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片親疎外の解毒法-子供を標的親の元へ-

はじめに

片親疎外(Parental Alienation)とは、子どもが一方の親からの悪口などの洗脳により、もう一方の親を拒絶したり嫌う精神状態やその状況を指します。片親疎外は、精神的な虐待の一つですが、子どもに与える悪影響は、身体的、性的虐待と同等の酷い部類に入る児童虐待です。この虐待から子どもを救うためには、洗脳を解き、壊れた親子関係を修復する必要があります。この修復方法として、科学的に証明された有効な方法を紹介します。それは、子どもと標的親が一緒に時間を過ごすというシンプルなものです。


片親疎外は子どもへの虐待

片親疎外の中で育った子は、薬物依存、自己肯定感の低下、精神疾患、脳機能障害、人格障害、自殺、致死性疾患(がんや心疾患)のリスクが統計的優位に上昇します。片親疎外は、子どもを生涯に渡って苦しめ、自殺や致死性疾患により命まで奪う酷い虐待です。つまり、一刻も早く子どもをこの虐待から救い出す必要があります。

家族再統合治療(Reunification therapy)は逆効果

裁判所で片親疎外が認められた場合、子どもに家族再統合治療を受けさることが命じられることがあります。しかし、通常の再統合治療は、片親疎外の場合は逆効果となり、子どもの洗脳を解くどころか、洗脳を強めます。やればやるほど、子どもの標的親への拒絶が強くなります。詳しくはこの記事です。

子どもをこの虐待から救うためには、通常の再統合治療ではない方法が必要となります。

シンプルで効果的な対処法

片親疎外による壊れた親子関係の修復法、つまりは、子どもをこの虐待から救う方法として、片親疎外の専門家から、効果があるのではないか指摘されていた方法があります。
それは、とてもシンプルな方法で、子どもが標的親(疎外により子どもが拒絶した親)と一緒に過ごすというものです。そのとき、疎外を行う疎外親と子どもの関わりを断つことも大事であると考えられていました。
予想通りこの方法の効果を示す論文が発表されました。
出典:  Journal of Family therapy, 2017, 39: 279-298.
論文の中では、子どもが疎外親の住居を離れ、一定期間、標的親の住居で過ごすことで、子どもの標的親への拒絶が解消するというものです。疎外親による妨害や洗脳が酷い場合には、疎外親への接近禁止命令が必要になるようです。
疎外親と子どもの接触を断つことの重要性はこちらの論文で示されています。
出典:  Journal of Family therapy, 2022, 44: 103-122.

交代監護では上手く行かない

アメリカ等、原則共同親権の国では、離婚後は子どもが父母の住居を一週間交替で行ったり来たりする共同監護が一般的です。子どもが標的親と過ごせば良いのなら、共同監護でも良いのではないか思うかもしれませんが、片親疎外の場合は上手く行きません。子どもが標的親と一定期間過ごして洗脳が解けても、疎外親の元へ戻るとまた洗脳が始まるからです。僕も経験しましたし、多くの標的親がこれを経験しています。相手の監護から戻ってすぐは、子どもがが、標的親に対して、非難したり、いちゃもんをつけたり、とても攻撃的になります。しばらく一緒にいるとそれが治まって来ます。この時間をTransient Period(移行時間)と呼びます。毎回、このサイクルを繰り返すことになり、子どもを片親疎外の虐待から救えません。苛烈な疎外行動を行う疎外親の場合は接近禁止命令が必須です。疎外親から標的親への子ども住居の変更は段階的ではなく、一気にやる方が効果的です。
また、僕も経験しましたが、標的親の監護中によく起こるととして、疎外親がひっきりなしに子どもに電話やメッセージをして標的親を攻撃するようにプレッシャーをかけることがあります。「今どうしてる?何かあれば連れ出しに行く」と標的親を危険や問題のある存在として洗脳を繰り返します。従って、標的親の監護中は、電話やメッセージも禁止して貰う必要があります。

子どもを拒絶する親と一緒にさせて大丈夫?

洗脳されているとは言え子どもが嫌っている親と一緒にさせて大丈夫なの?と思うかもしれませんが、大丈夫と示されています。片親疎外を行うのは、自己愛・境界性人格障害者(ナルシシスト)であり、これはDVモラハラ、児童虐待を行う人格障害です。そして、多くの場合、標的親の方が健全な親です。つまり、子どもを虐待親から引き離し健全な親の元へ置くことになるので、全く問題はありません。
少し余談になりますが、実は、片親疎外の第一の標的は、子どもではなく、元パートナーなのです。子どもを武器にして元配偶者へのDVを続けています。英語では子どものWeaponization(武器化)と言います。
先ほどのひっきりなしに電話やメッセージを送るのは、ストーカー行為で良く見られることですが、苛烈なストーカーとなるのはやはり自己愛・境界性人格障害者です。知識のない人からすると複雑怪奇な片親疎外ですが、これらの人格障害が原因になっているとの視点を持つと理解しやすくなります。

救出・解毒手順

子どもをこの片親疎外の虐待から救う手順です。疎外親は自分の非を認めないし、子どもへの洗脳を解かれると第一の目的の元配偶者へのリベンジが達成されませんから、これは虐待だから、子どもをこちらに引き渡して下さいと言っても応じないでしょう。その場合、裁判所を介する必要があります。

1)片親疎外を証明する

こちらの方法をお使い下さい。

2)片親疎外が児童虐待であることを知って貰う

こちらの記事をお使い下さい。他にもたくさんのデータが見つかるはずです。

3)監護者変更

子どもを虐待から救うため、疎外親から標的親への監護の変更(子どもの住居の変更)を申し立てて下さい。この記事の通り、その有効性は示されていますし、データなんてなくても常識的に考えれれば、その有効性は簡単に理解できるはずです。必要ならば疎外親への接近禁止命令を取得して下さい。

4)疎外親との交流再開

子どもから一方の親を奪い去ることは、苛烈な児童虐待であることを知り、それを理由に監護者の変更を申し立てたので、自分が全く同じ虐待をしてはいけません。しばらくは、疎外親との接触を避けなくてはいけませんが、子どもの洗脳が十分に解けた後など、時期を見計らって疎外親との密な親子交流を再開して下さい。疎外親への教育が必要になるかもしれません。片親疎外をするのは、自己愛・境界性人格障害者であり、この人達は自分の間違いや欠点を認められない特徴を持っています。監護者変更となり、自分が仕掛けた片親疎外が失敗した場合、その失敗を直視できないので、一切、子どもと会おうとしなくなることがよくあります。疎外親との密な親子交流を再開するために元標的親の皆さんは忍耐強い交渉が必要になるかもしれません。

まとめ

片親疎外は、子どもを生涯に渡って苦しめ、自殺や致死性疾患により命まで奪う酷い虐待です。その虐待から子どもを救う有効な方法は、疎外親からの干渉を避けて、子どもが標的親と一緒に過ごすことです。そのために、片親疎外の証明、児童虐待であることの証明、監護者変更が必要になるかもしれません。この記事で示したことは正論で正攻法ですが、日本でもアメリカでも、裁判官ガチャなどで、必ずしも上手く行きません。アメリカでも多くの親子が片親疎外により断絶しています。僕のケース、あなたのケースと個別には、上手く行かないことはあるでしょう。それでも、多くの人がこれをやり続ければ、世の中は変わって来ます。最初は否定していた裁判官も、多くの人が同じことをやり続ければ、それが世の中の常識であり正義であることをいつか学ぶでしょう。がんばりましょう。

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