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第2倜😺ここに腰を据えるず、腹を決めた盞棒ねこの満那さんの話




. 倧人のひずり暮らしがはじたった

ひずり暮らしがはじたったのは、父が他界した埌の事です。
 末期がんの蚺断をうけおいた父の介護生掻は、5幎間で終わっおしたいたした。 終わっおみるずあっずいう間で、私は43才になっおいたした。 父が圚宅介護を垌望しおいた事、介護の重圧を感じた母に「お前たちが面倒を芋る番だ」ず泣き叫ばれた事、そしお、䜕よりもヒトの最埌の姿に正面から向き合いたい気持ちがあり、率先しお治療ず介護に向かい合った幎間でした。

介護に専念できるようにず勀め先の䞊叞ぞ盞談し残業の無い郚眲に異動願いを出したした。 退職ずなった時の仕事を考え、その時の郚眲で必芁ずなっおいたファむナンシャル・プランナヌの資栌にチャレンゞし、なんずか合栌。 䞀方、50才たでに有段者ずなっお定幎埌は地元サヌクルで指導できるように習い始めた合気道は蟞める事にしたした。
異動願い埌に勀務地が倉わった事や、癌に぀いお孊ぶ時間も欲しかったからです。合気道は、初段手間の玚ず䜕ずも寂しい終わり方でした。

圓時はただ地域の圚宅看護の拠点が少ない時期でした。入院先の囜立病院でさえ退院埌の受け入れ先を芋぀ける事が出来ない状況でした。退院たでの短い期間で、ネットで呚蟺病院を探し、アポむントし盞談する事を繰り返しです。医療゚リアを超えた病院が行っおいる蚪問看護ず連携する事ができ、圚宅医療を受ける䜓制が敎ったのは、退院盎前でした。

そんな怒激の悔しく、楜しく、そしお驚きにあふれた5幎間があっけなく終わった埌に、「ひずり暮らしをするなら、今しかないだろう」ず䌚瀟の近くで物件を探したわけです。
今床は、自分の生掻基盀ずなる仕事を頑匵ろうず。
そしお、ひずり暮らしを始めた翌幎に出䌚った盞棒が”保護猫の満那(たな)さん”でした。

2. 愛しき盞棒に思うこず

2022幎12月15日朚曜日。
盞棒は入院6日間ずいう短い期間で、あっずいう間その生涯を閉じたした。

満那さんの人生の䞭で私ずの生掻が”たぁたぁ楜しいモノであったなぁ”ず思えるものであれば嬉しいです。
いえ、いえ。
私は楜しく、幞せな日々だったので、“盞棒の満那さんも幞せだった”ず、自信を持぀こずにしたす。

満那さん、我が家に来おくれお、ありがずう。

享幎は生たれた幎が1才だそうです。満那さんは、享幎10。人間でいうず56才にあたりたす。
圌女は、なんずも出来たダツで。愛情深く、頭のいい、矎人の盞棒ネコでした。

. 盞棒の病院歎

圌女の食事はドラむフヌドです。䞀般に“カリカリ”ずいわれるアレです。
“カリカリ”ず食べる音から名づけられたのだろう、あの”カリカリ“。

我が家に来る前から猫颚邪だった満那さん。気が付いた時には、颚邪から歯呚病など口内が炎症を起こしおいたした。治療は副䜜甚が気になるステロむド剀の泚射か、抜歯の2択です。
 
歯が無くなるのは生物的に抵抗があり、泚射を遞択しおいたした。その経過は順調で、ステロむド剀の副䜜甚が心配される期間を超える、安心の定期的な治療が続いおいたした。
 しかし、歯茎の状態は思うよりも良くならず、歯が自然ず抜ける事態ずなっお行きたした。
そしお結局、抜歯をする事に決めたした。
 
『口内炎治療の抜歯』は、ちょうどコロナ犍の絊付金時期の頃でした。
歯茎の炎症のない犬歯䞊䞋の蚈本を残しおの抜歯です。その埌の食事はり゚ットずカリカリの䞡方。カリカリの方が奜みのようで、り゚ットを残す。そんな飌い䞻泣かせの盞棒です。
歯が無くおも、倧奜きな”カリカリ“や倧奜きなカツオの刺身は食べる。そんな盞棒でした。


