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戦国時代に行ってみた 毎週ショートショートnote

時を超え、戦国時代にやってきた二人。
「ど、どうして戦国?」
「馬鹿野郎。そうしないとな・・・」
「スマホとドローンで何します?」
「じゃ歴史的敗者のところで、燃える水を貰ってこい」
「勝つ方じゃないと歴史が」
「いいから早く貰ってこい」

間もなくドローンは敵陣上空まで羽音を響かせ、ヒュルルルという音と共に燃える徳利を投下した。
「あ、ヒュルルルに当たりました」
「あいつは鏑矢かぶらやじゃねえか。それに地面が燃えただけ。おまえ、燃える水って」
「菜種油です」
「馬鹿野郎。石油もらってこい」

「次はランダム飛行でいく。スマホを乗せろ」
「あのお、圏外で」
「馬鹿野郎。基地局もないのに繋がるか。プログラムを乗せんだ」
「オートパイロットだと楽っすね」
「馬鹿野郎。そこは日本語だ。でないと都合が悪りい」
「えー、自動操縦で」

石油の燃えるドローンは威勢よく舞い上がった。とすぐに失速し、墜落。
味方は大惨事となってしまった。
折角の戦国時代の自動操縦機は電池切れ。
          410字

*鏑矢・・・戦場における合図として合戦開始等の通知に用いられた


たらはかに さま
今週もよろしくお願いします。

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