253.遠距離恋愛のはじまり

涙の別れの翌日、彼は引越し業者に荷物を預けて、夜遅い時間に自宅に帰った。
いつもの帰省と違うのは、数日後にこちらにまた戻ってくるわけではないこと。片道の新幹線の切符だけで行ってしまった。こっちに来ることはもう滅多にないだろう。

翌日から彼は、毎朝出勤前に自撮りの写真を送ってくれている。
今年は桜を一緒に見られなかったから、かわりに桜の写真を送り合うことにした。ここ数日で一気に咲いた。あと少し開花が早ければ一緒に見られたんだけどなぁ。

桜が終わっても自撮り写真は私が飽きるまで毎日送るつもりらしい笑
最後の日に「僕が大丈夫にします」と言ってくれたのをちゃんと実践してくれてるのかな。

彼が家族といる時はメールはほとんどしないけど、今日は仕事中に些細な質問でteamsコールしてきた。彼は会議用の個別ブースにいたから、私も会議室に移動してお互い顔を見ながら話せた。遠くにいても、顔を見て話せるのだから本当に便利な時代になった。

あとは、彼が退社のタイミングが良ければそこで電話ができそう。今日は会社を出る時に「少し電話しますか？」とメールが来て数分だけFaceTimeで話した。
会社から出ると近くに海があるらしく、そこでタバコを吸いながらFaceTimeで話す。
相変わらず家族にはタバコを吸っていることは隠している。奥さん、本当に気付いてないのかな。タバコもそうだけど、たぶん私のほうが彼の秘密をたくさん知っている。

まだ遠距離になって４日。もちろん会いたいなぁとは思うけど、彼がちゃんと連絡をくれるし、なんだか心が繋がってるなと感じられるので、思ってたよりは寂しくない。
数ヶ月に一度会える時を楽しみに、日々はお互いを思いながら大切に過ごしていけそう。

とにかく今言えることは、

無理して別れなくて正解だった！！