見出し画像

《全てを喰らう無能》をあなたが産む前に出来ること

お盆休みの真っ只中Twitterで論争が起こっていたので少し見てみました。

この手の議論はX-MEN達には当たり前なのでしょうか?お盆くらい優しさを持ちたいですね。ご先祖さまもお疲れ様ですー。

大体の内容としては、

リモートワークできん環境は経営ミスやろのポスト

経営者がそれを批判。

知らん人(従業員サイド)が「会社が何のためにあろうが雇われとる奴には関係ない」とリプ

経営者が「全体見ずに仕事しとるやつ」とリプ

「労働量減らしながら効率化して給料もらうが最適。会社がそれでどうなろうと知らん」

の内容でした。正直両方とも共感できますね。

どの立場に立つかによって正解が変わるのは当たり前です。

経営者としてはフルコミットして欲しいし、それがあなたに還元されるんだから!といった感じです。

しかし従業員としては「フルコミットして本当に還元するの?お前の総取りで終わりちゃいますの?」といった感想を持つと思います。

その人にとっての事実とは今まで見てきたものの総合です。

例えば、目が見えない人は色を認識したことはないですよね?だから生まれつき目が見えない人は夢が真っ暗だそうです。あなたの夢は色がついていますよね?それはあなたが今までの人生で色を認識してきたからです。

それと同じで今まで搾取構造にあった従業員が経営者に「フルコミットいたします!なぜならその分の還元があるからです!」とはなりませんよね?

私も今まで経営者はBMW、ワーゲンを乗ってきていて従業員は全員ワゴンRの会社をたくさん見てきたので搾取構造であるという意見にはおおむね賛同です。しかし世の中にはそうでない経営者もたくさんいます。

社長が社員にゲーム本体を取られる会社や、社長用に購入した椅子を取られる会社、行く飲食店行く飲食店が店休であることを煽られる会社など?を見てきたからです。

しかし従業員と経営者には視点の相違がもちろんのことあります。なぜなら冒頭申し上げたようにその人が見てきたものの積み重ねが真実だからです。

双方の事実(考え方)の違いを考えると、

従業員 
・仕事はせず(手を動かさずに)お金が欲しい。
・仕事は我慢するからお金をくれる。
・給与はケチられてる。
経営者
・事業を拡大、継続したい。
・仕事は辛いこともあるが楽しい。
・給与は支払ってる

といった点が考えられます。(そもそも論としてフルコミットするような社員は除きます。なぜなら視点が経営者に近しいからです。)

つまり両者には解釈の齟齬(誤謬とも捉えられる)があるのです。従業員はフルコミットしてもその分の給与は経営者の懐に消えていくと思っているが経営者は還元しているし、そのお金で潰れずに継続することが従業員を守ることに繋がると思っています。

従業員はそう思う(給与が不当であると思う)のなら転職すれば良いと思います。だってほんとうに不当な給与ならば市場価値があるということですからね。自信を持って外に出れば解決です。

経営者は還元しているとは簡単に思わないほうがいいと思います。なぜならば安く買って高く売るが商売の基本なのですから。従業員に対しても当然そうなるのが当たり前です。

従業員が働いた以上もしくは同等に払えば運転資金がなくなるし、あなたのお金も当然ながらなくなります。だから当たり前なんです。BOOKOFFでもそうでしょう?買値は20%〜30%に抑えて残りの80%〜70%を上乗せするから利益が出るのですから。商売の基本ですよね。

その時点で従業員が「俺は(私は)正当な評価、給与を貰っていない!」そう思われて当然なのです。

ん?

