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3夜連続note:02 【ビジネスのこれから】

こんばんは。(の予定でした)
arcaの辻です。

まず、昨日のnoteを読んでくださったみなさま、
そして愛あるエールを送ってくださったみなさま、
本当にありがとうございます。

普段「辻愛沙子」というと、常につよつよでエネルギッシュで迷わず突き進む『メラメラギャル』的なイメージを持っていただく事が多かったりするのですが、当然不安になったり迷ったり、時にはぴーぴー泣いたり孤独感を感じたり、自己嫌悪や無力感に苛まれてダウナーになったり、、、
ごくごく当たり前にそんな日常を送っていたりする訳で、皆さんのこういった力強いエールを目にすると "一人じゃないんだ"と心の底から励まされ、どこまでも進んでいけるような、そんな力を貰えるなと思うのです。

みんな往々にしてそれぞれ地獄を抱えてて、それでも他の誰かを知らず知らずのうちにエンパワメントしたり癒したりしてるんだよなぁ。(白日)
と、改めて思ったりなどしました。

温かい言葉の数々、本当にありがとうございます。

ビジネスは今、大きな転換期を迎えている。

まだまだひよっ子経営者の若輩者が何を言っておるのかと、
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし2021年を迎えた今、時代の大きな変化の兆しを確信の如く感じ始めています。まるで大きな大きな分岐点の帰路に立たされているかのように、目の前に全く新しいビジネスの道が、未来が、こちらを覗き、私たちを待っている。

2本目の今日は、今の私が考える"これからのビジネス" "資本主義の未来"について、熱量の全てを注いで綴っていこうと思います。

『ルネッサンス of ビジネス』


ルネッサンスについて


突然ですが「ルネッサンス」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
歴史の教科書に書いてあった記憶が...!
芸人さんがワイン片手に口にしていたネタ...?
という認識がもしかすると一般的かもしれません。

ここで、具体的な意味を見てみましょう。

ルネサンス Renaissance とは
フランス語。直訳すれば(再生)の意。より原語に近い言いかたではルネサンス。14-15世紀にイタリアを中心に大きな文化運動が起こり、それが古代ギリシャ・ローマの文献の再発見による学問や知識の復興であり、またヨーロッパにおける文化の再生でもあると考えられている。

https://www.weblio.jp/content/%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%B9 (引用元:デジタル大辞泉)
ルネサンスの意義
ルネサンスの意義はさまざまな論議があるが、従来の一般的な見方は、ゲルマン民族という蛮族の侵入と、それによってもたらされた封建社会、そして神を絶対視し人間を罪深いものとするローマ教皇の思想が支配している中世を「暗黒の時代」と見て、その暗黒から人間を解放しようと言う運動がルネサンスである、というものであろう。そのような観点からすれば、ルネサンスの意義は、封建社会と神中心の世界観の束縛から、人間性の自由・解放を求め、ヒューマニズム個性を尊重という近代社会の原理を生み出したこと、と言うことができる。

https://www.y-history.net/appendix/wh0902-001.html(引用元:世界史の窓)


~14世紀のヨーロッパは「教会」が絶対的な力を持ち"権威"として君臨していました。社会全体がキリスト教の思想のもと成り立ち、価値観が画一化され多様性が失われていった暗黒時代と呼ばれる時代です。

今でこそ"ダイバーシティ"という言葉も頻繁に耳にするようになりましたが、それでもなお上場企業の役員には近しい年齢の男性ばかりが並び(現在上場企業の女性役員比率はたったの5%)、現内閣に女性はたった二人。
多様性は、必要性があるから重要視するのではなく"タスク"や"義務"として認識され、それゆえに重い重い腰をゆっくりと上げながらやっとこさ取り組もうとしている、そんな2021年現在。

しかし不思議なもので、多様性が失われた時代はいつの世も総じて人々の"生きづらさ"を生み、文化的発展が徐々に停滞し、やがて衰退していくという事を、人類の歴史が証明しています。
暗黒時代と呼ばれた当時のヨーロッパはまさにその典型例でした。