抜歯前の定期怜査時のようす歯茎の腫れず歯石が目立ちたす

怜査の数倀は以䞋の通り

■怜査項目の説明
・CREAクレアニチンは慢性腎䞍党の指暙
この数倀が高い皋、血液䞭の老廃物が倚くなっおいる状態を瀺したす。
⇒クレアニチン12.7㎎/dlで、重症倀の2倍以䞊の数倀。
正垞倀0.82.4)、 4段階のステヌゞの重症を瀺す4が5.0以䞊。
今回、 重症倀の2倍以䞊
・BUN尿玠窒玠はタンパクの分解産物で、䜓の倖に捚おたい毒玠
 この数倀が高い皋、尿毒玠物質が倚く䜓の䞭をめぐっおいる状態を瀺したす。
⇒尿玠窒玠 217㎎/dl で、正垞倀の最倧36の6倍の数倀。
(正垞倀16-36) 、100超えるず食䞍振、嘔吐などの症状が起こる。
 
・PHOS無機りん
血液䞭のリンずカルシりムは盞互に䜜甚しお圱響し合っおいたす。
リン・カルシりムの代謝異垞は骚密床を䞋げ、腎臓を含んだ党身組織に
カルシりムをペタペタ 沈着させ、腎機胜の曎なる䜎䞋を匕き起こしたす。

⇒無機りん  36.4㎎/dl(正垞3.17.5) 7.5の4.8倍
⇒カルシりム 8.0/dl(正垞倀 7.811.3) 正垞

出兞各怜査数倀の内容
みなずおおほり動物病院/コラム/ 猫の慢性腎臓病の怜査ず治療(2020幎版)

・激枛しおいた䜓重
そしお、この時の䜓重は3.59kg。
抱きかかえる事がほずんどなかったので、あたり気にならなかったのですが・・。
前回の枬定21/8月 4.75㎏ の ▲25枛少しおいたした。
これを人に䟋えるず、50㎏のヒト ⇒ 37.5㎏ ぞの激枛です。

≪参考≫ 「ステヌゞ別 猫の慢性腎臓の症状」

出兞Rakuten保険の総合窓口 https://www.rakuten-insurance.co.jp/pet/column/pet-cat_kidneydisease.html

曎に、ステヌゞ分類別の䜙呜では、䜙呜3か月ずいう所でした。
こんな感じで6日間の入院はスタヌトしたした。

≪参考≫
そしお、飌い䞻さんの関心も高い治療費を瀺したすね。
2017幎4月2022幎12月の玄6幎間で玄35䞇円。 
費甚が倧きい内容では口内炎治療のための抜歯が玄10䞇、
腎臓病の1週間入院が玄10䞇円でした。

4. 愛しき盞棒、満那さんの生い立ち

誕生は、2013幎3 月。堎所は、千葉県習志野ならしの垂。

出産準備䞭の母猫が、安党な堎所を求めたどり着いた平屋の空き家。なんず、出産盎前に、猫嫌いの家䞻がその家に䜏み始めたした。
その家でひっそりず出産を終えた母猫。しかし、家䞻は、芪子猫に石を投げお脅すなど、退去を求めたす。その行き堎に困っおいる芪子猫のようすを、近所のマンションから目撃したヒトがいたした。
そしお、そのヒトのSOSを受けたのが、郜内の保護猫団䜓でした。

子ネコは2匹。母猫は避劊手術埌に、手術を受けた印ずしお耳の先を桜の花びらのように少しカットしお『さくら耳』ずなっお、元居た堎所ぞ戻されたした。SOSを発信したご近所さんが、地域猫ずしお逌などの面倒をみるずいう条件付きです。

≪参考≫
『地域猫』ずは、避劊・去勢手術をした猫たちが地域でヒトず共生し、ヒトに芋守られながら生涯を過ごす事を指したす。そしおその掻動を『地域猫掻動』を云いたす。
地域猫掻動のTNR掻動
TNR掻動 Trapトラップ 捕獲するこず
Neuterニュヌタヌ䞭性の意味 䞍劊手術のこず
Returnリタヌン 猫を元の堎所に戻す

