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短編

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#掌編小説

Deadend

その日は10月にしては珍しく暑い一日だった。父は雨男だったので台風でも来るかと思ったが真逆の晴れた一日だった。

父が静かに息を引き取ったその時、僕は空の上にいた。正確には空を飛んでいたと表現すべきかもしれない。19時30分博多空港発羽田空港行の飛行機の中にいたのだ。その日はもともと博多への出張の予定があった。朝、病院から父の容態が悪化している、今夜が山場になるだろうと連絡を受けていたが夜までには

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