そんな時代において革新的な分岐点となったのがルネッサンス。
多様性を失いつつあった社会に疑問を呈し "人間性"  "創造性"  "多様性" を取り戻す為に生まれたその活動が、多くの思想、文学、美術、建築を生み、今の近代社会の基盤を作り上げたと言われています。

レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロといった言わずと知れた偉大な芸術家や、最近耳馴染みのある「煉獄」(煉獄:現世から天国の間にある清めの場所、そして私の推し🔥)「天国」「地獄」を舞台とした神曲という有名な物語を書いたダンテという哲学者など、現代にも語り継がれる多くの文化はここから生まれました。

画一的な社会に対して投げかけられた、文化や豊かさのカウンターパンチ。
そして結果としてもたらされた豊かで人間的な社会。
・・・ルネッサンス、すげー。

何のためのビジネスなのか


さて、話を現代に戻しましょう。
一体なぜこんな堅苦しい歴史の話をし始めたのかと言いますと、数多の経済危機を乗り越えてもなお変わらず猛進し続ける資本主義や現代のビジネスのあり方が、人間性を軽視した14~16世紀ごろのヨーロッパと重なって見えるからなのです。

ビジネスとは本来、他者の不便や欲求や課題を解決し、その対価として利益を得るもの。

遠くに住んでいる二人が、限られた人生の中で1度でも多く少しでも早く会いたい。それを叶える為に交通という解決策が生まれ、新幹線や車というビジネスが生まれた。

流れている水を掌ですくうのでは、今この瞬間しか喉を潤せない。それを解決する為にコップというアイディアが生まれ、さらには持ち運べるようにとペットボトルが生まれ、食器や飲料というビジネスが生まれた。

あえて非常に原始的で情緒的な例えを出しましたが、どんなにモダンなプロダクトだろうとサービスだろうと、そのビジネスの根幹にあるのは人間であり、その人間の根底にあるのは感情や情緒といった数値化しづらい不便欲求課題なのだと思うのです。

だとするならば、今の日本のビジネスはどうだろうか。

90年代以降、バブル崩壊を経て自信を失った日本経済は、グローバル化と共に短期利益重視効率化至上主義ROE経営へと舵を切った。
企業哲学として中長期的に企業のアイデンティティとなり柱となるパーパスやビジョン、個性は、短期利益/効率化ドリブンなROE経営では時にコストとなりえます。

ROEとは
ROE(自己資本利益率)は、企業が自己資本をいかに効率的に運用して利益を生み出したかを表す指標です。株主の立場から見ると、自己資本利益率が高い会社は「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」であると見ることができます。逆に、自己資本利益率が低い会社は「経営効率の悪い会社」である判断され、投資家からのお金も集まりにくくなります。
https://freeway-keiri.com/blog/view/202 (引用:フリーウェイ経理)


そういった経済活動の元では、社会貢献はあくまで経済合理性を欠いたサスティナブルでない慈善活動になってしまう。それが企業のCSR活動の一番の課題なのではないかと思います。(それでも、やらないよりやる方が勿論何億倍も良いのですが。) 先述したダイバーシティに関しての姿勢も同じことです。

>多様性は、必要性があるから重要視するのではなく"タスク"や"義務"として認識され、それゆえに重い重い腰をゆっくりと上げながらやっとこさ取り組もうとしている、そんな2021年現在。


もちろん経済活動である以上、利益を出さねばビジネスとして成立しない。現在の資本主義や株主を重要視する経営方針も無論否定しないし、最大限ロスを減らし、時に効率化を目指していく事の重要性も、小さなベンチャーを経営する者として直近の短期的利益の必要性だって未熟ながら痛感している。

しかし、合理性や効率化や短期的な利益の追求は、目に見える数値として誰にでも分かる形で見える化しやすい為、それがたった1つの正解であると盲信しやすく、そして暴走しやすいものだと思うのです。

