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クリエイティブの力で、職人気質な工務店さんを上々にさせてもらった。

ー細川さん、本日はよろしくお願いします!

こちらこそ、よろしくお願いします!

細川太志さん

ー早速ですが、細川木材さんはどんな会社でしょうか?

私たちはですね「家族を建てる。」をコンセプトに、木材や漆喰、身体に優しい断熱材などをはじめとした 自然素材で家を建てている工務店です。
「家族を建てる。」というのは、施工…ここの話は後にしますか。(笑)

ー後のお楽しみということで。(笑)確かに、この事務所も木のぬくもりが感じられていいですね!心なしか従来の家と居心地が違うような…。

おっ、分かりますか。従来の家づくりよりも多くの木材を使用しているので、
まず木の香りがすると思います。木材は生きているので木が呼吸することで調湿もしてくれていますよ!すごいでしょ。それに加えて瀬戸漆喰には湿気を逃す役目があって、この2つの力で「いい空気が循環する家」になっています。夏もほとんどエアコンを使わずに過ごせますね。壁にホコリもたまらないし、いろんな生活臭もびっくりするぐらい無臭にしてくれるので、空気洗浄器いらずですよ。あと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
あっごめんなさい!喋りすぎました、家づくりの話になるとつい(笑)

ーいえいえ!いかに家づくりが好きなのか、ひしひしと伝わってきました!
会社名に「木材」と入っていますが、元々は木材屋をされていたのですか? 

鋭いですね、その通りです。元々木材屋で、私が2代目になります。
けどその当時は木材屋が不況によりどんどん潰れていっていた時代で、
私たちも危機感を持っていました。そんな中で思いがけず住宅建築を頼まれたことをきっかけに、少しずつ下請けで大工工事をするようになっていったのです。

ーなるほど、そういう流れでしたか!家づくりが好きな細川さんからすると、
仕事が楽しくなったんじゃないですか?

いやいや、これが1番しんどかった時期ですね。

下請けだとやりたい仕事をやるのは難しかったですし、とにかく自由がないです。元請けの言うことは絶対だし、作りたい家じゃなくて言われるままに家を建てないといけないですから。奥さんの出産に仕事で立ち会えない日もありましたしね。
そんな日々を10年間送っていました。

ー家づくりが好きだからこそ余計にしんどそうですね…。

おっしゃる通りで。このままじゃいけない、自社で住宅建築の注文をもらえるようにしようと決意しました。

ー具体的にどんなアクションを取られたのですか?

まず、下請けの仕事を一切受けないようにしました。そしたら案の定1年間仕事がなくなっちゃって。暇潰しに家を建てたりしていましたね。(笑)そこは今、モデルハウスになっていますけど。やっぱり始めたばっかりの時は、広告を出さないとお客さんは来てくれないのではないかと思っていて、「広告出さないと恐怖症」になっていました。実際に広告代理店などに頼んで出してみたりもしましたが、普通の広告と言いますか、ただ出すだけみたいな感じで、効果はありませんでしたね。

これではだめだと思い、インターネットでしらみ潰しにデザイン会社を探したところ良いなと思ったのがスクルト(人生は上々だの前の社名)でした。

ーうっ嬉しいです!ちなみに何を見て良いなと思っていただけたのですか?

コーポレートサイトを見させていただいたのですが、実績が全部面白くて、
全部同じトーンではなく、クライアントごとに合わせて最適なアウトプットをされているのを見て、ここなら良いものを作ってくれると思いました。

ー実際、人生は上々だに相談してみてどんな感じでしたか?

ものすごく寄り添って考えてくれましたね。最初は、ホームページ制作を依頼したのですが、「ホームページを作るのだったら、まずブランディングをしてからの方が良いですね」と言っていただきまして。ただ言われた通りに作るのではなくて、
お客さんのためになることを第一に考えてくれていると感じました。

ブランディングをしてもらって、立てたコンセプトが「家族を建てる。」です。

ざっくり説明すると、施工主がずっと愛し続けられる家を作ろうというものになります。これは、弊社の2つの強みからきていまして。

1つ目が、自然素材で建てている家という点です。弊社の家は劣化するのではなく、経年変化をします。新築の時よりも、5年後の方が馴染んでくる、10年後の方が趣がある。要は家も施工主と一緒に成長するということです。