だからその利益構造理解してたらそんな考えの従業員じゃないですってw

それに事業を継続することが社員を守ることなのだ!って考えは辞めた方が良い。なぜならば人1人の人生はそんなに安くないからです。人1人の人生を背負えるような人はいません。自分の子供ですら背負いきることはできないのですから。

さて、従業員サイドですが《仕事は我慢するからお金をくれる》これは私もそう思っていました。実際には価値を生み出しているからお金がその価値と交換されているわけですが。

時間が経ったからお金をくれる。この時間我慢すればお金をくれる。従業員はそう思っても不思議ではありません。なぜなら結果責任を負わないからです。結果責任を負わない代わりにその分のマイナスは受け入れず、結果が出たとしてもその利益は受け取らない。そのような構造の会社が多いからですね。

水は低きに流れ人は易きに流れる。これは真実です。だからこそ報酬がプラマイゼロならば成果もプラマイゼロでいいや!といった思考になるのです。その方が楽ですからね。

それに日本人は真面目です。プラスが出たことよりもマイナスが無かったことを誇ります。おそらくは減点方式に慣れ親しんでいるからでしょう。そんな人間がプラスになるかもしれないリスクに勇猛果敢に向かうことはないです。

つまりは両者とも過去に見てきた情報の違いから対立構造に陥るわけです。

経営者の方へ

従業員に対して「育ててやった恩を仇で返す気か?ふざけるな!」みたいな感想を持つことはおすすめしません。従業員に無限の借金を背負わせるのは不可能です。あなたですら有限責任なのに従業員に無限の責任を背負わせるのは辞めましょう。

だって考えてみてください?今あなたが社員に対して行なっていることは《あなたの事業に対する最適化》なのですから。

Googleの検索でも最適化まで4か月から1年かかるのです。検索だって毎日あなたの言葉を打ち込み続けるから最適化されるのです。ましてや従業員は仕事中だけしかトラッキングできないのだから時間がかかって当たり前です。

美容室だってあなたの髪質、好むスタイリングをわかって最適化するまで5、6回はかかるでしょう?「うーん。なんか違うなぁ」の繰り返しじゃないでしょうか?

従業員も同じことで時間がかかるのです。

ましてや全然違うところで違うように育てられた赤の他人が、あなたのために最適化しているのですから時間はかかって当然なのです。

だからこそトレーニング期間は必要ですしうまくいけば儲けもんなのです。

お金を払っているのだから当然だろう?

従業員は全ての人間がお金だけで動いている訳ではありません。いくら給与がよくてもクソみたいな人間関係のところでは働きたくないし、子供が出来たら嫌でもワークライフバランスを考えだします。成長したい人なら社外でも輝きたいので自己研鑽に時間を使いたい人もいるでしょう。

それなのに「私のように私の事業にフルコミットせよ!」なんておこがましいのです。そんなことは稀です。人の人生はそんなに安くないのです。

従業員の方へ

ギブの精神を持つようにしませんか?まずあなたがギブをすることにより信用という資産を買うのです。信用とはあなたの会社の中で使える仮想通貨のようなものです。まずあなたが給与以上に一生懸命働いてみるのです。そうすれば「いい奴が入ったんだよ!」となるはずです。そうすればあなたはあなた自身より大きな仕事を与えられるはずです。

そうすれば成果を出しやすくなります。成果が出れば成長につながります。それはあなたにとっては大きな資産になるのです。なぜならば職務経歴書に書けるからです。

職務経歴書というのは次もしあなたのなりたい理想の職業が出た時の《乗船キップ》になるのです。

成果の積み重ねでしかその《乗船キップ》は手に入りません。しかし成果を出すには大きな仕事を任せてもらわないと達成できません。だからこそ先にギブするのです。あなたに大きな仕事を任せてもらえるように。

今の時点ではマイナスかもしれません。しかし成果を出すには信用してもらうことが必要です。つまりあなたは成果を出すために先払いしているのです。あなたの資産を作るために。しかも大きな仕事は失敗しても大きな学びになります。どっちに転んでもあなたにマイナスは無いのです。最高ではありませんか?