各々が合理性のもと自社だけの短期的利益を追い求め続けた結果、どこまでも便利で安価で手軽な世の中になった一方で、主体的に変化を起こしていけぬまま経営体制にダイバーシティが欠落し、大量生産大量消費の渦に飲まれ環境を破壊し続け地域格差や社会的分断を次々に生んできた。

横の会社が周りを構わず我先にと走っているのだからウチも遅れを取るわけにはいかないと、"一旦踏み留まり別のサスティナブルなルートを探す" という中長期的視点での選択を拒み、短期利益の追求のために社会全体が暴走し続けた。その結果、わたしたちは果たして人間としての豊かさを手に入れることができたのでしょうか。
ここまで便利になり尽くした社会で、心の豊かさや文化的豊かさはわたしたちの社会に広がっているのでしょうか。

ビジネスにおいて、数字や合理性はあくまで手段やツールであって、目的であってはいけない。あらゆるビジネスは、誰かの不便や欲求や課題の解決のために存在しているはずだから。そのビジネスが、一体誰のために、何のために存在しているのか。それを見失った物質主義/合理性至上主義のビジネスは、私の目には暗黒時代と同じ "人間的豊かさの破壊"に繋がる行為 に見えてしまうのです。
たとえいくら資金調達をして、どれだけ株価がついて、どれだけ話題になろうとも。

イノベーションはどこから生まれる?


(...ハッ!すみません!なんだかアツくなってしまいました! )
(でも良いところなので続けます、、、!もうちょっとだけお付き合いください...><)

更に行き過ぎた合理性や効率化の先に待っているのは、多様性のない均一化した社会。
ヨーロッパの暗黒時代と同じ、多様性の無い社会です。

クリエイティブで例えると非常に分かりやすいかもしれません。
我々クリエイターが作るデザインや企画やアイディアは、人間の頭と手によって生み出される所謂オーダーメイド。ファッションでいうオートクチュールのようなものです。非常に属人的であり、作り手の発想や技術によって大きくアウトプットの形が変わる、多様性の世界です。

一方で、デジタル化されABテストを経て合理的データをもとに完成した作品はどうでしょう。一見、ABテストによって人間の意思が介在しているために多様性が担保されていると思うかもしれません。しかし人間というのは心理学的に、2つのものを提示されてどちらが良いか選べと言われると、無意識のうちに "見た事のある" 慣れ親しんだ表現を好む傾向にあるんだそうです。いわゆる"らしさ"というもの。iPhoneのホームボタンがなくなった時、一瞬何これ?と思った記憶があります。使えばすぐにそちらに適応して、なんならボタン1つのために画面を小さくする事の方が今では居心地が悪いような気すらしているというのに。
・・・といったように、物の本質的な良し悪しとは別に、その時思い描く"その物らしさ"に、人は無意識のうちに囚われてしまう。そしてステレオタイプは、こういった"らしさ"の集積によってより強固なものになっていくのだと思うのです。

だからこそ、合理性を突き詰めた先に生まれるものは、たとえ便利であっても創造性や多様性に欠けた画一的なものになりやすい。
変革を起こす優れたイノベーションというものは、往々にして属人的で感覚的で、時に非合理にすら見えるアイディアや判断から生まれるものだと私は考えています。

少し脱線しますが、近年話題の"生理用品のパッケージはなぜ生理用品らしいのか問題" も、実はこの"らしさ"を選ぶ傾向から生まれているのだとメーカーの方から伺った事があります。メーカーで生産した生理用品を流通に乗せ、薬局に卸し販売する過程で、商品は沢山の人の目を通り抜けて店頭に並べられます。その過程で、流通、卸し、商品陳列、消費者etc...とその全ての過程で、一目で"生理用品"である事を全員に認知して貰わねばなりません。では、人は何を持ってその商品であることを認識するのか。それが、先述した "見た事のある" 慣れ親しんだ表現なのです。所謂みんなが生理用品と聞いて頭に思い浮かべるああいったデザイン。更には、ドラックストアのように店頭の情報量が多ければ多いほど、同じく情報量の多い商品が売れる傾向にあるんだそう。生理用品や洗剤などの生活用品はよりその傾向が強いんだとか。
逆にいうと、D2CやドラックストアのPBや無印良品のような自主販売をするメーカーであれば、比較的斬新なデザインの商品を消費者に届けやすいという事になります。最近マツキヨがオシャレめな生理用品のPBを出したのもこういった背景があるのだと思います。

