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バカ減少社会でバカになりたがる人たち

「早く管理職になって、人をアゴで使って自分は楽な仕事をしたいんですよ。」

正直面食らいました。何年か前に部下に言われた一言です。人を自由に使って楽な仕事をする。そんな管理職がもしあなたの上司だったらどうだろうか?

素直にいうことを聞き仕事を全うするだろうか?あなたの答えは決まっている。NOだ。昭和の時代ならいざ知らず、完全なる人不足の時代にそんな管理職ではやっていけない。

2007年から2021年までの、全国の有効求人倍率の推移です。 2021年の有効求人倍率は前年から0.05ポイント下降し、「1.13」倍でした。 2019年~2020年の下げ幅は0.42ポイントで、下げ幅は緩やかになってはいるものの昨年に引き続き減少傾向にあります。

マイナビ

ちなみに2023年の有効求人倍率は1.29倍です。全国的に人が足りていません。あなたの職場でもそうでは無いでしょうか?

その中で「人を使って自分は楽な仕事をしたい。」そんな望みは叶うはずがありません。そもそも優秀な人(大学を卒業した人と定義します。)が沢山いる時代に、自分を拡張する気のない人間が管理の側につくことは難しいと言えるでしょう。

大卒がくだらない仕事をする

大学の進学率と大卒以上しか入社できない仕事のデータから、需要と供給のバランスが正しいのかという問題を紐解いてみましょう。複雑で多面的なものですので、一概には答えられませんが、いくつかの観点から考えてみましょう。

まず、大学の進学率は、日本では平均して55%ほどとなっております。そのうち4年生大学は50%ほど、短期大学は5%です。専門学校への進学率は21%ほど、高校卒業後就職する割合は20%ほどとなっております。これらの数字は、世界の平均と比べるとやや高い水準にあります。

しかし、大学進学率はここ数年ほぼ横ばいであり、高校卒業者数の減少に伴って、大学入学者数も減少傾向にあります。

次に、大卒以上しか入社できない仕事の割合は、日本では約96%となっております。これは、大学卒業者の就職率を示す数字であり、大卒以上の資格が必要な仕事の割合ではありません。

実際には、大卒以上の資格が必要な仕事の割合は、日本では約30%ほどと推定されております。つまり、大卒者の約7割は、大卒以上の資格が必要でない仕事に就いているということになります。

このことから、大学の進学率と大卒以上しか入社できない仕事の割合の間には、大きなギャップが存在すると言えます。需要と供給のバランスが正しいとは言い難いでしょう。

しかし、このギャップは、日本だけの現象ではありません。世界的に見ても、大卒者の過剰供給と大卒以上の資格が必要な仕事の不足は、共通の課題となっております。

では、なぜこのようなギャップが生じるのでしょうか。その原因は、様々な要因が複雑に絡み合っているため、一言では言えませんが、以下のような点が挙げられます。

大学教育の普及と質の低下

大学教育が普及するにつれて、大学の入学難易度や卒業難易度が低下し、大卒者の質が低下するという現象が起こります。これにより、大卒者の能力や知識が、大卒以上の資格が必要な仕事に対応できない場合が増えます。

大卒者の就職意識の変化

大卒者の中には、大卒以上の資格が必要な仕事に就くことを望まない者もいます。例えば、ワークライフバランスや自己実現を重視し、高度な専門性や責任を求められる仕事を避ける者や、自分の興味や適性に合わない仕事に就くことを拒否する者などです。

大卒以上の資格が必要な仕事の創出の遅れ

経済や社会の変化に伴って、新しい分野や技術が生まれ、大卒以上の資格が必要な仕事が創出されるはずですが、日本ではそのペースが遅れています。例えば、情報技術や人工知能などの分野では、大卒以上の資格が必要な仕事が多く存在しますが、日本ではその需要に対する供給が不足しています。

このように大卒以上の知識がある人でも、その知識を使う仕事ではない仕事についています。その中で私のような高卒の人間が、知識を使うような仕事をすることは、稀だとわかります。

ところで昔、私やあなたより少し上の世代はどうだったのでしょうか?