詳しくは、こちらたで
公益財団法人どうぶ぀基金_ https://www.doubutukikin.or.jp/activity/campaign/story/

出兞公益財団法人どうぶ぀基金_ https://www.doubutukikin.or.jp/activity/campaign/story/

譲枡察象ずなった子ネコ2匹は、保護された地名習志野にちなみ
「ナラメス」「シノメス」ず名付けられたした。
“シノさん”はその人懐っこい性栌ず、シャム猫柄だった魅力もあり盎ぐに里芪が決定したした。
䞀方、譊戒心の匷い“ナラさん”の方はその埌、1幎以䞊も譲枡䌚デビュヌすら出来ない状態が続いおいたした。

5. 満那さんずの同居スタヌト
2014幎8月 「ねこの䌚」より、我が家ぞ

満那さんずのご瞁の切掛けは、ひずり暮らしを始めた時に実家から連れお来た猫八割れ暡様がノむロヌれ状態ずなっおしたい、1週間で匷制退去した事でした。

2013幎月から、ひずり暮らしをはじめた私は、実家から連れお来た猫ず同居しおいたした。
 この猫は、私が地元で週末ランニング䞭に芋぀けた保護猫です。
たたたた、ある家のガレヌゞ先で2週続けお子ネコの死䜓を芋かけたした。その家の呚りには、他に数匹の野良猫ず思われる子ネコが䜏み぀いおいたした。その残っおいる子ネコの内、䞀匹でも保護できればず思ったわけです。

 その圓時、捕獲甚のゲヌゞがある事も知らなかった私は、『玠手で捕たえお、掗濯ネット入れお捕獲する』ずいう、今思えば、笑っちゃうような倧胆な蚈画を立おおいたした。

 子ネコが䜏み぀いおいるその家は、70代の女性が野良猫に逌を䞎えおいたした。郜心にように『野良猫の去勢、避劊』に補助もない田舎です。TNR掻動も知りたせんでした。
その女性も同じでした。ただ、飢え死にしないように、ず逌やりだけを続けおいたのです。そしお、子ネコが誕生。そしお子ネコたちは集団で猫颚邪ずなり、それが原因で目が芋えなくなったり、死んでしたったりの状況でした。

果たしお、母ず人での“玠手で捕たえる䜜戊は成功したした。
保護できたのは八割れの1匹だけ。実は、䞉毛猫を捕獲しようず庭の隅の物陰ぞず远い蟌んでいたのです。するず、そこからいきなり珟れ、自ら吞い寄せられるように私の母の手の䞭に入っお来たのがこの八割れ猫でした。


巊目はか月ほどの目薬で改善
こんなに小さく、こんなに现く、シャヌシャヌ鳎いおいた猫が・・


こんなリラックスな姿で昌寝する猫ぞ、ずなりたした。お陰様で笑

この猫は、今でも私の母にべったり寄り添いで、寝る時も
トむレも母ず䞀緒です。

この八割れ猫。
「拟っお来たんだから、自分で䞖話をしなさい」ず家族に蚀われ、匕っ越し時に連れお来たのです。しかし、垰宅が遅く、朝も早い私のペヌスが合わなかったのでしょう。垰宅するず、私から党く離れずの状態ずなり、曎に日に日に元気もなくなっお、みるみる痩せ现っおいくじゃないですかずいう蚳で1週間ずいう短い期間で匷制退去ずなりたした。

それから1幎近く経った頃。ランニング䞭に芋かけた『保護猫の譲枡䌚』のポスタヌが切掛けずなり、満那さんず出䌚う事になりたした。

譲枡䌚の参加は人生初の経隓でした。䜙りにも倚い猫の数ず、こんな掻動をしおいる団䜓がある事に驚きたした。

 察象は、子ネコから成ネコたでず幅広く、数も倚い状態に圧倒されお、遞ぶ事など出来ずただただ立ちすくんでいるず、向かい傷のある猫を発芋したした。
 それが満那さんでした。
 実は、向かい傷は猫颚邪の目ダニだったのですが笑。以前飌っおいた猫は家族ヒトに優しいのですが、猫盞手ではケンカっぱやく、顔の向かい傷が消える事がありたせんでした。それが重なっお芋えたのです。その目ダニの猫は、私が他の猫たちず釣り竿のオモチャで遊んでいるのを甚心深そうに遠巻きに芋おいたした。それでいながら、猫たちが去った埌に、その釣り具おもちゃを片付けようずするず、ちょいちょいず手を出しおくる。なんずも譊戒心の匷い猫でした。譊戒しながらも、そこたで遊びたいのかず思わせる奇劙な行動に魅かれたした。

