佐平荘具

気が向いたときに投稿しています。主に小説の感想を書いています。

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マガジン

  • 読書(主に小説)

    小説を読んだ感想と印象に残った文章を載せています。

  • 映画

    映画を観た感想を述べています。

  • 東野圭吾さん

    東野圭吾さんの作品の感想と、印象に残っている文について述べています。

  • 原田マハさん

    原田マハさんの作品の感想と、印象に残っている文について述べています。

  • 瀬尾まいこさん

    瀬尾まいこさんの作品の感想と、印象に残っている文について述べています。

最近の記事

『バック・ステージ』

芦沢央さんの作品。 パワハラ上司の不正の証拠探しをする社員、息子の友人関係に悩む母親、舞台に出演する俳優など、ある舞台を中心として登場人物が絡んでいく。 康子さんの行動力がすごすぎて、味方にいれば頼りになる人だと思った。 奥田と伊藤の2人の暗黙のルールがとても面白そうだと感じた。 第三章の春真の話が一番印象に残っている。 終幕の前に康子さんのピアスの様子が描かれていて、こんな感じなのかと思った。 それぞれの話がつながっていって、芦沢さんはすごいと思った。 印象に

    • 『罪人よやすらかに眠れ』

      石持浅海さんの作品。 北海道の中島公園の近くにある大きな館。そこにたどり着いた人々は家主からもてなしを受けるが、それぞれに事情があるようで……。 3人めの客である島崎の話が一番印象に残っている。 4人めの客の夏純が恋人の達也に呼び掛けるセリフが、とてもいいと感じた。 さまざまなバリエーションがあって、とても面白かった。 印象に残っている文

      • 『空洞電車』

        朝倉宏景さんの作品。 2年前にメジャーデビューしたバンドのSINUS。ある日、ギターボーカルの洞口ミツトが転落死してしまう。 バンドのメンバーの視点から物語が進んでいく。 両親が亡くなる悲しむ那菜子に対して、ミツトがかけた言葉が印象に残っている。 匠とミツトがラーメン屋に行く場面を読んで、ミツトの人間らしい部分を感じた。 平子さんの人を見る目がすごいと感じた。 まきのような性格の人がダンスなどをしたら、絶対面白いだろうと感じた。 エピローグで今後のサイナスがどう

        • 『お父さんと伊藤さん』

          中澤日菜子さんの作品。 三十四歳の彩は、二十歳上の伊藤さんと同居している。ある日彩の父が、兄夫婦の家から彩の家に来て、同居するようになる。 彩の父の口癖を語る場面を読んで、両親の口癖というのは何となく把握できるものだと感じた。 彩の同僚のカンマニワさんの両親が、Facebookでやり取りしているというのが良いと感じた。 随所に伊藤さんの気遣いが見えて、素敵な人だと感じた。 印象に残っている文

        『バック・ステージ』

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        記事

          『感情8号線』

          畑野智美さんの作品。 荻窪、八幡山、千歳船橋、二子玉川、上野毛、田園調布という名前の話が収録されている。 「荻窪」の真希の立場としては、ラストで動揺する気持ちに共感した。こういう時はどのようにすれば気持ちを整理できるのだろうか? 「田園調布」では、最後に麻夕が前向きな気持ちになれたことが嬉しかった。 タイトルの付け方がすごいと思った。 印象に残っている文

          『感情8号線』

          『とんこつQ &A』

          今村夏子さんの作品。 とんこつQ &A、嘘の道、良夫婦、冷たい大根の煮物の4つの話が収録されている。 「とんこつQ &A」では、最後のQ &Aの部分が果たして本当にそうであるのか、疑問に思った。 「嘘の道」では、最後の数ページに驚いた。父の放った言葉が印象に残っている。 「良夫婦」では、アンコの好きな牛丼を食べてみたいと感じた。 「冷たい大根の煮物」では、頼むから芝山さん良い人であってくれと思いながら読んでいた。 印象に残っている文

          『とんこつQ &A』

          『雪と心臓』

          生馬直樹さんの作品。 双子の姉の帆名と弟の勇帆の物語。 帆名がおもちゃの「おっぺけぺ」を川に投げずに取っておいたのが優しいと感じた。 苅田先生にバンドで仕返しをする帆名がすごいと思った。 答辞で離婚寸前の両親のことを話す帆名の強心臓ぶりに驚いた。 印象に残っている文

          『雪と心臓』

          『フィッシュボーン』

          生馬直樹さんの作品。 陸人、航、匡海の3人は中学の時に仲良くなった。大人になってからも密漁の仕事を一緒に行っている。ある日、大企業の令嬢を誘拐して身代金をもらおうと考えていたが、誘拐した令嬢が陸人のことを死なせてしまう。 陸人が死んでしまって驚いた。これからどうやって誘拐を成功させていくのかという話だと思っていたからだ。 それぞれの登場人物に悲しい過去があって、読んでいて辛くなった。 事件の真相が衝撃だった。 印象に残っている文

