見出し画像

【短編小説】望月のころ あとがきのようなもの+おしゃべり

 このたびは短編小説『望月のころ』をお読みいただき、まことにありがとうございます<m(_ _)m>

 こちらの作品は、2008年に書いたものを大幅に加筆修正したものです。

 わりとお気に入りの作品で、当時通っていた文章サークルの同人誌にも掲載しました。


 さてさて、今月はわたし、ある件で忙殺されておりました。

 実はかつて通っていた文章サークルの講師が、2年前の2022年にお亡くなりになってしまったのです。享年八十六歳でした。

 先生のお母さまは百歳まで生きておられて、

「うちは長生き家系なんだよ~! みんなのお墓参りに行ってあげるからね(笑)」

 なんて冗談のようにおっしゃっていたので、アホなわたしは本気で、まだまだ先生と過ごす時間はたっぷりあるものと思い込んでしまっておりました。

 なぜもっと早くがむしゃらに努力して結果を出し、先生を喜ばせられなかったのか。

 悔やまれるばかりです。

 せめてもの救いは、先生がお元気な時に『千葉文学賞』を受賞できたことでした。誇らしげに微笑んで下さった恩師の顔を思い出します。


 そして、先生を亡くした悲しみとは別に、現実問題がひとつ残りました。

 サークルで同人誌を作るために、積み立てていたお金が残ってしまったのです。

 普通、お金というのはなくて困るものですが、あって困るお金というのも存在するのですね(*´Д`)

 メンバーに返せばいいじゃないか。ええ、そうなんです。

 でもね、実はサークルは既に何年か前から活動休止状態でして。メンバーは四散し、かくいうわたし自身もサークルが休止してしまう前に辞めてしまっていた状態なのです。

 ちなみに辞めたのは、嫌になって辞めたわけではなく、個人的な事情があったもので、先生やメンバーとは連絡を取り合う仲でした。

 そんなわけで、四散したメンバーの中には連絡が取れなくなっている人や、亡くなった人もいました。

 連絡が取れる人たちで山分けしようにも、在籍期間がバラバラすぎるし、その資料も残っていないのです。

 適当に分けちゃって、あとから、「お金が残ってるって聞いたんですけど?」って名乗り出る人がいたらホントに困るし。

 ていうかね、山分けするには手に余る金額だったんですよ。みんなでご飯食べちゃおう、では使いきれない。

 お金を預かっている会計の人と共に、頭を抱えておりました。

 ちなみにわたしの立場は、創設メンバーであり、ほんの一時期ですが会長を務めたこと、それと、なによりメンバー内で最年少であり、機動力があることでみなさまから頼りにされておりました。



 そこでわたしが考えたこと。


 もともと同人誌を作るためのお金なのだから、このお金で恩師を追悼する最後の同人誌を作ろう!(=゚ω゚)ノ


 わたしの頭で考えられるベストな選択のつもりでした。
 ・・・つもり? いやいや、間違いなくベストな選択ですよっ!

 ふう、冒頭の同人誌の話とうまいことつながったぞ。どうでもいいけど。


 そんなわけで、既に四散していたメンバーたちに連絡を取り、残金で同人誌を使うことに賛同いただけました。

 そして原稿を募集。恩師への追悼文と、それぞれの作品です。

 既に執筆から離れてしまったメンバーや、年を取って思うように筆が進まないメンバーもおりましたが、メールの使えないご高齢の方にはお電話したり、直接お会いしに行ったりしました。

 恩師は県内にいくつものサークルを持っておりまして、腕のある弟子がたくさんいたんですね。
 せっかくなので、その方たちにもお寄せいただくことにしました。

 そんなわけで、及ばずながら最も若輩のわたしがたった一人で編集作業。

 パソコンが使えないメンバーの原稿は、タイピングしてさしあげて、もちろんメールも使えないので封書で送って確認してもらったり。

 それとは別に、細かい話をすると長くなっちゃうので割愛しますが、文章書きは『クセつよ』な人が多いものですから、すごく面倒な人とトラブルになったことも(何度か)ありました(涙)

 天国の先生に喜んでもらうこと。そして、先生の名を汚さない同人誌を作ること。

 この、二番目の目的があるからこそ、どんな『クセつよ』モンスターになにを言われても、心は折れませんでした(。-`ω-)

 そんなわけで、色々あった1年と10箇月でしたが、やっと先日の月曜日に、同人誌が完成いたしました~!!ヾ(≧▽≦)ノ

 編集のみならず、構成、デザイン、印刷会社さんとの打ち合わせ、データ提出、ゲラ確認、会計、発送、ほとんど一人でやり遂げました。

 わたしにとっての先生への哀悼でした。

 天国の恩師は喜んでくれるかな。
 きっと喜んでくれるはず。ていうか、奔走しているわたしを、目を細めて見守ってくれていたはず。
 
 頑張ったのは、先生がご存命の間にもっと頑張らなかった自分の贖罪と、それから、先生が亡くなったことを悲しむ気持ちから目を逸らそうとする目的もあったのだと思います。

 だから今、同人誌に参加してくださったメンバーからたくさん感謝していただいている状態ですが(『クセつよ』以外)、わたしとしては、ただやりたいことをやっただけなのでした。

 まったく話が横道に逸れまくりましたが、あらためまして『望月のころ』をお読みいただき、本当にありがとうございます!('◇')ゞ

 表紙の絵はみんなのフォトギャラリーから使わせていただきました。ゆうねさんの『桜に憑かれた夜』です。素敵なお写真です( *´艸`) ありがとうございました。

 第1話を投稿したのは桜が咲く前でしたが、今日なんてもう初夏のような暑さでした。時間が過ぎるのは早いです。

 そしてそして、創作大賞2024が始まってしまっているじゃないですか! 去年から1年! これまた早い!(◎_◎;)

 というわけで、次回からは創作大賞にエントリーする作品を投稿していきたいと思います。

 今回こそ受賞だ~! と、気合いを入れて頑張ります。(今年は有言実行の作戦です)

 もしお読みいただけたら幸いでございます(*^-^*)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?