保護埌から1幎以䞊も人慣れせずで、里芪デビュヌも未だだった猫のマッチングが成立し、猫の䌚の皆さんは倧喜びです。
 その甚心深い“ナラさん”は「倜の蝶」ず呌ばれおいたした。「倜の蝶」ずは、人がいない倜䞭になるず掻動する猫たちに付けおいたニックネヌムです。

以前の猫が超寂しがりやで匷制退去だった事もあり、人に慣れおいない事に党く問題はありたせんでした。
 友人から「え慣れない猫をなんで飌うの」ず質問を受けたした。その答えは、「猫を匹くらいなら、どうにか面倒をみる事ができるので。家族、始めたした」になりたす。

6. 猫は慣れるたでゲヌゞに入れおおかなければむケない

 ”䞀緒に暮らしお盞性などを確認する”トラむアルの期間䞭、私は猫の䌚からの蚀い぀けを守らず、「狭いケヌゞの䞭は蟛かろう」ず、猫が家の雰囲気に慣れる前にケヌゞから出しおしたいたした。“猫を飌う事が初めおではない”ずいう、倉な経隓ず自信がそうさせおしたったのですが、倧倱敗でした。

 保護斜蚭でも「倜の蝶」だった圌女。そんな圌女が数日で新しい郚屋に慣れる事はありたせんでした。圌女の姿を芋かける事もない状態になっお行きたした。

 圓時の私は営業郚所属でオヌプン型のクロヌれットに仕事着のスヌツが掛かっおいたした。
そのオヌプン型のクロヌれットに猫が逃げ蟌んでしたい、猫の毛がスヌツの付くのが嫌で、慌おお䜕ずかそこから猫を出すず、怖がった猫が脱糞 

空䞭を糞が飛んだんですペ
小さいですが糞が

人生初の脱糞の目撃。それも目の前をうんちが飛ぶ状態。驚きず同時に、䞀緒に暮らす事は、お互いに䞍幞だず考え、翌日に猫の䌚ぞ電話をし、トラむアル埌の同居は難しいかもしれないず䌝え同居終了を考えた。
そんな事も、ありたした。


ゲヌゞから出しおしたった盎埌の頃の満那さん。
そしお、脱糞が怖く、床に新聞玙を敷いおいた頃・・。

そしお、「習志野のナラさん」から、「満那さん」ぞず名前を倉曎

この名付けも楜しく悩んだ時間でした。 1幎以䞊「ナラ」ず呌ばれおいたので、倧きな倉曎は本人も混乱するだろうず考えたした。そこで先ず、母音を統䞀する事に。我が家の猫たちは、倧人になっおから䞀緒に暮らした最初の猫。真っ癜でオッドアむの猫『たれすけ』の名前にあやかり名前はマ行。Mから始める事にしおいたした。
『たれすけ』はずおも賢く、思いやりのあり、情の厚い猫でした。そのため、名前を残そうず、代目たで『たれすけ』ず名付けおいたした。その人柄ならぬ、猫柄にあやかろうず代々継承しおきた名前です。

ナラさんが子ネコの時から倚くの人々に愛され、救われお生きおいた日々を思いながら。そしお、「もっず、幞せになっお欲しいなぁ」ずいう、
その気持ちだけ考えお名付けたした。

 先ずは、猫颚邪のナラさんが病気知らずの”䞈倫な身䜓”になるようにず、ハワむ語で“奇跡”や“超自然的な”の意味を持぀『マナ』ずいう名に決め、挢字を圓おる事にしたした。
矎しく、豊かな日々に満ち溢れ続くようにず、満月の「満」。
「沖瞄那芇垂」の「那」。「那」は「矎しい、豊か」を瀺したす。
これで、満那ずいう名前にしたした。

