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フットボール+育成

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この国のフットボール、僕なりの育成論。現実の殻を破ってけ!
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翼くんからの卒業 〜 ボールは友達じゃない

日本サッカー史上最高の選手「日本サッカー史上最高の選手は誰か」と聞かれれば、釜本邦茂でも中田英寿でも本田圭佑でもなく、間違いなく【大空翼】である。 サンパウロFCやFCバルセロナでもプレーし、ジダンやトッティなど、数々の世界的名選手に影響を与えたレジェンド・ツバサ。 翼がバルサに入団する話に言及し、当時のレアル・マドリーの会長が「なぜレアルにしなかったのか」と話したとか。これは実話。 日本ではまだ野球が全盛でサッカーなどマイナースポーツだった1981年に颯爽とデビューし

先入観と思い込みで選手の可能性にフタをして成長にロックをかけてしまっていた話

LINDA SMILES でサッカーをしてくれている、ある中1女子の話。 彼女はこのLINDAでサッカーを始めた、いわば初心者スタートの子。 でもポテンシャルはかなりあって、フィジカルも強いし何より性格も明るくポジティブ。練習もほぼ休まない。普通に走るよりもボールを持ったときのほうがなぜか速い、天性のフットボーラー。 「アイス食べたい。コーチ買って」と毎回ねだってくる人たらしでもあり、この間は僕を股抜きしたご褒美にアイスを買ってあげるということで練習帰り一緒にまいばすけっ

真のプロフェッショナルとは。少女の心を動かした、ある女子サッカー選手の話

今春から始まった中高生年代の女子サッカークラブ・LINDA SMILES 有り難いことに、現時点で17名の選手達が集まってくれました。 いろんな子がいます。それぞれの背景、境遇、経緯はさまざま。 それぞれが本当に個性豊か。一人一人の違いもあり過ぎて、それがまた実に刺激的。そんな毎日を過ごしています。 しかし ただひとつ共通していることがありまして 「とにかく誰もGKをやりたがらない」笑 GK志望の子がいないため、試合のたびに「GKどうする?」「シーン」というお決まり

どんなことを考えてサッカーを指導するのか

2023年度から LINDA SMILES という中高生年代の女子サッカークラブをスタートさせたのですが、その LINDA SMILES で実施したクラブ説明会の内容を、LINDAの公式note にてまとめて公開しました。 しかし、まさかの15,000字越え⋯というとてつもない長いものになってしまったので、その中から「サッカーについて」書いた第二章だけを、せっかくなのでこちらのnoteでも共有したいと思います。 どんな理想のもとにサッカーをするのか、どんな練習をしていくの

過去〜現在のコラム・ポートフォリオ

備忘録として、自身のこれまでのコラムをまとめました。 寄稿したけれどすでにそのサイトが閉鎖されてなくなってしまったものもあるので、全てではないのですが、、 現在のライターコラム「LOGOS 〜 あしたのために」 個人note VICTRY 寄稿コラム スポスルマガジン連載コラム ジュニアサッカーを応援しよう!連載コラム Football Coaching Labolatry 寄稿コラム 2020年までのライターコラム「Neutral football」

前半中に選手を替えることへの是非

自分が観たW杯で一番古い記憶は86年のメキシコW杯だった。その前年にトヨタカップで来日したフランスの将軍・プラティニに魅了されて人生が決まってしまっていたのでひたすらフランスを応援していたのだけれど (準々決勝のフランス−ブラジルは今でも色褪せない伝説の名勝負) 言わずもがな、あの大会はマラドーナが主役の座もすべての話題もかっさらっていた、マラドーナが神になった大会だった。 「あのマラドーナ」をリアルタイムで見た世代と見ていない世代で、サッカー界は線引きできてしまう。それ

タイミングはスピードを上回る

自分の指導の中で、常に重要なファクターとしているフレーズがある。 タイミングはスピードを上回る いくらスピードで敵わない相手だとしても、こちらでタイミングさえ合わせてしまえば相手のスピードを上回れる。 タイミングは決して「合わせる」だけじゃない。 相手のタイミングを外す、タイミングをズラす、その上でやっぱり、ジャストなタイミングで味方と合わせる。 尊敬してやまない偉大なる師匠も、かつてこう仰っていました。 「タイミングにセンスが表れる。センスとはタイミングや」と。 タ

