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世代間のギャップのつけは誰が支払うか

あなたは大企業と中小企業のどちらで働いていますか?大企業と中小企業の割合は90%が中小企業だといわれています。つまりはほとんどの人が中小企業の従業員だということですね。

私がいままでの経験値だと中小企業の部長と大企業の課長の年収が同じくらいです。あなたの実感はどうでしょうか?

大企業(従業員1000人以上)の部長クラスの平均給与は70万700円に対し、中小企業(同100人未満)は50万7400円と、約20万円の開きがあることが、社会経済生産性本部の調べで分かった。 20代後半から30代が多い係長・主任クラスの平均給与は34万5000円。 大企業では40万6000円に対し、中小企業は31万8000円と8万8000円の差があった
ITMEDIA

これは平均のおはなしですので私は今までnoteでなんども言っているように、平均とはあくまで平均です。実測値はもっと開いているでしょう。

どんな会社も正直言って人の能力というのは相対して大差ないです。なぜそういうことが言えるのか?それは大企業の人でも普通に失敗するし中小企業の人でも普通に失敗するからです。

例えば私は大きい会社と取引がある中小企業で働いているのですが、大企業の人のメールが全然ピラミッドストラクチャーの構造も理解できていないし理路的にもおかしいなというメールが届くことが多々あります。

しかし、中小企業で働いている人の中にも私より全然理論的に話ができる人。俗に言う頭がいい人というのをたくさん見てきたからです。

つまりはどの企業の中にもできる人はいるしできない人はいないそういう話なのですが、給与は全く違います。

確かに地域格差ということもあるかもしれませんがいくら中小企業で管理職といえども一般社員の方が多くもらっている。(もちろん大企業の方が)ということが多々あります。

その差はなぜ生まれるのか。


つまり大企業と中小企業の賃金格差はなぜ生まれるのか?仕事の量?それとも質?一体どちらなのでしょうか?

そしてそれはどのような潮流で中小企業の格差を生んでいるのか。

その話を分解してお話ししていきたいと思います。

この構造は、世代間のギャップ構造と少し似ているのでそれも例に出しながら話していきたいと思います。



まず大企業はおもに発注者です。仕事を頼むお客様ということですね。仕事を生み出す側ととらえることもできますね。

つまり構造としては大企業から発注されて実際に手を動かす(作業をする)のは中小企業ということです。

これを世代間ギャップに置き換えると、

今の60代の人々は「日本は遅れている!ジェンダーギャップも開いているしもっと多様性を!ナンタラカンタラ」とおっしゃっていますがその構造を作り上げたのはその世代であり実際解消していくのは我々40〜30代です。

つまり発注は力のある60代だが、手を動かしコストを支払うのは力のない40〜30代という構造と似ていますね。

大企業はどのようなコストを支払っていないのか?それは人件費と在庫管理費です。

ん?大企業のほうが給与も高いし人も多い?私が今言っているのは実際に作った人や動いた人の人件費です。

おもに中小企業が支払っているコストはこの3つです。

1.かもしれない。のサービス料
2.在庫(B品)の管理費
3.長時間労働の残業代と受注がないときの人件費

1.かもしれない。のサービス料ですが、大企業から仕事は降りてきているといいましたよね?そうなると実際に手を動かしている人は大企業と直接話していないんです。だから「もしかしたらこれもだめかもしれない!品質に問題ありなんて言われたらいけないからめっちゃ厳しくしないと。」となりやすいのです。



流れとしてはこんな感じですよね。これで1番下の受注者が1番上の発注者に「こんなんでいいですか?」なんて連絡とりようがありません。こうなると完璧主義になりムダな手間暇がかかります。このコストは勝手にやったことだから発注者は知る由もありません。

そして2.在庫(B品)の管理費。先ほどと構造は似ているのですが製造工程でミスや誤発注が発生すると1番上の発注者は知らないところで不良在庫が発生します。そのコストはもちろんミスをしたところが引き受けます。

そして勝手に廃棄や販売するともちろんめっちゃ怒られます。ブランド毀損になってしまいますから当然ですが。

アパレル製品(衣料品)の国内の年間供給数量は約29億点。それに対し、消費数量は約14億点と推定されています。その差は約15億点。これが、消費者の手に渡らず売れ残ってしまった余剰在庫の数です。
2018小島ファッションマーケティング


これはファッション業界の例ですがこの量を不良在庫として抱えるには大きな倉庫が必要です。一つの商品の廃棄するまでの期間は大体3〜5年です。その間は廃棄してはいけません。
(ダメなところは永久保存です。)

このコストは勝手にミスした1番下の受注者かもしくは3番目の中小企業が請け負います。管理はしないといけないし倉庫は圧迫されて無駄な仕事を産みまくります。残念。

そして3.長時間労働の残業代と受注がないときの人件費。現在は小ロットで短納期が当たり前になっています。商品の発注から作成までのリードタイムがどんどん短くなっているのです。

シーインなんかは典型例ですよね。毎日新製品を作っています。正直これはめちゃくちゃ凄いことです。そして無理。普通ではないです。

シーインなんかはずっと発注してくれるからまだいいですが「ない時は無い!」みたいな発注者も当然います。(仕方ないですけど)でも発注には対応しないといけないのでその間も人件費はもちろん発生しています。

短納期で突発の対応ということはその時は残業対応ということです。当たり前ですけど無い時は無いのだから平均の適正人数でいうと人数は不足しちゃいますよね。

仕事が100であれば100人いれば全員定時だけど、当然仕事が50になると50人分しか仕事がないわけです。そうなると50人分ムダですよね?だから60〜40人くらいに抑えておいて突発の仕事が発生したら残業対応にしたほうが年間通じてお得なわけです。

だからあなたの会社は年中人手不足なのです。残念。

そしてこの3つのコストは全部人件費な訳です。

1.かもしれない。のサービス料
2.在庫(B品)の管理費
3.長時間労働の残業代と受注がないときの人件費

確かに分業していて効率がいいように見えますが(仕事を作る人実際に手を動かす人)このように《見えないコスト(見たくないコスト)》がたくさん発生しているのを見て見ぬふりをして成り立っているだけなのです。

つまり1番手を動かしているところが1番コストを支払っているということです。おかしいですよね?

世代間ギャップのつけ

冒頭でも述べましたがこの構造は世代間ギャップに似ています。年金を払っているのはだれか?医療費を負担しているのは誰か?もちろん現役世代です。そして子供を育てるコストは?

全ての決定権を持っているのは60代以上です。そして50代はもう少しなので逃げ切り体制をとっています。気持ちはわかりますが。

以上長々と説明しましたが見えないコストを支払っているから年収格差があるのです。つまり下支えしている人がいるから取り分が多いのです。

しかしその下支えも限界値を迎えています。下支えの下支えつまり労働者が減っているからです。それを外国人労働者で賄おうというバカな思想を持つ人もいますが。


世代間でもそうですよね?我々の年金を支払うのは私たちの孫や子供世代です。それで果たしていいのでしょうか?私は良くないと思います。

だからこそ学び選択していく必要があるのです。責任を果たさなかった世代を反面教師にして。

それでは、また、火曜日に。

あどりでした。

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