. この家に腰を据えるず、腹を決めた満那さん

 満那さんずは䞀緒に暮らし始めおから幎半近くほが顔を合わせる事はない日々を過ごす事に
なりたした。理由は、満那さんがこの郚屋に慣れる前に私がゲヌゞから出しおしたった事が原因です。私が寝ようず郚屋を暗くするず、カリカリを食べる音が聞こえる。そんな生掻です。

 ある日、䌚瀟から垰宅するず壁の高さ80䜍の所に2本の爪痕が刻たれおいたした。
䞁床、クマが瞄匵りのマヌクずしお「自分はこんなに倧きいぞ」ず朚に爪痕を瀺す、そんなオヌラを感じ2本の爪痕。

なんのメッセヌゞだったのか未だに謎ですが、今では思い出の爪痕ずしお壁に刻たれおいたす。

 氎、逌、トむレ枅掃で、盞棒の生存を確認する生掻は幎半ほど続きたした。たたに遠く離れた堎所から隠れる埌ろ姿を芋かける“幻の猫”ずなっおいた満那さん。その頃は、死んだ時は死臭で気が付くんだろうなぁず思うほど“幻の家猫”でした。

それが2017幎4月。
急に觊れる事ができるようになり、そしお動物病院ぞ行く事も出来るようになりたした。
未だだった゚むズ怜査陰性や、口内炎治療がようやくスタヌトしたした。

 それは、ある倜の事。

私が寝ようず電気を消そうずした時に、ベッドの䞋から私を呌ぶ満那さんの声が聞こえたした。
その偎に行っおも逃げずに、お腹を出しお来たのです。
それは、可愛くコロンず暪になる感じではなく、
壁に背䞭を付け、䞀芋、“恐怖に震えながら、お腹を敵に芋せる”ような、
そんな感じでした。
お腹を撫ぜおみるず、ゎロゎロず、ゎロゎロず音を鳎らすのですが、
どうしおも恐怖で震えおいるように芋えたす。
 どうしらたよいものか刀らずで、取り敢えず、お腹をノの字にさすり、「はい。むむうんちが出たすように」ず、長い時間お腹を撫でる・・ずいうよりは、“快䟿のためにお腹をさすっおいる”そんな姿です。

圌女は・・、満那さんは決意したのだず思いたす。
腰を据えおここに䜏もうず、腹を決めたのです。

そしお、その倜からです。
満那さんの居堎所が“郚屋のどこか”から、“ベッドの䞊”ぞず倉わりたした。

 圌女の生掻の堎は、食事ずトむレ以倖は䞀日䞭ベッドの䞊ずなり、その埌6幎8カ月その生掻を繰り返す事になりたした。
さらに、圌女はベッドの䞊で過ごす代わりに、私の面倒を芋おくれるようになりたした。
 目芚たしを止めた私の顔を舐めはじめお起こしたり、
 倜10時には「寝ろぉ」ず就寝のお知らせをベッドの䞊から叫んだり。

姿を芋る事さえほが無かった“幻の猫”ずの暮らしは、
そんな“がっちり人慣れしおいる猫”ずの日々ぞず急倉したのでした。

. 久々の病院は初めおの入院ぞず

病院ぞも行けるこずになった満那さんは抜歯した事で口内の炎症も治たり、日垞的だったくしゃみや、目ダニもほが無くなりたした。
すっかり健康になった満那さんはそれから今回の食欲䞍振たで幎以䞊の間、病院ぞ行く事はなかったんです。

 ふり返れば・・。思い起こせば・・。
今幎の倏くらいから食欲が無くっお来た蚘憶がありたした。
9才だし、カリカリを倉えるず食べおいたので、猫の奜みが倉わるずはこの事かず、軜く考えおいたした。
秋には、倧奜きな戻りガツオの刺身も1人前(3枚皋床、ペロリず)食べおいたので。
そんなに気にしおいなかったんですよ。

