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化学反応 5月10日~365日の香水

美しい化学反応
adams fragrance familyのサロンのテーマは「心のはなれ、大人の自己変容、美しい化学反応」。
サードプレイスというように誰にでも、複数の異なる居場所が必要だと思う。その中で私のサロンは「はなれ」のような存在でありたい。
人はいつでも、いつまででも変容することができる。
そこに集う方々は互いを尊重し互いに影響しあう。
そこで生じる美しい化学反応。

合金
「alliage」はフランス語で合金を意味する。
金属にほかの元素を融合させて、使い勝手などを良くするための技術だ。
もっと良くなるための金属の”良い”化学反応だと私は思う。
我を張れば拒絶反応。
私たちも同様に、他者を尊重し自己変容を選択すれば、出会いごとに美しい化学反応を起こせる。
他と交わろうとしなければ、金属はさびていくだけなのだ。

スポーツフレグランス
エスティローダーのアリアージュ(alliage/estee lauder)が登場した時、「世界初のスポーツフレグランス」というキャッチがついていた。
同社のサイトを見ると、当時の広告に水着やテニスウェアの女性が起用されていたことがわかる。
パーティドレスを着た女性が香水の広告の主流派だった時代の新機軸の戦略。
70年代に入り、ファッションではデニムが流行しユニセックスで活動的な装いが支持され始めた時期。
スポーツを楽しむアクティブなライフスタイルを後押しする香水として登場したことになる。
金属が他の元素との出会いで変容していくように、新しい習慣や価値観と出会いアクティブになっていくことへの賛歌として、ミセス・ローダーはこの香水を世に出したのかもしれない。

Alliage Sport Spray/Estee Lauder/1972
パッケージにも明確に「sport spray」とあることに意気込みを感じる。
エスティーローダーが香水産業に投じた新しい価値観なのだろう。
香調は、グリーンシプレーで、スパイシー感とパウダリー感を伴ったグリーンノートとモッシーやウッディの深みのあるベースノートである。
爽快、ライトという路線とは少し異なる。
現代から想像すると柑橘系で少しマリンノートとハーブが効いたような香調を想像するけれど、むしろ骨格のしっかりしたグリーンシプレーである。

AlliageとAliage
驚いたことに、1972年当時のコレクションには「Alliage」と記載されているけれど、現在は「Aliage」になっている。
つまり以前は「合金」、今は「アリアージュ」と名前が変わっている。
固有名詞でイメージを限定せず、新しい革新的なプレゼンテーションをブランド固有のもの、と位置づけなおしたのかもしれない。

香り、思い、呼吸

5月10日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。


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