アゴラの人々2024 期間限定復活公開

2016-17年の青年団若手自主企画「アゴラの人々」。 2024年5月 こまばアゴラ劇…

アゴラの人々2024 期間限定復活公開

2016-17年の青年団若手自主企画「アゴラの人々」。 2024年5月 こまばアゴラ劇場閉館にあたって、当時の記事を期間限定復活公開します。

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【はじめに】「アゴラの人々」期間限定復活公開とは

「アゴラの人々」とは 「アゴラの人々」とは、2016-17年に存在していたweb連載企画です。 こまばアゴラ劇場という場所を起点に、 そこで出会った人々に焦点を当てて、 エッセーの形で紹介する記事を連載していました。 演劇批評でも、公演の宣伝でもなく。 ただ、劇場という場所を知って身近に感じてもらうことを目的にしていました。 2016年、こまばアゴラ演劇学校 無隣館の若手自主企画として始まり、 2017年、青年団の若手自主企画になり、 2018年、2年間の連載を終えて

    • アゴラの人々限定公開⑧「アゴラの人々を読んでくれたアゴラの人々のはなし」2017.4.4

      アゴラの人々を読んでくれたアゴラの人々のはなし/2017.4.4 「アゴラの人々」は、今回で22回目の記事になる。 昨年2016年の5月に第1回の記事を載せたので、もうすぐまる一年経つのだ。 いつも読んでくださっている皆様、ありがとうございます。 20回を越えたというのはちょっと特別だ。 それはその数字だけではなくて、とある会話からだ。 6月ごろ。 たしか、『ニッポン・サポート・センター』が終わった頃だったと思う。 アゴラの1階の楽屋口を入ったエレベーターの前で、青

      • アゴラの人々限定公開⑦「とろけるオリザさん」2017.5.25

        とろけるオリザさん/2017.5.25 平田オリザの肌はとても柔らかい。 と、聞いたのは、2月の公演のスタッフ休憩室だった。 オリザさんは、触らせてくださいと言ったら、触らせてくれるらしい。 本当かなあと思いつつ、私はその機会をずっと探していた。 4月、機会がめぐってきた。 とある作品の打ち上げにて。 私は、出演者のAさんと話していた。 しばらくして、オリザさんが、Aさんの隣に座ったのだった。 オリザさんは手元にビールの缶を持ってあぐらをかき、しばし周囲にい

        • アゴラの人々限定公開⑥「輪転機とDM作業のはなし」2016.12.31

          輪転機とDM作業のはなし/2016.12.31 アゴラの楽屋口を入ってエレベーターに乗り、4階事務所へ上がる。 アゴラへ来る用事は、稽古見学だったり、打ち合わせだったり、公演を見に来たり。 その日によっていろいろだけれど、一番多いのは、チラシの印刷だ。 こまばアゴラ劇場とアトリエ春風舎で行われる公演のチラシ束の中に、 毎回「アゴラの人々」のチラシを折り込ませてもらっている。 チラシは毎月文章と挿絵を差し替えているので、月に一度は必ず新しいバージョンの印刷のためにアゴラに

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        【はじめに】「アゴラの人々」期間限定復活公開とは

          アゴラの人々限定公開⑤「夏のアゴラのこと」2017.8.14

          夏のアゴラのこと/2017.8.14 毎日あまりにも暑いので、アゴラのことも、なんだか汗をかいていたことばかり思い出される。 私はアゴラへ行くとき、駒場東大前駅を使うよりも、渋谷から歩いていくことが多い。 けれどさすがに、夏は辛い。 20分ほどの道のりなので、じりじりと照りつける日光の中を進んでくると、 アゴラに到着する頃には汗でびっしょりだ。 だったら井の頭線に乗って、駒場東大前駅から行けばいい。 と我ながら思うのだけれど、 どうしても渋谷駅の乗り換えが嫌いで、だっ

          アゴラの人々限定公開⑤「夏のアゴラのこと」2017.8.14

          アゴラの人々限定公開④「キッチンいろいろ、人生か」2017.6.8

          キッチン色々、人生か/2017.6.8 5月末にアゴラへ行くと、 青年団第76回公演『さよならだけが人生か』の稽古が行われていて、 稽古終わりや休憩中の出演者のみなさんに会うことができた。 今回は、そんな方々のおはなし。 ある日、アゴラのお隣のスーパーでパンを買ってきた。 袋にマッキーで大きく「カガミ」と書いて、キッチンの机の上に置く。 アゴラのキッチンでは、あとで食べようと置いておく場合は名前を書いておかなければならないのだ。 キッチンを出て大机にいると、 たち

          アゴラの人々限定公開④「キッチンいろいろ、人生か」2017.6.8

          アゴラの人々限定公開③「アゴラの中の好きな場所」2017.1.30

          2017.1.30 アゴラは5階建て。 1階はロビー、2階と3階が劇場、4階が事務所で、5階が稽古場だ。 劇場部分のなかでも、舞台と客席があるのは2階にあたり、3階は調光室だ。 調光「室」、と言っても壁やガラスで区切られた部屋というわけではなく、例えるなら体育館のギャラリーのような空間だ。 ギャラリーよりはもっと広くて、客席の頭上に2メートルくらいの幅で張り出しているような形。 客席が満員御礼の時にはここに椅子を追加で並べ、2階席として使うこともある。 ここの空間の

          アゴラの人々限定公開③「アゴラの中の好きな場所」2017.1.30

          アゴラの人々限定公開②「私のコンバース、アゴラの階段」2016.7.8

          私のコンバース、アゴラの階段/2016.7.8 私のコンバースのスニーカーとアゴラの階段はどうも相性が悪い。 雨で階段が濡れた日なんて最悪で、おそろしく滑る。 昼頃からしとしと雨が降っていたある日の夜、 照明の機材を持ってアゴラの階段を降りることになった。 アゴラは5階建てなのだけれど、5階にはもう一つ上へ行く階段がある。 屋上に、プレハブ小屋と倉庫があるのだ。 ひとつは、打ち合わせに使える部屋だ。 アゴラにいる人たちが「プレハブ」と呼ぶのはこれのことだ。 大きなテー

          アゴラの人々限定公開②「私のコンバース、アゴラの階段」2016.7.8

          アゴラの人々復活公開①「喫煙所にて」2016.5.30

          喫煙所にて/2016.5.30 タバコが気になる。 自分はまだ、吸ってみようとは思わないのだけど。 アゴラの階段を上って事務所へ行こうとすると、 途中に喫煙所があって、たいてい誰かが一服している。 私は吸わないのでここに自分から用事はないのだけれど、知り合いがいるのを見るといつも立ち止まってしまう。 タバコを吸っている時は他にすることがない(らしい)ので、話をしてくれて、楽しいのだ。 たくさんの人とこのアゴラの喫煙所で話をした。 喫煙所はベランダのような空間で、簡単

          アゴラの人々復活公開①「喫煙所にて」2016.5.30