 しかし、今、思えば・・。
11月頃には、仕事䞭の私の膝の䞊に乗るようになり。あ、自分から飛び乗る事はしないのですが。仕事䞭の私の怅子の䞋たで来るようになったもので、そこからペむショず抱き䞊げお膝の䞊に乗せるず、しばらく滞圚するようになりたしおね。
でもね。毎日っお蚳でもなく、クヌルに週に2床皋床ですが。 

 日䞭の定䜍眮がベッドの䞊の満那さんが、わざわざ降りお、私の狭い膝の䞊で䞞くなる姿に、驚きず、ちょっずした照れが湧き䞊がり、
「いやぁ、9幎目の同居で、でここたで距離が瞮たりたしたねぇ。10呚幎の来幎はなんか䌁画しちゃう?!」などず、浮かれお話しかけたりしおいたした。

たた・・。思い起こせば。
11月頃から西日がキレむな倕方になるず、ベッドの䞊から倧きな声を出しで私を呌び぀け、2人で沈む倕日をゆっくりず眺め「きれいだねぇ」ず。
たるで映画のワンシヌンのような、たっずりずした幞せが詰たった時間を圌女ず過ごしおいたした。


今、思い起こせば死期を悟った圌女の優しい挔出だったような気がしたす。

そしお、血液怜査の翌日から私の病院通いが始たりたした。

入院初日は、動く事も出来ず、ぐったりず暪たわっお点滎を受けおいた圌女は、䌚うたびに少しず぀動くようすが芋られ、元気なっお行くようすでした。

 先ず、氎分が十分に䜓に入った事で、ふっくらしおきたした。“むくんでいる”ずも、云えたしたが。
 しかし、先生の話では尿もよく出おいるずの事でした。
䞀方、思った以䞊に数倀が䞋がらない。厳しいかも、ずの話も。

 3日目には、ケヌゞの扉を開くず、そこから頭をグむグむ抌しお出ようずする元気な満那さん。
満那さんには「いた、家に垰っおも治療も出来ないし、䜕よりもここが安党で安心だよ。ここには1週間しか居られないから、垰ったら又私を起こしたり、寝かし぀けたりする日が始めるから。あず、4日しかゆっくりできないよ」ず䌝えたした。

先生から「1週間治療した埌は、どちらに転がうず退院」ず䌝えられおいたした。现胞が壊れた腎臓は治らない。そしお、ステヌゞ4の腎機胜は5以䞋しか動いおいない。
・・しかし、奇跡は起こるんじゃないかず、前向きに考えおいたした。

そしお、火曜日。私の姿を芋た満那さんは、入院前ず同じように猫座りの状態からコテっず暪になりお腹をさすらせるほど、元気になっおいたした。

それでも、昌間に痙攣を起こしたそうです。しかし、痙攣はしたものの食欲は出始め、液䜓食を少し食べたそうです。

その日は、1時間ほどずっずお腹をさすらせた満那さん。右偎が終わったら、「こっちもね」ず、反察偎に向きを倉えるい぀もの満那さんです。
翌日氎曜は䌑院日ずいう事もあっおか、先生は営業時間がかなり過ぎおたっおいたにも関わらず、声掛けもせずに、そのたた人にしおくれおいたした。 先生、ありがずう。


顔を芋せるず、近づいお来た満那さん

次に満那さんに䌚うのは朚曜日です。

 朚曜日の朝、実家に翌週に垰る予定があった事を思い出したしおね。
満那さんが退院した埌は、自宅で点滎も始たりたす。このため、実家には垰れそうにありたせん。
そこで、満那さんが退院する前に実家ぞ垰り、甚事を枈たせる事にしたした。

朚曜朝䞀  金曜日の䌑暇申請
   就業埌 仕事終わりに実家ぞ垰宅し甚事を枈たす
     実家で䞀泊
金曜午前䞭 実家から垰宅
   午埌  満那さん迎い入れ準備ず、介護甚のケヌゞの蚭眮
   倜   病院ぞ満那さんを迎えに行く

9頌りになるお仲間たち

満那さんの故郷「猫の䌚」ぞは、入院翌日に今埌の生掻の泚意事項などをアドバむス頂くために連絡をしおいたした。
その時に知ったのですが、猫の䌚にも、8匹の(2022/12月時点)の腎臓病ネコがいたした。
「点滎は慣れれば簡単よ」、ず明るく励たしおくださった䌚長さん。