ビジネスに、人間らしさを取り戻せ。


話は冒頭に戻りますが、画一的な価値観に支配されていた時代において、革新的な分岐点となったのがルネッサンスです。
多様性を失いつつあった社会に疑問を呈し "人間性"  "創造性"  "多様性" を取り戻す為に生まれたその活動は、多くの思想、文学、美術、建築を生み、近代社会の基盤を作り上げました。

そして今、ビジネスにこの"ルネッサンス"が必要だと強く感じています。

経済合理性と短期的利益の追求に縛られ追い立てられ続けた現代の資本主義。ロジックや目に見える数字のみを盲信しすぎた結果、数値化できないの人間的価値やそのビジネスの本質的な存在意義を見失っているように思えるのです。
ビジネスは本来、誰かの不便や欲求や課題の解決のために、そして人間の豊かさの為に、存在しているはずのものなのに。

だからこそ辻愛沙子は、そして株式会社arcaは、
『ルネッサンス of ビジネス』の革命を
この小さな箱舟から起こしていこうと思うのです。

属人的で感覚的で、時に非合理にすら見えるような
"人間にしかできない"ビジネスを。

数字の裏に押しつぶされている"倫理"や"感情"、そして"文化"や"美意識"を、より豊かにしていくためのビジネスを。

【クリエイティブ×ビジネス×社会課題】の三つ巴を武器に携え、
人間らしさを取り戻す、強くやさしい革命を起こしていくために、株式会社arcaは新しい船出を迎えました。


社会課題の解決に、ビジネスとクリエイティブの力を。


最後に、昨日のnoteでも少しだけ書いたこのお話に触れたいと思います。

「社会課題の解決」と聞くと、ボランティアやNPOといった博愛的で献身的なイメージを持つ方は少なくないのではと思う。
一方で「ビジネス」と聞くと、利益と経済合理性に縛られたドライで強欲的なイメージがあるかもしれない。
「クリエイティブ」と聞くと、それを生業としている身としても "楽しい事"ドリブンで生きる、ポップで感覚的な印象を持たれる事が多いように感じます。

一見似ても似つかないように思えるこの3要素の融合が、これからの社会を変える大きな鍵を握っているのではと最近ずっと考えていて。
本当の本気で社会をより良くしたいのならば、「倫理観や想像力を持って、資本を生んで社会に還元し、クリエイティビティを通じて多くの人に届けていく」この3つの力を分断させず1つのアクションとして実行していく事が必要なのだと思っています。

昨今、ESG投資やブランドジャーナリズムなど、ビジネスが社会課題に貢献していく必要性と可能性が少しづつ注目されるようになりました。

そこでよく引き合いに出てくる問題は「 経済合理性 VS 倫理 」の葛藤。

環境にいいサスティナブルな素材でプロダクトを作りたいし、性別や年齢、人種、障害など、あらゆる人が働きやすい職場環境を作っていきたいし、そもそもダイバーシティを保つ雇用をしていきたい。災害があったらすぐに支援できる企業体制でありたいし、男性も女性も育休を取りやすい組織づくりができたらいいし、女性役員だってこんなに少ないのはおかしい。

いくらそう思ってはいても、ビジネスの領域である以上、課題解決のアクションが利益をただただ削るボランティアではサスティナブルな課題解決とは言えません。

永続的な活動をしていく為にも、経済活動と社会活動は両輪を回していかなくてはいけない訳です。上述したようにCSRの活動ももちろん大事だけれど、経済合理性と倫理は決して二項対立ではなく、融合を目指していく必要があると考えています。

例えば、マザーハウスのように消費者の購買が、直接途上国やそこで働く人々への還元につながるビジネス。
例えば、日本環境設計(BRING)のように、再生資源を中心とした「服を捨てない経済サイクル」を構築することで、大量生産大量消費の波に歯止めをかけようとしているビジネス。