就職氷河期世代のおかげで、日本の中小企業は潰れずに生きながらえてきました。本来ならその場に相応しくないほどの知識を持った人を格安で(人が余っているので)使えたから発展できたのです。

しかし今は人不足。競争率は下がっており「あれ?最近の若いやつはダメなやつが多いな。教育のせいか?」と思っている経営者、マネジメントする側の人には考えを改めてもらいたいです。

あなたのところに回る人材のレベルが下がったのです。人のレベルは数段上がっています。前述した通りです。

今の若い子は賢いです。

賢い上司の子供

10年ほど前に上司の息子も交えて食事をしている時に、上司の息子に(陸上をしておりそこそこの大会で優勝している。)高校に入っても陸上続けるの?と聞くと、

「いや、陸上は辞める。もっと勉強をしないといい大学にいけない。別に行けなくてもいいんだけど、行ったほうが良い会社に入れそうでしょう?それにはもう少し成績をあげたほうがいいな。と思って。」

何も考えない大人でごめんなさーい。とこの時ほど思ったことはありません。その時に私は「君の周りの人もそんな考えかたしてるの?」と聞くと。彼は至極当然のような顔をして、

「んー大体の周りの子はそんな感じだよ。だから人と同じかそれ以上は勉強しとかないと。」

えらいなー。そんな言葉しか返せなかったですね。若い子はしっかり考えて行動している。私の生きた時代よりもはるかに。

インターネットが普通になり、一人一人がスマホを持つ時代。情報を受け取れる量は莫大に増えています。昔は大人があやふやにしていた、《こうなればこうなる》を現在を生きる若者たちは、嫌というほどクリアにわかっています。

だからこそアホな経営者は見抜かれ、そうでないところに人が集まっている。昔なら「はい!わかりました!」と盲目に管理職というニンジンをおっていましたが、今の若い人たちはしたたかです。

転職も視野に入れながらそこで働いています。その中でアホな上司が「いいからいうことを聞け!」みたいなマネジメントをしていては、人は離れていくばかりです。

冒頭の私の元部下のように

「早く管理職になって、人をアゴで使って自分は楽な仕事をしたいんですよ。」

このような考えでは遅かれ早かれ淘汰されます。前述した優秀な若者たちに。

ところでなぜ彼は管理職になりたいのでしょう?

理不尽を強いる側へ


それは収入面もそうでしょうが、それよりも理不尽を強いる側に入りたい。権力者側に回りたい。という気持ちが大きいように感じます。

面白いですよね。なにが?

理不尽を強いられるのが嫌だからもっと自由に働きたい!ではなく人に理不尽を強いる側に回りたい!という考えがです。

本来ならもっと自由に働くために、知識をつけて自由な働き方、自分の思うような仕事ができるところに行こう!ではなく、今の理不尽に我慢して理不尽を強いる側に着こうとしているのです。

知識を得る努力よりも、耐える努力を選んでいるということです。同じ努力ですが前者(知識を得る努力)の方が後者(耐える努力)の方より自分でコントロールできるのにも関わらず、そうしようとしない。それはなぜなのでしょうか?

それは耐える努力は他責にできるからです。知識を得て自由な働き方を選んだとすると、人のせいにできません。それは言い訳が無いからです。努力の量を自分のコントロール下に置くと自分次第になってしまいます。

それに対して耐える努力は他責にできます。上司が悪い、会社が悪い、社会が悪い。のように他責にできてしまいます。だからこそ人はアホのように耐える努力を選びます。

自分に対しての言い訳が欲しいのです。俺は理不尽に耐えている。社会や会社、上司が悪いのにも関わらず。あぁ、なんて可哀想な僕ちゃんでしょう。とヒロイックな自分に酔っているんですね。

はっきりと言います。クソくだらない。

クソくだらないのです。

さぁ、次の世代は優秀なゴールデンエイジ達です。そいつらは知識を持て余してもうそこまで迫ってきています。くだらない努力をまだ続けますか?それとも自分を自分のコントロール下に置き努力しますか?

どちらを選んでもあなたの人生です。よーく考えてみてください。クソくだらない努力をするか?他責にできない努力をするのか?

私が言いたいのはそれだけです。


それでは、また、次回。

あどりでした。

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