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5. 福岡から東京までマイナールートで行ってみた

 今回は、先日博多から東京までの特殊な方法で移動したので、その記録を紹介する。大前提として、この2点間の移動は安く予約できれば圧倒的に飛行機の優位性が高いと考えている。鹿児島に住んでいた際に何度か福岡空港を使ったことがある。鹿児島空港までのバスの運賃が高めなのに対し、福岡までのバスの運賃がかなり安いことや(当時の最安値で2,900円から)鹿児島空港以上に成田発着を含め便数や就航会社の数が多く競争激化により安いことが多いことなどが理由だ。また、JALやANAの場合は大型機材がアテンドされることが多く、広い空間で移動できるのも魅力的だ。他にも、船便や新幹線、はかた号をはじめとした夜行バスもあるが、今回はそれらを使わずに安く快適な移動となった。



鹿児島線 特急ソニック 普通車指定席


車内の様子 コンセントもあった


 博多(天神)と小倉(北九州)の間では、高速バス、在来線特急と新幹線と大きく3通りの移動方法がある。その中で私は特急での移動以外したことがない。バスと特急は料金はほぼ互角(特急はネット予約使用した際の価格)、本数はバスに軍配が上がるのに対して、所要時間は30分ほど特急のほうが短い。新幹線は一駅20分弱とかなり速く移動できるが、料金面でかなり高くつく。
 ソニックは乗ること自体が楽しい特急の一つだ。途中小刻みに左右に揺られる箇所があり乗り心地は少し劣るものの、内装外装ともに奇抜なデザインであることや直線はもちろんカーブでも高速走行が可能なことが特長的だ。ちなみに、白と青の2種類の車両があるが、青いほうは低重心で比較的安定感が高いことや、某ネズミを彷彿とさせるようなヘッドレストがあることから個人的には好みである。
 途中山越えや北九州工業地帯などを通り、あっという間に福岡第二の都市小倉に着いた。ちなみに、ソニックは博多と大分を結んでおり、小倉で方向が変わるため座席転換が必要となる。乗られる際には注意されたい。

名門大洋フェリー ツーリスト


一晩を過ごした区画 外にスーツケースも置ける


 関西と九州の移動は新幹線やバスの他に、船便も充実しているのをご存知だろうか。今回門司から大阪まで名門大洋フェリーを使ったが、他にも阪九フェリーがある。大阪と別府の間にはフェリーさんふらわあが就航しており、船便は新幹線や飛行機に肩を並べる主要な移動手段と言えるだろう。
 今回は1ヶ月前ほどに予約したが、5,750円だった。二段ベッドの一角に寝転びながら寝ている間に移動できる。一般的なホテル素泊まりと同等の値段でこれほど身近な非日常体験は貴重だろう。クレーンゲームに4,000円を使って景品を取れず、挙げ句の果てには涙目で要らなかったと言った某氏より遥かに意義のあるお金の使い方である。


 無料バスで小倉駅から門司の港まで移動し、乗船した。先程少し述べたように、このベットの一角が今晩の寝床だ。区画はネット上で選ぶことができ、端の区画だったため半個室感があった。区画の入り口にはロールカーテン、室内には照明やコンセント、ハンガー、ドリンクホルダー、室外にはタオル掛けがある。今回で10回目の船中泊だったが、最下層でもエンジン音が聞こえにくい構造になっていることに加え、瀬戸内海航路は内海で比較的揺れが少なく、快適に眠れた。また、船内にはバイキング形式のレストラン、給湯器、テレビ、照明が落とされ落ち着いた雰囲気のラウンジ、大浴場と設備が充実していた。朝5時半頃に大阪南港に接岸した。その後、大阪メトロでいくつか路線を乗り継ぎ、大阪ミナミのなんばに到着した。

船内レストランの夕食バイキング(1,800円) デザートもあった


近鉄特急ひのとり レギュラーシート


ひのとりの外観 高級感があり存在感が強い


 数年前に近鉄に新型特急が登場したことが話題になった。今回はそのひのとりで大阪難波から名古屋に向かうことにした。
 外観は小田急ロマンスカーGSEのような見た目で、多くの人が写真に収めていた。内装はバックシェル付きの座席で、リクライニングをしても後席に干渉しない構造になっていた。リクライニングする座席で移動する場合に私は最後尾を選ぶことが多いが、その点では気にする必要がないのは大きな利点だ。リクライニングはゆりかごのような動きで心地良く、分厚いテーブルや靴を脱いでのせるフットレストもある。座面や枕部分はソファのようにふかふかで、背面は適度なかたさだった。エンタメとして、車内Wi-Fiで本の要約や雑誌を見ることができた。山々を貫き四日市のコンビナートを眺めつつ、大阪から名古屋まで乗り通す人がほどんどで、このまま東京まで行きたいと思ったほどだ。

東海道新幹線こだま号 グリーン車


車内の様子 静岡あたりから乗車率も高くなった


 名古屋で観光して駅ホームのきしめんを食べた後に、新幹線で東京に向かうことにした。
 新幹線で東京と名古屋間の最安値はこだま号のグリーン車なのはご存知だろうか。年会費無料のスマートEXを使うと、EXこだまグリーン早特3で9,170円で移動できる。今回は、最新鋭のN700Sのこだま号を指定した。座席は背中や枕はかためだが、だんだん体に馴染むシートだった。大型のフットレストもあり、背面が暖かくなるシートヒーター、大きめの毛布がこの季節には助かる。途中各駅に停車してかなりの本数ののぞみ号やひかり号に抜かれるが、車内誌を読んだり富士川から富士山を眺めたりしてゆったり快適に移動できた。


 今回はかなり長い時間をかけてゆったりと移動できた。帰宅後数日間陸酔いが続いたが、また旅行経験値が上がったと実感している。船中泊には良い止めは欠かせないことを再認識したからだ。ここで、過酷な旅行を売りにしているYouTuberのトラ猫さんを紹介する。私のようにマイナーな移動手段も時折紹介しており、是非見てみてほしい。


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