広告表現だって同じです。
Oisix×クレヨンしんちゃんの夏休み広告は、
小さな駅一箇所の掲出から、SNSで広がる⇨トレンドに上がる⇨Yahooトップに⇨テレビの取材⇨トライアル率&売り上げ&認知度共に上昇したそう。

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「社会にいいこと」だけでなく、それが企業の活動(事業とパーパス)と密接につながり、生活者にも企業にも社会にもプラスな3方よしのアクションとなる。

NPOやNGO、社団法人などとの連帯の上起こす企業アクションもあるかもしれませんし、LadyknowsのようにプロジェクトをHUBとして、志を同じくする複数の企業が連帯するアクションも増えてきています。

社会課題にコミットするなら「利益度外視でボランティア精神のもと献身的にやらねばならない」という時代から、その動きをより大きく永続的なものにしていくために「 経済合理性 VS 社会課題へのコミット(倫理) 」の二項対立的考え方を捨て、倫理観の構築と経済合理性が無理なく融合し共助関係にある「経済合理性 × 社会課題」型の時代へと変化しつつあります。
そしてそれが、生活者の支持も投資家の支持も集める大事な要素となってきているのです。(CSRからCSVへ、という考え方がこれにあたります。)

ここまでが、ソーシャルドリブンなビジネス1.0。
今まさに革新が起こりつつある領域です。
より詳しくは、この辺りの書籍が非常に面白いのでご興味があればぜひ。

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◆書籍「GROW」 https://amzn.to/3hLBoIG



◆WEB(牧野さんのブログ:広告事例)
https://note.com/copywriterseyes/n/nc07cb8676d0a
https://m.a-dot.co.jp/marketing/advertising/brand-journalism01-2/

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◆書籍「ESG経営 ケーススタディ20」 https://amzn.to/392AWlr

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◆書籍「ESG思考」 https://amzn.to/2LmgO5G


ソーシャルドリブン2.0は
『ビジネス × 社会課題 × クリエイティブ』


ここまでは、最近投資家や生活者の意識変容としても注目されるようになりつつある「ビジネス×社会課題」のお話をしましたが、ここから先は辻の個人的見解と思って読んでいただければと思います。

確かに、その2つの融合は規模と永続性において非常に重要な点だと思っています。しかし、今日のnoteで何度も書いたように、現在のビジネスのあり方はあくまで短期利益の追求を前提に構築されている。とすると、中長期的目線を必要とされるソーシャルドリブンなビジネスは一見非合理的に捉えられ、あくまでプラスアルファのCSR活動になってしまいがちなのではと思うのです。(なんならCSRに繋がればかなり良い方、ほとんどの場合は「で、それビジネスになるの?」で切り捨てられてしまいます。)

そこで重要になってくるのが「クリエイティブ」の力だと私は考えていて。「社会課題」と聞くと、どうしても堅苦しいし小難しいし、なんだか説教臭ささえ感じる、という方も少なくないと思う。だからか、良い事をやってるんだけど、いまいち広がらないし知ってもらえない。そんな葛藤を抱えている企業を仕事の中でも度々見てきました。

やっている事はいくら正しくても、正義だけでは人は動かない。例えどれだけ環境に良いプロダクトだとしても、オシャレじゃない服はファッションである以上選ばれにくいし、可愛くないコスメは化粧品である以上好んで使われないですよね。
ビジネスである以上、お客様に選んでいただく(一般消費者だけでなく、取引先に選んでいただくという意味も含め) 事が必要不可欠です。だとするならば、どのようにしてアクションを"伝えていくのか"、どのように"愛されるブランド"にしていくのか、どのように"課題を知ってもらうのか"、どのように"話題"を作っていくのか、といったデザインやコミュニケーションの力が「ビジネス×社会課題」の領域でこそ必要なんじゃないかと思うのです。

