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マネージャーや経営者は必要とされなくなる瞬間のためにある。


 「見守る」とは、自分がいなくなった時の準備|佐渡島庸平(コルク代表) @sadycork #note 

人は基本的になくなる前提で生きている。

仕事だってなくなるのが最高の状態。

お医者さんは患者さんが元気になって自分(医者)が必要ない状態を目指すのが一番。会社だってそう。会社がなくなっても生きていける人を育てられるから会社が前進する。

もし「明日会社がなくなったら働き口がないヨォ」なんてひとばっかりになると会社はイノベーションを起こせやしない。

「明日会社がなくなっても身一つでどこでもやっていける!」そう思える人がいる組織は強い。それはみんなわかっていることだと思う。

リクルートの「お前は何がしたいのか?」なんていうのは組織を強くする特徴でもありますよね。

埋め込まれた人だけでは会社、組織は強くならない。1人1人が一個体として強くなければいけないでしょ?

例えば石垣はいろんな形があるからこそ組み上げられるようにいろんな形をしている人を積み上げたら組織は強い。

ちなみに石垣はコンクリートの2倍から1.5倍の強度があります。そして平にした石を積み重ねた構造物よりも地震に強いのです。(地震大国だからできたのかも)

しかし冒頭のように《仕事が無くなるのが最高の状態》とはいうもののその状態を作るのは本当に難しい。だってつまるところ自分がいなくても大丈夫な制度を作るということだから。

そこにはインセンティブが働きにくい。だってみんな自分が必要とされていたいから。

子供はめちゃくちゃ可愛いですよね?でもいつか離れていけるように教えてあげないといけない。なぜか?自分は確実に先にいなくなるから。

もし仮に可愛い子供が離れないようにするには《自分では何もできない状態》にするのが一番離れていきにくいですよね?

悪徳宗教や詐欺でも洗脳しようとするのは《自分ではなにもできない状態》に強制的にすることにより自分への依存度を高めて離れないようにするためですよね?(DVの被害者なども)

それは人間としての本能なのかもしれません。



例えば昨日まで仲良く話していた隣の家のおじさんがもし会社の社長だったらあなたは。
「えっ!このおじさんすごい人なんだ!」
と思いますよね。

そのおじさんは実際何も変わっていません。あなたと接していた隣のおじさんなのです。なのになぜ会社の経営者と思っただけですごい人なんだと思うのでしょうか?

それはあなたのOSつまりあなたの軸となっているものが会社の経営者は偉い人という考えだからです。

そのおじさんは実際何も変わっていませんよね。変わったのはあなたの中の捉え方だけです。


会社というものは、そもそも法人格を与えられた、つまりは法のもとによって人格を与えられたただの入れ物です。

そこに経営理念や評価軸を置いたのは、社長つまり取締役です。つまりあなたが言っている会社が守ってくれるというものは、この世のどこにも存在しないのです。

ただの概念なのです。

つまりは宗教のもとにおいて神を信じているのと似たようなものなのです。

あなたが守ってくれる。再分配してくれる。と思っている会社というのは、実際問題誰のことを指しているのでしょうか?

会社の社長というものに自分がいなくなるというインセンティブはどんな大企業の経営者であっても働きにくいです。

ユニクロの柳井さんも孫正義さんも新しい人を入れて自分がまた帰ってきましたよね。

あのまま見守って任せるということも実際はできたはずです。しかし、見守ることができなかった。

他にもいろいろな大企業があると思いますが外から誰かを呼んでくるということも実際できるわけですよね。別に一族で経営する必要性はそんなにないんです。

なぜなら会社というものはただの箱だからです。そのただの箱に対して信頼を持っているがために会社が守ってくれるなどという偶像を抱いたり会社は俺が守らなければという創業者の思いが生まれたりするのです。

UNIQLOの柳井さんや孫正義さんですら見守るのは難しい。だってみんな自分が必要とされたいから。

子育てでも同じです。明日からは子供が手を繋いでくれないかもしれない。明日からは自分で朝の支度をするかもしれない。明日からは。

子供にはいつか私たちの手を離れる瞬間が来ます。それは必ずくる、こないといけない瞬間です。

その時自分の中には少しの寂しさが生まれるでしょう。しかしそうなった時は子供が自分で歩み出した瞬間なのです。つまりあなたは1人の人間を育てられたということなのです。

親という字は木の上に立って見守るという形になっています。つまり親は見守るのが仕事なのです。(金八先生みたいだな。)

子供が何か一つ自分でできるようになった時それを見守ることができるか?口も手も出さずに見守れるか?私たちは試されているのです。

話を戻しますがそれは経営者でも同じです。もちろんマネージャーも。《自分が必要とされない空間を作れる》それが一番の仕事ではないでしょうか?

わたしは昔部下の一つ一つを自分で管理していないと気が済まない性格でした。しかしそれでは私の時間は増えないし仕事が増える一方でした。

私は自問自答している中で気づきました。そこには《自分が必要とされなくなるかもしれない》という恐怖心が隠されていることに。

それからは自分の仕事を部下に任せていくことにしました。そこで見つけたものは自分より優れた部分が1人1人にあるということです。まぁ当たり前なんですが。

私は別に万能の神でもないしどっちかというと別に器用な方ではありません。それをどこかで《私の方が優れている》という勘違いをしていたのです。

それに気づいてからは自分の仕事も減っていきどんどん楽になっていきました。そして部署もみんな色んなことができるようになっていき前よりもみんな楽しそうに働くようになりました。

見守ることができるか?それは人間の器に直結します。人は確かにミスをします。しかし成長しない人間などいません。歩む速度は違いますが。そこを見逃すことなくちゃんと見守っていれば大きな問題は起きません。

あなたは見守ることができていますか?

もう一度冒頭の言葉を見てみましょう。

 「見守る」とは、自分がいなくなった時の準備|佐渡島庸平(コルク代表) @sadycork #note 

自分がいなくなる。それは間違いなく来る瞬間です。部下よりも先にいなくなるし子育てでも親は先にいなくなります。その時に準備できているか?つまり自分が必要とされなくなる準備です。

それは別に悲しいことではありません。マクロで見れば必要なことです。あなたがずっと必要ならその世界はあなたがいなくなれば止まってしまうのです。しかしもし準備ができているのならば世界はずっと動きます。

大丈夫。あなたもどこかでいつか見守られていたのです。そしてあなたはそのバトンを誰かに渡しただけなのです。 

必要とされないことは決して悲しいことではありません。あなたが必要とされなくなった時それこそがあなたの仕事が終わった時なのです。

次の仕事があなたを待っています。

今日もきっとどこかで。

それでは、また、月曜日に。

あどりでした。

《スキやコメントありがとうございます。フォロー&シェアも明日の元気の源です。今回の話が面白くないもしくは不愉快だった方はあなたの見守るを教えてください。それでは。良い週末を。》

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