          『フィッシュボーン』

          『シュンスケ!』

          門井慶喜さんの作品。 伊藤博文が利助、俊輔と呼ばれていた頃からの物語である。 来原良蔵という人物のことを全然知らなかった。来原がいつでも裸足で過ごす理由がとてもかっこいいと感じた。 俊輔が攘夷決行の夜に女と性行為をしているのが面白かった。 伊藤俊輔と呼ばれていた頃の話が中心となっているため、伊藤博文となってからの話も見たいと一読者として感じた。 印象に残っている文

          『シュンスケ!』

          『父と私の桜尾通り商店街』

          今村夏子さんの作品。白いセーター、ルルちゃん、ひょうたんの精、せとのママの誕生日、モグラハウスの扉、父と私の桜尾通り商店街の6つの話が収録されている。 「白いセーター」では、子どもの面倒を見るということがどれだけ大変なのかを学んだ。 「せとのママの誕生日」では、アリサのでべそを見る合言葉があることが、面白いと感じた。 「モグラハウスの扉」が個人的に一番印象に残っている。 話の結末は一見明るそうに見えるが、何か不安なものを読者に感じさせるのがすごいと感じた。 印象に残

          『父と私の桜尾通り商店街』

          『僕の神さま』

          芦沢央さんの作品。 困った時に問題を解決に導いてくれるため、周りから神さまと呼ばれている水谷くんと僕の物語。 桜の塩漬けというのは作り方がわからないので、今度調べてみたい。 谷野さんが川上さんに水をかけた理由に、納得した。 水谷くんは騎馬戦の戦い方にも詳しくて、すごいと思った。 印象に残っている文

          『僕の神さま』

          『もいちどあなたにあいたいな』

          新井素子さんの作品。 和は、不妊治療の末に産んだ子どもが亡くなってしまった。 和の兄である大介と大介の娘の澪湖は、和のことを心配する。 陽湖の和に対する屈折した思いが、とても印象的だった。 木塚くんと澪湖のカフェでの会話の場面がとても印象に残っている。 新井素子さんがこの小説を書くのに、8年かかったという話に驚いた。 印象に残っている文

          『もいちどあなたにあいたいな』

          『此の世の果ての殺人』

          荒木あかねさんの作品。荒木さんの作品は初めて読む。 熊本県に隕石が落ちてくるため、自殺する者や海外に逃亡する者が出た日本。福岡県に住んでいる小春とイサガワ先生は、殺されたと思われる遺体を発見し、犯人を探す。 もし日本がこの物語のような状況に陥ったら、自分は一体どのような行動を取るだろうか。 暁人と光の兄弟愛がとても良いと感じた。 小春とイサガワ先生が自動車学校で出会ったというのが、あまり他の作品で見ない形だと感じた。 印象に残っている文

          『此の世の果ての殺人』

          『風景を見る犬』

          樋口有介さんの作品。 沖縄のスナック『さつき』を経営している母親と、そこに住む息子の香太郎。ある日、周りの人が殺されてしまい、事件の真相を探る。 二十歳だと思っていた朋美が、三十二歳だと知ったときの香太郎に同情した。 柑奈が香太郎の汗の臭いをチェックするのが、面白いと感じた。 山羊の睾丸の刺身は食べたことがないので、食べてみたい。 印象に残っている文

          『風景を見る犬』

          『法廷遊戯』

          五十嵐律人さんの作品。 法都大ロースクールに所属する清義は、自分がいた児童養護施設長の胸元にナイフを刺したことがある。ある日幼馴染の美鈴が、ロースクールの同級生の馨を殺した罪で被疑者となる。清義は美鈴の弁護を担当することに。 無辜ゲームのルールが非常に興味深かった。 奈倉先生が冤罪と無罪の違いについて考えさせる場面が、印象に残っている。 清義と美鈴が痴漢冤罪を仕掛けた相手が分かったとき、鳥肌が立った。 馨の行動の意味に衝撃を受けた。 法律に詳しくない人はこの話を思

          『法廷遊戯』

          『原因において自由な物語』

          五十嵐律人さんの作品。 人気作家の二階堂紡季には、恋人の弁護士想護が小説のプロットを書いているという誰にも言えない秘密があった。 そんなとき、事件が起こる。 本のページの書かれた位置が普通の本とは異なり、かなり内側にあると感じた。 「故意に恋する」というアプリを考えた人は、頭が良いと感じた。 紡季が不登校になった際に、父親も一緒に休んでいたという話が印象に残った。 印象に残っている文

          『原因において自由な物語』