そんな一緒に生きていける家づくりをしています。

2つ目が私自身、家づくりが大好きだという点ですね。めちゃくちゃ好きなんです。家を売りたいというか、建てたいんですよ。(笑)まあまあそれは置いといて、だから自分が住みたくない家を建てるのは嫌なんです。利益とか社会の流れとか関係ない。利益は少なくなるけど、石膏ボードよりウールを使用した方が体に優しいでしょ。建設途中でも施工主が見学できるようにした方が、どんな素材を使っているか直接確かめられるし、その場で意見がもらえたりしてより施工主にとって良い家になるでしょ。
 「だってこっちの方がお客さんにとって良いでしょ」というシンプルな考えで家づくりをしています。そういった姿勢で建てているから、施工主様に愛してもらえる家が建てられると思っていますね。

ーブランディングをうけて、どんな感想でしたか?

私たちの強みや想いを、上手く価値化、言語化してもらった感覚です。
「あなたはこういう工務店ですよ」と定義してもらった感じでした。これがなかったら、今でも迷子のままだと思います。(笑)

ー利益や世の中の流れに惑わされずに、家づくりのあるべき姿を体現されているなと、個人的に思いました!
ブランディング後の変化はどうですか?

1番の変化は、下請けの仕事を受けなくても自社での案件だけでやっていけるようになったことですね。最初は知り合いづてとかではなく、ホームページを見て来店してくださる人が増えてきました。お客様の層も揃ってきていて、私たちの想いに共感した人が来てくれている実感はあります。

自分たちが建てたい家を思う存分建てられるようになったのでかなり楽しいです!

それに加えて自信にもつながりました。ブランディング前は遠慮がちな価格設定しかできず、一方で素材に一切の妥協をしないので、その結果原価率が100%になっていた時期もありましたね。(笑)今は自信を持って価格設定ができています。
それでも材料代で原価率は相変わらず悪いですけど。(笑)

ーコンセプトはもちろんですが、細川さんは家を通してどんな価値を届けたいと考えられていますか?

「誰でも住める家」を提供したいと考えています。

ー家は誰でも住めるのでは…?

いや、これが意外とそうではなくてですね。建築素材に化学物質などを使っていると、アレルギーや、シックハウスの原因になったりします。当たり前ですが家族みんなで安心して住める家がいいじゃないですか。だから、化学物質を含む材料を使わずに建てることで、誰もが安心して住める家を提供できるようにしています。

ーなるほど、勉強になります!じゃあ建築業界自体も自然素材が増えてほしいですか?

個人的な想いは、そうですね。でもその考えを押し付けたいわけではありません。
最高な家って、住んでいる人が最高だと思えばその家は最高になるものですから。
けど、自然素材や合成素材や化学物質の良し悪しを理解した上で購入する人が増えると嬉しいですね。

ー自然素材の工務店が増えるということは、競合も増えるということですが…

めちゃくちゃウェルカムですね!どんどん増えてほしいです。増えたうえで勝ちたい。単純に負けず嫌いなんですよ。(笑)

ー今後の展望について教えてください!

今後は、焼杉に力を入れていきたいですね。先日、人生は上々ださんにロゴをデザインしていただいたブランド「瀬戸の焼杉」を伸ばしていく予定です。台湾などの海外に展開していこうかなと考えています。ちょっと話がずれますが、正直このデザインは痺れましたね。(笑)元々は、某焼杉メーカーから購入して使用する予定でした。男らしい力強いブランドのところだったのですが、購入を断られちゃって。それで火がついて自分で作ろうとなったわけです。
 そんな流れの中で人生は上々ださんが出してきたのが、女性的で爽やかなデザイン。「おおーー!逆張りしてきた!才能すげー!」ってなりましたね。(笑)
これは男っぽいイメージの焼杉業界で、まだないブランドを作る目的と、
瀬戸内のしなやかさに合わせた若い人や女性に好まれるデザインにしてくれたそうで。より、デザインに関して信頼を置くようになりました。

ー細川さんにとって、人生は上々だはどんな存在ですか?

案内人みたいなものですかね。先ほども言いましたが、このブランディングが無かったらいまだに迷子状態だったと思います。(笑)なので導いてくれる存在だと思っています。特にデザインに関しては信頼していて、正直私たちが頭を使う必要がないレベルです。

今後も、面白い道に案内してくれると嬉しいですね。