従業員と経営者の関係は囚人のジレンマ

囚人のジレンマとはゲーム理論の一つです。

簡単に概要を、
2人の囚人がいます。中々自白しないので警察は提案します。

A.囚人のどちらかが自白
自白した方は無罪、された側は懲役20年
B.2人とも自白しない。
どちらも懲役1年
C.2人とも自白
どちらも懲役3年

というような内容です。もちろん選ぶべきはBの選択肢です。しかしもし相手が自白してしまえば自動的にAになってしまいます。そうなると1番安全なのがCなのですが、もしかしたらCを選択すればAになってしまうかもしれない。

これが囚人のジレンマです。

従業員と経営者はこの関係性にどうしても陥りがちです。例えば、

A.従業員は真面目に働きそれを経営者が評価する
従業員は幸せ、経営者も幸せ
B.従業員は真面目に働き経営者は払わない
従業員は搾取、経営者はラッキー
C.従業員はサボり(もしくは退職)経営者は払う
従業員は楽、経営者は最悪

普通に考えたらA一択なのですが経営者から見ればCになる可能性がある。だから多くの経営者はBを選択する。そして従業員はそれを見据えてCを選択する。

同じ構図ではないでしょうか?自分のリスクを1番避けることを考えて最悪の選択肢を取り続ける。まさに囚人のジレンマです。

これこそが

全てを喰らう無能を生み出すスキーム

なのです。

しかしこれを解決する最善の一手をすでに人類は発明しています。それは

マネージャーの活用です。

もし囚人のジレンマで2人の囚人の橋渡しがいればどうなるでしょう?もちろん最善策であるB.2人とも自白しない。を選択することでしょう。それがマネージャーの役割なのです。

しかしこれには3つの注意点があります。

1,経営者はマネージャーと情報を共有する
2,人事権をマネージャーに委譲する
3,責任同等の権利を与えよう

です。1においては経営者は全てを曝け出して欲しいです。収支も経営状況もです。でないと良くわからないので3に繋がらないのです。

1.2を全くせずに3だけやらせようとする経営者が非常に多いです。それははっきり言って無理です。ましてや日本はプレイングマネージャーだらけです。その中で情報も権利も無いのに「マネージャーの仕事をしろ!」なんて暴論も良いところです。

この1.2.3の要件を満たさないとマネージャーも全てを喰らう無能になるのです。

全てを喰らう無能を生み出すのはテイカー(奪う人)の精神です。常にみんながギバーになれば1番の解決策になります。

win-winの関係ですね。仏教用語ではこれを自利利他といいます。

自利とは自分が幸せになること。
利他とは他人を幸せにすること。

自分が幸せになると同時に他人を幸せにすることなのです。他人を幸せにするのがビジネスです。綺麗事のようですが事実です。

ちなみにですが幸福度のお話です。

有る実験で学生にお金を渡して好きなだけお金を他人に渡しても良いし、自分の懐に入れても良いといいました。その結果他人に自分より多くのお金をあげた学生は幸福度を感じ、自分の懐に入れた人は恥を感じました。(コルチゾール濃度が高まった。)

他人に与えることは自分も幸せにします。"自分も"です。他人と自分を同時に幸せにする。それが自利利他です。

1番の解決策はギバー(与える人)になることです。あなたからギバーになりましょう。あなたが経営者であっても従業員であっても同じです。

人を疑って全てを喰らう無能を生み出すのはやめにしましょう。そんなものは自分も他人も幸せにしません。

自利利他。これだけ覚えて帰ってください。その考えがあなたをきっと今よりも幸せに向かわせるはずです。

それでは、また、次回。

あどりでした。

《最後まで読んでいただき、ありがとうございました!もしあなたのハートが少しでも動いたならハートをタップしていただけると幸いです。もしくは右上の…をタップしてフォローしていただけると少しあなたの人生のお手伝いができると思います。Twitterなどで共有していただけると嬉しいです。今回もありがとうございました。》

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?