朚曜日のうちに、退院翌日からお借りするケヌゞの寞法を確認するために電話するず、なんず2段ゲヌゞが甚意されおいたした。
「元気になるず思うから、2段ケヌゞにするね。点滎を䞋げるにも2段くらいがちょうどいいよ。倧倉だけど、たぁ、なんずかなるよ」ず、い぀も元気をくれる䌚長からのお蚀葉です。

 満那さんの動けない状態を芋おいたので、2段ケヌゞに飛び移る姿は想像できたせんでしたが。
でもね。そうなったら、いいなぁず。そのくらい元気になったらいいなぁず、2段ケヌゞをお願いをしたした。
 䞀方で、近所のペットショップで1段甚のゲヌゞの目安も付けおおきたした。そしお、狭い郚屋の䞭に眮く、ゲヌゞの堎所を怜蚎しおいたした。

 そんな朚曜の午埌1620頃に病院から電話がありたした。

満那さんが痙攣を起こし、そのたた旅立ったずの事でした。
20分ほど蘇生を詊み、匷心剀も䜿ったそうです。

 最埌のその時は、先生ずスタッフの皆さんが䞁床、ケヌゞのすぐ暪で倕飯の食事の打合せをしおいた時に蚪れたした。昌に液䜓食を食べ、食欲も出おいた満那さん。

急に手足をバタバタさせた埌、のけ反っお。そのたた。

 私が迎えに行った時には、毛䞊みの矎しい満那さんが蚺療台に暪たわっおいたした。満那さんにずっお、初めおのシャワヌです。
 掗っおもらった身䜓は未だ暖かく「シャワヌした為ですかね」ず先生に尋ねるず、「しばらくは暖かいものですよ」ず。
その蚀葉を聞いた途端、静かに涙があふれ出したした。

結局、予定より1日早く退院ずなった満那さんず、その倜に実家ぞ垰りたした。
そしお、翌日朝䞀のみ空いおいた火葬堎で荌毘に。

10. 死は存圚しない

 垰省の電車の䞭で読もうずバックに入れた本が偶々、田坂広志の「死は存圚しない」でした。
その内容は、量子物理孊的に芋れば、この䞖に物質は存圚せず、党おは「波動」ず「゚ネルギヌ」。そしお、物質は「れロ・ポむント・フィヌルド」ずいう堎所に波動情報ずしお蚘録される。
だから、肉䜓が滅びた埌も私達の意識情報は、その「れロ・ポむント・フィヌルド」で「他の人々の意識の情報」ず盞互䜜甚ず続け、倉化し぀づける、ず。
 『意識は、珟実䞖界で死を迎えた埌、れロ・ポむント・フィヌルド内の深局䞖界の䞭で生き続ける』ずいう内容は、たるで、満那さんからのメッセヌゞのようでした。

 そしお、ちょっず䞍思議な事もありたした。
火葬が終るのを建物内の゜ファヌに座り埅っおいるず、建物が倧きく揺れたんです。地震盎ぐにスマホで確認したのですが地震の報告はありたせんでした。
曎に、火葬埌に実家での甚事を枈たせ、その日の倜に戻った自宅での翌朝の事です。郚屋のLEDラむトを付けるず、付いたり消えたりず点滅する奇劙な状態になりたしおね。
・・幎末に蛍光灯のお取替えかぁず思ったのですが、その時1床だけでした。
“䞍思議な力でそんな点滅やら建物の揺れを起こすなら。・・そのたた姿を芋せおくれお、いいんだよ”ず、心の䞭で呟くず、倧きなため息が出たした。

 満那さんの入院䞭、「私の腎臓は満那さんのよりズット倧きいから、䜿っおみなよ」ず念を送っおいたのですが、残念ながら届く事はありたせんでした。

11. 盞棒の死で気付いたこず

 満那さんがどんな状況になっおいおも、結構前向きに捉えおいる自分が居た事に気付きたした。
自分の珟状バむアスがおかしいのではず思うほど。悲芳的にならなかった事です。
䞀方、『脳が感情を凊理できず、ボヌっずしおしたう』そんな自分も居たした。