私が日頃から愛用している大好きなブランドを最後に1つ紹介させてください。

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ビビッドでキラキラでポップなデザインが目を引く化粧品ブランド「LUSH」。(めっちゃかわよい...💘)

バスボムはちょっとしたギフトにも喜ばれるので本当にオススメです。お風呂に入れると下の画像のようにカラフルなお湯になったり、キラキラになったり、、、 まるでアートのようなバスタイムを過ごせます。
私も心が疲れた時は、だいたいLUSHのバスボムでお風呂に入って自分をレスキューしてます🛁

さて、そんな大好きなLUSHですが、このブランドの本当にイケているところはこのデザイン性やアイディアのキュートさだけではありません。

これだけポップでキュートな顔つきをしていながらも、動物実験反対のメッセージをショップ袋や店員さんのTシャツに掲げたり、(📸01)商品名からステレオタイプにつながりかねない表現を削除し名称変更をしたり(下記リンク)、黒子として厳しい労働環境をしいられがちな生産者の地位向上の為に(という理由だと辻は解釈している)商品パッケージに作り手の顔と名前を記載したり(📸02)、空き容器を集めて店舗に返すと商品がもらえる容器回収の仕組みがあったり、そもそも商品自体もエシカルな天然かつ新鮮な素材のみを使用して作られているナチュラルコスメなのです。

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(名称変更の記事) https://jn.lush.com/article/product-name-optimize

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ちなみに LUSHは、社内にLGBTQのコミュニティがあったり(そもそも採用の時点でジェンダーイクオリティが徹底されてそう)、店舗マネジメントでトップダウンではない自主性と多様性を尊重したマネジメント手法を取っていたりと、直接生活者の目に触れない部分までも徹底した企業哲学が根付いています。(大好き...❣️)

LUSHのように、ビジネスモデルや商品特性、生産背景として徹底的に社会課題にコミットしていく企業理念がありながらも、それとはまた別に商品のデザインとしてキュートでポップでテンションが上がる魅力的なクリエイティブをつくり、その両軸で強固なファン形成を実現している、そんな企業ないしはブランドが、これから先の未来を作っていくように思います。

課題を知ってもらうコミュニケーション、活動を広げるプロモーション、魅力を作るデザインやネーミングといった「クリエイティビティ」が融合した、「ビジネス×社会課題×クリエイティブ」の三つ巴が、arcaの目指すビジネスの根幹なのです。


告知!

2本目の今日は、(推敲に推敲を重ねた結果日をまたいでしまいすみません、、、) なんだかちょっと堅苦しい歴史や経済の話が続いてしまったように思うのですが、楽しんでいただけましたでしょうか...?

こういった背景をうんうんと考えている理由として、今回のarca独立に際したビジョンの再考や新規事業のアイディアを考えるに至ったという点以外に、もう1つ理由がありまして・・・

なんと春ごろに、左右社さんから書籍を出版する事になりました!!!

かなり濃くて熱い一冊になりそうなので、ぜひ楽しみにしていただけたら幸いです。辻の記念すべき一冊めの書籍・・・。ドキドキ。
こちらもまた近くなったら詳細を告知しますね!!!!!!!ワクワク!!


arcaが目指すビジネスの変革


そんな理由もあって、コロナでより一層社会の変化が激しくなったここ最近、このnoteでつらつらと書いてきたような「ルネッサンスofビジネス」についてずっとずっと考えていて。
そこから、じゃあ人間的豊かさや文化的価値をないがしろにしない資本主義のあり方って何なんだろう?という大きな問いが生まれてきました。

明日のnoteでは、その問いに対する現時点での私が考える答えである「4つの革新」についてお伝えしたいと思います。

そして、その4つを軸としたarcaがこれから作っていく事業について、具体的にお話ししていく予定です。
(そういえば今日newszeroだった・・・夜間に合うかな・・・汗)

どうぞ最後までお付き合いいただければ幸いです!!!!

超大作となった2本目も、ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
読破お疲れ様でした!!!!!!!!

株式会社arca 辻愛沙子

サポート頂けたらとっても嬉しいです!🐥