子バレーボール 五輪最終予選

チュニジア vs 日本


スタメンは石川、小野寺、西田、髙橋藍、高橋健太郎(!)、関田、リベロ山本。


フィンランドとは3-2で何とか勝ち、エジプトとは2-3で勝てなかった日本。

ファンとして初戦連勝を期待していたので、「こんな苦戦する?え、負けたん?」「日本どうしたん?」「オリンピックの切符、ここで勝ち取るんやろ?」と心配になっていた。


そこで、このスタメン。

高橋健太郎起用に、どうゆう理由かがスグには分からなかった。

けれど、この采配は見事に当たっていたのだ。


高橋健太郎は、身長 201センチのミドルブロッカーだ。他のミドルの選手は細マッチョだけど、彼はガッシリした体格。


試合を観ていて、ちょっと頼りない部分を感じていた。

ブロックで弾かれた球を取りきれず、「クソッ!」みたいなシーンをよく目にした。あと一歩が届かない。

ガッツなのか、技術なのか、他のメンバーとの格差を試合で感じていた。

その一歩が届けばヒーローになれるのに!と歯がゆい想いをしていた。


高橋健太郎は、良い人だと思う。

先日のカナダとの練習試合後、甲斐くんのバースデーイベントに司会をやっていた。

周りが恥ずかしがってやらない役を、やってくれる懐の大きい人なのだろう。

イジられても、怒らずニコニコしてるような人なのではないかな?と想像する。

勝利した試合の後、集合写真を撮る時、大体いつも真ん中にいるし!

盛り上げ役、ムードメーカー、そんな人なんだと思う。


そんな高橋健太郎が、昨日はめちゃくちゃ良い仕事をしたー!

今まであと一歩足らなかったディグで、前に手を滑り込ませて取ったシーン。

「うをぉぉ!健太郎ー!!!」と興奮した。

今日の健太郎は、一味違う!と感じた。


ミドルのクイックは、手足の長い高身長の選手達にとって、とにかく速く打ち込まないといけないから、すごく打ちにくい体勢だなと思っていた。

けれど、この日の健太郎のクイックはめちゃめちゃノッていた。

セッターに打たされるというより、打ちに行くように見えた。

バチコーン!!!と相手コートに叩きのめすクイック。

気持ちええやつ!それよ、それ!


サーブも良かったのよぉ〜。

コートの中で躍動して、自信がみなぎっていた。

覚醒したな!吹っ切れたかな!


第3セット終盤は、他の選手から笑顔が見え、日本のお通夜ムードは払拭された感じ。

今回のMVPは高橋健太郎だと、私は思う。

ひとりひとりの技術が高いだけでは、チームはまとまらない。

皆をまとめる空気を作る、ムードメーカーの存在の大切さを改めて感じた試合だった。


惜しくも急逝した東レの藤井選手。

同じチームである高橋健太郎の活躍を、喜んでくれていたらいいな。


こっから強いチームと連戦が続く。

わくわくするプレーが観たい。

劣勢を撥ね退けるプレーが観たい。

そして五輪の切符取りに行こうぜ!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?