aibamoritaka

劇作家。岩手出身。片麻痺有

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最近の記事

「知る」から始まる障害理解

引っかかりを感じていることがある。 私は2016年に脳出血を発症し、現在は歩行の補助に装具を使っているが、その装具のメンテナンスのために先日、川崎市にあるリハビリ施設に出向いたところ、1枚のポスターが貼られていた。 「病気や事故のあとこのような症状でお困りではないですか?」から始まり「疲れやすい」「怒りやすくなる」「集中力が切れやすい」「作業中に忘れやすくなる」など高次脳機能障害者の特徴が挙げられているものだった。  高次脳機能障害がある当事者は、自身が高次脳機能障害者だと気

    • 高校野球監督も男女平等に

      高校野球で、疑問に思うことがある。 それは、野球部の監督に女性が、なぜこんなに少ないのかということである。 監督は練習以外に、試合中にサインを出したり選手を入れ替えたりするのが主な役割だ。 女性が野球部の監督になっても全く問題ないはずなのに、男性ばかりが監督となっている。もし、「女性は体力面で力が弱いから」といった意見があるとすれば、代わりの者にノックを頼めばいい。「野球部の監督は男性の方が…」といった意見は偏見だと思う。こうした現状を見ると、社会は未だに男性優位であり、

      • 脳になにかがあったとき2024年4月号

        4月号のメルマガ配信されました。 相馬杜宇(あいばもりたか) ブックレビュー「脳になにかがあったとき 2024年4月号」 4月号は、失語症を抱える山口真一さん、江川正治さんのお二人の当事者が登場します。 可能性はゼロに近いと医師に言われた山口真一さん ・山口さんが書かれた記事は再生ストーリーのようで、ゾクゾクしながら拝読しました。リハビリ病院に転院し、「好きだったスポーツライターがやりたい!」と決意し、医師の勧める職業訓練を断り、ライターへと歩みだす―。 ドラマのようでし

        • 脳になにかがあったとき2024年3月号

          私のメルマガ配信されました。 ちなみにこちらの冊子はお申し込み頂けます 相馬杜宇(あいばもりたか) ブックレビュー「脳になにかがあったとき 2024年3月号」 3月号は、高次脳機障害を抱える入村のり枝さん、MIHOKOさんのお二人の当事者と、それぞれの家族が登場します。 記憶障害が残った入村のり枝さん ・私は高次脳の当事者グループに参加していますが、記憶障害がある人が多い印象でした。私も覚えづらい名前が時々あるので、記録に残したりブックマークに保存したりしています。こ

        「知る」から始まる障害理解

          岩手日報論壇掲載

          岩手日報論壇掲載

          お一人ですか

          お一人ですか 相馬杜宇(あいばもりたか) 【登場人物】 駅員1 中年駅員 駅員2 若手駅員 私   左の片麻痺の人 ※劇中に登場する人物(駅員1・2)に関して性別は問わない。 ある駅の改札。 改札機が3つあり、そのうちの1つは幅が広い。 下手付近には窓口。「窓口」という言葉のように、窓に囲まれた中に駅員1がいる。あたかも余計なものを覆い隠すように。窓口の奥にはパソコンとボックスティッシュが置かれており、その横にホームに通じるドアがある。 「間もなく電車が到着いたします」

          お一人ですか

          メンタル不調とホームレス支援

          私の会社がほぼ全社員精神障がい者を目指した企業を特例子会社で立ち上げるとコーポレートサイトで見かけた。その話をoutbackアクターズスクールの打ち上げですると、「そんなの建前でしょ」といった冷ややかな反応が返ってきた。数年間待機労働に甘んじてきた私は、確かにな、でもこの信じてない感じ、どこか似てるなと考えたら、ホームレスだった。私が「ホームレスの話を取材したい」と様々な場所やイベントに足を運んだ時、取材する事を告げると、「どうせ好き勝手書くんでしょ?あなたに何が分かるの(分

          メンタル不調とホームレス支援

          「在り処」公開されました

          劇作家協会新人戯曲賞の最終候補になった「在り処」が戯曲デジタルアーカイブで公開されました。こちらの戯曲は無料で読めます。よろしければ

          「在り処」公開されました

          【芸術祭】【優秀賞受賞作】賢治嫌い

          賢治嫌い 【登場人物】 男 友 ある首相 アナウンサー 本作品は男と友の物語を想定している。演出により男の一人芝居、あるいは男と友の二人芝居もあり得る。また一人芝居、二人芝居、いずれの場合も友とのラインのやり取りはプロジェクターを映写するなど分かりやすさに配慮することを期待したい。 舞台セットは観客の想像力を喚起するよう簡素なものでかまわず、作り込む必要はない。 ―1― 2019年12月。 撮影所。 男、チンピラに扮し、脅迫している。 男 ああ!? ざけんじゃねえぞ、

          【芸術祭】【優秀賞受賞作】賢治嫌い

          鉄道の障がい者割引仕組みを見直してください!

          今年の3月、私が障がい者用PASMOを駅の窓口で申請した際、駅員の対応は大変酷いものでした。障がい者ではあるけれども電車は一人で利用している旨を告げると、私の持っている通常用のPASMOを指で差し、「(障がい者用としては)使えませんよ」「本人と介助者のPASMOの使用履歴が揃ってないと無効になります」などととても高飛車な対応をされました。オンライン署名の賛同者からのコメントの中にも「理由もわからないルールをお客さんに説明しなければならない現場の職員にとっても、この制度は大変だ

          鉄道の障がい者割引仕組みを見直してください!

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          劇作家協会ト書き

          劇作家協会ト書き

          東京新聞掲載時

          東京新聞掲載時

          さらに面白い作品にするために

          さらに面白い作品にするために 相馬杜宇(あいばもりたか) □台本(戯曲)とは 演劇の台本のことを正しくは戯曲(ぎきょく)と言います。戯曲は必ずアクションとリアクションの連続で出来ています。アクション(リアクション)というのは行動と発言(台詞)です。ある人のアクションが誰かのリアクションを生み、そのリアクションを受けて誰かがアクションを起こし……といったように、常に誰かが「他の登場人物に影響を与えるような」アクションを起こしています。「他の登場人物に影響を与えるような」と

          さらに面白い作品にするために