必死という言葉の本当の意味~リミッターを外せているか

尊敬する指導者の方が、数年前に話してくれたこと 「必死という言葉の本当の意味」 そのメモが出てきたので、備忘録としてここにまとめておきます。多少刺激的な内容かもですが、指導者の方々と共有しておきたいなと思いました。 これを聞かせてくれたのは確か2015年の年明けくらいだったかなぁ。 この方はアルゼンチンで選手経験もあり、日本だけでなく海外でも指導者をされていた方でした。僕は今でもこの方のことが大好きです。Passionが溢れてる。 では、以下どうぞ とりあえず以上です。

考え方を伝えること

日本という国は、男性は10代~40代までの死因の一位が自殺。女性も、10代~30代までは自殺が死因の第一位。 この惨状、先進国では日本だけらしい。日本はとうに先進国じゃなくなってる、という声には賛同するけれども。 自分で死を選んでしまう要因は人の数だけあり、その人が生きてきた重みの分だけあるのだろうから一概には言えないけれど、多くの人は、仕事や人間関係、また金銭の問題などで逃げ場がなくなったあげく、最後にもう耐え切れなくなって死を選んでしまうのだと思う。 居場所もない、逃

語彙力のリノベーションをはじめよう

いきなりですが 日本人が今までずっと疑いもなく無意識にそして無頓着に使ってきた「うまい」という言葉。もしこれを撲滅することができたら選手も指導者もサッカーを見る目や捉え方が変わってくるし、救われる選手も多く出てくると思うので、まずは自分の周りだけでも【うまい撲滅キャンペーン】を始めてみたいと思ってます。 無意識に言っちゃいそうだけど⋯ 例えば、今話題の静学・古川くん(負けちゃったけど⋯残念!)と青森山田の松木くんを、同じ「うまい」では言い表せないじゃないですか。2人とも

情熱の薔薇

時は遡って、大晦日。 この一週間前のクリスマスイブに「2023年での解散」を発表していたBiSHが、念願だった紅白歌合戦のステージに立っていた。 彼女たちの出場が決まったとき、僕はてっきり、本番ではBiSHの代表曲といわれる『オーケストラ』を歌うのだと思っていたけれど、彼女たちが選んだのは『プロミスザスター』だった。 この舞台に必ず立つとファンたちにずっと誓っていた約束が叶ったのだから、考えてみれば、この選曲には大きな意味があったのだ。 そして迎えた本番。夢の舞台でド緊張

4つに分けて考えてみたこと

小学生から高校生までの選手達にサッカーを指導する際、試合において選手が見せるプレーについて、大まかですが下記の4つに分けて考えるのが良いのではと思っています。 この4つです。もちろんサッカーはもっともっと奥深くそしてカオスなものなので決してこれだけでは説明しきれないことばかりなのですが、とりあえず今回は、この4つのプレーにのみ言及していきます。 今回は「何をどう教えるべきか」ということではなく、選手が見せるプレーはほぼこの4つに分けられるということ、そしてそれについて指導

FOOTBALLERS 哲学の時間・1~ フリーの概念、変えませんか

11月から「FOOTBALLERS」という新たなスクールをはじめます。 この FOOTBALLERS では、「フットボール・スタディー」という時間をオンラインで定期的につくり、フットボールとはどういうものか、どういう原理のものか、人はどのような原理で動くのか、その中で、自分はどう技術を発揮し、どう振る舞えばいいのか⋯ といったような、まさに フットボールを哲学する 時間も、普段のトレーニングに加え、セットで組み込むことにしています。 ただピッチで練習するだけでなく、フット

ミスの概念をひっくり返す。「それ、全然ミスじゃないよ」で選手は変わる

ミスを恐れてチャレンジせず、無難なプレーばかりを選ぶ。 ミスを指摘されることを恐れて、やっぱりそれの繰り返し。 それじゃぁ、サッカーつまんないですよね。 ミス = 失敗 = 思い通りにいかなかったこと(たぶん) でも 「こういう時にこれがこうなっちゃったらミスだかんね」というルールも法律も何もないので、選手も指導者も、もう少しミスに対する考え方を変えていく必要があると思うんです。 「そんなの全然ミスじゃないよ。大丈夫だぜ」をチームで共有できたとき、選手の1stタッチが変