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ミスの概念をひっくり返す。「それ、全然ミスじゃないよ」で選手は変わる

ミスを恐れてチャレンジせず、無難なプレーばかりを選ぶ。
ミスを指摘されることを恐れて、やっぱりそれの繰り返し。
それじゃぁ、サッカーつまんないですよね。

ミス = 失敗 = 思い通りにいかなかったこと(たぶん)

でも
「こういう時にこれがこうなっちゃったらミスだかんね」というルールも法律も何もないので、選手も指導者も、もう少しミスに対する考え方を変えていく必要があると思うんです。

「そんなの全然ミスじゃないよ。大丈夫だぜ」をチームで共有できたとき、選手の1stタッチが変わり、選手の判断も変わり、チーム全体の出足が速くなり、チーム全体の意識が前向きになり、結果的に皆がHappyになれる。

と、僕は思っています。

ミスの概念をひっくり返す。今日のnoteはこれがテーマです。
短めで終わらせます!


それ、全然ミスじゃないぜ

まずボールを受ける際に、例えば1stタッチが思うようにいかずにボールが自分から離れちゃった、というシーンはよくあると思いますが、その時点でそれを自分で「あちゃー!」「ミスった 泣」と決めつけてしまったら、毎回毎回ボールを受けるのが怖くなっちゃいますよね。

1stタッチが思うようにいかなくても、その後の2ndタッチ目を相手よりも先にさわれればそれはもうミスでも何でもなくなるわけです。むしろ相手からしてみたら、こちらが1stタッチをミスったと思ってそのボールを奪いにくる。でも何とかその前に自分がまた先にボールをさわれれば、相手を食いつかせてひっくり返す、プチ・ゲーゲンプレス状態に持ち込めますね。

だから、1stタッチをミスったら逆にチャンスや!と思うくらいになればいいと思うのです。
そしたら、それまではミスが怖くて「安全に、安全に⋯」とおこなっていた1stタッチを、少し大胆に、少しだけ前向きに、相手との本当の駆け引きの道具として使えるようになってくるかもしれません。1stタッチがうまくいかなかったとしてもその後をまた俺が先にさわればいい、という頭の準備もできてるわけだから、なおさら相手に勝てる確率は高くなる気がします。

また
ボールが離れちゃった!だけでなく、ボールが浮いちゃった!としたら。
僕ならなおさら「チャンス!」て思う。

浮かすつもりはなかったのに浮いてしまったら、普通は「一旦ボールを地面に落ち着かせて⋯」となるのかもしれないけれど、浮いたのならば「せや、このまま浮き球でパスしたろ」と瞬時に切り替えればいい。浮き球ならば相手に読まれにくいし、一石二鳥どころか三鳥くらいイケます、たぶん。

こんなふうに、自分の思い通りにいかなかったシーンでは、その瞬間に「あー」とガッカリするのではなくて、むしろ相手を誘えたことになるからチャンスになる、ということを知っていればいい。先ほども書きましたが、ボールが離れたら、浮いたら、その後の対処法を自分でわかっていれば、かなりの確率で「こちらがミスったと思っておびき寄せられてくる相手」よりも、先にボールにさわれるはずです。

さらにいえば、味方もその認識を共有できていれば尚更いいですよね。

あいつがミスりそう、あいつがミスってもいいように⋯と、すぐに奪い返しに行ける場所で準備しておく。
で、実際に味方がミスした場合や相手に奪われた場合に、そのミスった張本人よりも先に味方がすぐに奪い返しにいけるような。

味方が1stタッチを浮かせてしまったら。「あ、浮かせた。きっとそのまま浮き球のパスが来る!」と、相手よりも早く動き出せばいい。

1stタッチのミスや、まだ奪われただけならばそれは全然かすり傷にもならない。
その段階で確実に次、こちらがまたそのボールをさわる!というチーム全体での認識の共有。それができるような配置、そしてそれがやりやすいように攻撃を組み立てればいい。

この「それ、まだまだミスじゃないぜ」の認識を共有し、それを実際に表現しやすくプレーするようにするだけで、これもう、ほぼチーム戦術そのものになりますよね。

ひとつのプレーに対し
「あー、それミス。何やってんだよ」となるのか、それとも

「よっしゃ来た、まだ全然大丈夫やで!」とチーム全体が相手よりも早く反応できるか。

大きく変わってきます。

前述した
「選手の1stタッチが変わり、選手の判断も変わり、チーム全体の出足が速くなり、チーム全体の意識が前向きになり、結果的に皆がHappyになれる」
とは、こういうことです。


ミスを減らすためには

選手のミスを減らしたい、と指導者が考えるならば、まずは選手に「プレーを選ばせる」ことを徹底するべきです。
「この状況ではこれをやれ!これがMust!」というように何かひとつの決められたことをやらなければいけない状況に追い込んでしまったら、そりゃ人間ならばカチコチになっちゃいます。

でも、こうしてもいい、別のこういう方法もある、というように選択肢がある状態でプレーさせてあげて、どちらかを選ぶのは選手の判断に任せてあげれば。
「成功する可能性が高いほう」
「自分がやりやすいほう」
を自分で選んだわけだから、ミスをする確率は当然減ってきますよね。

「プレーにMustはない。君のBestを選べ」
21世紀に生まれた名言のひとつです。まぁ、俺が考えたんだけど。

そこでさらに先ほど書いたような「まだまだ全然ミスじゃないぜ!」の認識があれば、それはもう尚更。。


ゴメン!をなくす

ボールを奪われたり、パスがインターセプトされたり。
そんな時にその選手が「ゴメン」て謝る。まずこれを、なくすべきだと思います。

ボールを失ったシーンでは、その失った選手がミスをした張本人であり、その選手が悪い。だから謝る。
これ自体がまず、違うじゃないですか。

失った原因はその選手だけにあるわけではなく、その時に味方の配置はどうなっていたのか。パスを出しやすいような動き出しはあったのか、また、奪われてもいいような例の認識を、味方同士で共有できていたのか。

おそらくそれがなかったから、目に見える表面上の現象として「その選手が奪われた」となって表れただけで。

お世話になっている整骨院のゴッドハンド先生に、以前こう言われました。
「痛みが出ている場所に原因があるのではなくて、他の場所にさまざまな要因があって、その結果として、この場所に痛みとなって表れているだけなんです」と。
ピッチ上でミスとなって表れる現象は、まさにこれと同じですよね。

なので ⋯ ボールを失った選手が悪い、だからその本人が謝る、それに対して「ドンマイ」や「何やってんだよ」をまずはなくすこと。奪われるという現象の前提だったりその裏には何があったのかを、しっかりとチーム全体で共有できるよう、指導者がしてあげること。

安易な「ゴメン」をなくすだけで、チームはかなり変わると思います。経験者は語る。

まとめ

誰だってミスをするのは嫌だし、それに対して何か言われるのが嫌ですよね。
でも、、
ならばそのマインドから解放してあげるだけで、選手は大きく変われるんじゃないか。僕はそう思います。

「大丈夫」「惜しい!」
こんな声をかけてあげるだけで選手は救われるし、実際に今回書いたように「ミスの概念を変える」だけで、ミスに対する考えだけでなく、プレーそのもの、はたまたフットボールそのものへの考えが、きっと変わってくると思うのです。


そう仕向けるのは、指導者の仕事。
技術や戦術を教えるのも大事。でもそれ以上に、マインドを変えてあげること、見方を変えてあげること。
それによって、選手をもっと解放してあげること。このほうが、マジで本当に大事です。

指導者の役割めっちゃ大事ですやん⋯というお話でした!


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