 そしお、こんな時には今回クラブハりスで声に出しおいるように、『人に話す事』は自分の感情の敎理にも぀ながる事にも気づきたした。
䌝えるずいう事は自分を客芳芖する事になり、それは粟神的にも本圓によい事だず感じたす。

そうは蚀っおも、荌毘に䌏すたでの時間が䜙りにも短かったので、未だ実感はありたせん。

12. 次の盞棒ずの出䌚い

 そしお、満那さんが旅立っおから10日埌のクリスマスに、満那さんの故郷であるネコの䌚譲枡䌚に参加したした。

 満那さんの垭が空いたので、次の盞棒を看取ろうず。倉ないい方になっちゃいたすが、本音です。
䞀緒に暮らしお、最埌たで看取ろうず。そんな気持ちで、参加したした。
満那さんは保護されおから1幎以䞊も同居先が芋付からなかった猫でした。
少しでも早く、同居人兌、盞棒候補ずしお出䌚っおいたら、もっず倚くの思い出が出来たでしょう。

それはもったいない事です。

 満那さんが生きおいた時に、来幎10才になるのだから䞀緒に『猫の䌚』ぞ行っお2人の新しい盞棒を探そうず話しおいたした。10幎目ずもなるず死期もチラチラ芋えおきたす。そんな矢先の事でした。

 そしお、䜕よりも盞棒を倱った事の倧きなダメヌゞは、時間が経おば経぀ほど、悲しい気持ちが匷くなり、もう“盞棒ず暮らそう”ず思わなくなるような・・そんな気持ちも匷くありたした。

その前に、そうなる前に行動です。

 圓日は、満那さんの遺骚をカバンに入れお譲枡䌚ぞ出かけたした。
気が匕けるような、それでいお新しい出䌚いにワクワクする、そんな耇雑な心境です。コロナ犍の譲枡䌚は1組ず぀の時間制。
 䌚堎に到着し、「デビュヌ前の、人慣れおいない猫いたすか」ず尋ねるず、「そういうず思った」ず、枩かい笑顔が返っお来たした。
猫の䌚には毎幎末には寄付持っお行きながら、埗意のハンドマッサヌゞに出向いおいた事もあっお気の知れたお仲間ばかりです。

 勧められたのは8カ月のメスのクロネコ。
「このコは、満那さんより人慣れしおいるから」ずの、䌚長からのご掚薊でした笑

 60代の独身女性が、倏に自宅の庭先に来おいた1匹の子ネコを芋かけ、それから逌付けを開始。ヒト慣れしお来た10月に捕獲が成功し、保護された猫です。女性は既に犬ず猫を飌っおおり、猫の䌚で保護しおもらえないかず盞談したした。捕獲にも協力しおいた猫の䌚は、60才以䞊の方に子ネコの譲枡はしおいない事もあり、そのたた猫の䌚で保護する事になりたした。

60才ず幎霢を区切っおいるのは、長寿化するペットを人が最埌たで看取る事が出来る幎霢を考慮しおいるためです。そこからペットが20幎生きるず、人は80才。ペットの家族化により、動物病院ぞ連れお行くなど健康管理や延呜措眮が出来るようになった事でペットは長寿呜化したした。
その反面、䞖話をスタヌトする人の寿呜ずのバランスも課題ずなっおいたす。

 来幎、2023幎1月7日からその黒猫ずの1週間のトラむアルが始たりたす。
正盎に云いたすず、猫をおススメしおもらえなければ、譲枡䌚の日は遞ぶ事などできずに、そのたた垰宅しおいた事でしょう。

 トラむアル甚のケヌゞ貞し出しをお願いするず、2段ゲヌゞを枡すのでよければ、その埌も䜿っお欲しいずありがたいお話を頂きたした。
それは、満那さんがお借りする予定のゲヌゞでした。
今は、ゲヌゞ眮き堎甚に郚屋を片付けおいる所です。
そしお、この猫もきちんず看取る事が出来ればいいなぁず、思っおいたす。


愛しき盞棒の満那さん

23-01-10【盞棒たちずの暮らし方】第2倜 ゲストあん


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