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酸素 5月22日~365日の香水
酸素って?
酸素のことをあまり考えたことがなかった。
英語のOXYGEN(オキシジェン)は、ギリシア語のoxys(酸)とgenen(生む)を合わせた言葉。日本語訳もその文脈で「酸素」とされたそうだ。
これは、発見された時点では「酸を生むもの」と理解(誤解)されていたため。
酸素を始めて発見した人はそれをすぐに公にしていなくて、その数年後に別に発見した人が出て、彼が科学史上の酸素発見者になっていると
花開花謝 flower by KENZO 5月21日~365日の香水
赤
高田賢三の色遣い。その鮮やかさは、こちらの気持ちを明るくしてくれる。メルヘンで斬新な色遣いの底流には美への賛美と人への優しい感情が流れている。歴代の香水のパッケージにも同じことを感じる。紫を基調に黄色を指す、あるいはオレンジ、などそれらが絶妙なバランスで優美な彩られ方をしていて、陶酔できる。
フラワーバイケンゾー(flower by kenzo)のイメージカラーは赤で、赤の中でもどんなニュアン
パステル 5月20日〜365日の香水
香りを混ぜる
ワークショップをしていて最初のころは、各々の香料がいい香りといい香りだけれど「混ぜたら変なにおいにならないか」という不安、質問をうけることが以前はよくあった。
たくさんのベースを用意しつつ、毎回のテーマにあった香料を選び、
新しいベースを調合し、そして、どのような組み合わせでも、相乗効果が発揮されるように・・・いつもそれを理想にしている。
絵の具を混ぜる
水彩でも油彩でも絵の具を混
アイボリー 5月19日~365日の香水
デザイナーの理想の女性像を体現するスターたち
デザイナーは女優を自身のブランドのアイコンにすることがよくある。
有名なのはジバンシーとオードリーヘップバーンの関係。他にもカトリーヌ・ドヌーブはサンローランとは公私で交友があり、ハウスにとってはミューズというか「お姫様」のような存在であったという。
今日の香水、イヴォアール(ivore)のバルマンにとってのミューズはソフィア・ローレンだったと聞いた。
ウルトラヴァイオレット 5月18日~365日の香水
香水のバイアス~ボトルデザインとパッケージ
パコ・ラバンヌ(paco rabanne)のウルトラバイオレット(ultraviolet)にであったとき「思いがけずいい香り」と第一印象を持ったことを今でも覚えている。
楕円形のボトル、それを収めるパッケージはプラスチック、液体はネーミングを体現したようなカラー。
何もかもが、「逸れて」いて、きっと香りも「奇をてらった感じ」と想定していたのだ。
ボトルデ
プチ・ゲラン 5月17日〜365日の香水
初めての香水の思い出
初めて香水らしきものを買ってもらったのは小学生の頃、もしかすると就学前だったかもしれない。
デパートのポップアップで小さなミニチュアみたいなボトルがたくさん並んでいた。
両親が、小さな香水を可愛いと思ったのか通りすがりに見つけて買ってくれた。
匂いそのものよりボトルの見た目で選んだ。
楕円形に襞が入りキャップがクロスになったペリドットのような色の液体ののものを、たくさんの候補
切望 5月16日〜365日の香水
願う
何かを強く願う時にも、おかれた状況や微妙な心理で表現は変わる。
熱望、渇望、それに切望。
切望しても熱望しても、言葉として使うということは、その強い思いを誰かに伝えるという行為なので、そう考えると、これらの言葉を使うことはあまりなかった気がする。
私は強い望みを他者に伝えない?
他の人はどうなんだろう?
longing
英語にも同じようにパターンがあった。
欲望として比較的、日常会話にも頻
リッチクラブ 5月14日〜365日の香水
香水の佇まい
香水を鑑賞すると、纏った人、その人のいる場所、情景が香りととともに”立ち上って”くることがある。
香りは形がなく可視化できないので、抽象概念的で具体性がない。
その分、個人の嗜好や感情、記憶と結びついたときには、その人にとって極めて具体的なものになるのが面白い。
私が先に書いた”出会った香水から沸き立つ情景”は、私の嗜好や感情、記憶とはあまり関係がない。
言葉にすることが難しいけれど
ブシェロン 5月13日〜365日の香水
クエッション
19世紀半ば、ヨーロッパのブルジョワ女性のファッションといえば、コルセットでウエストを締め上げ、クリノリン(ペチコート)でウエストから下を膨らませ、横から見た時に綺麗なS字カーブを描くようなスタイルだった。実際に当時の女性の中にはコルセットで締め上げることが行きすぎて肋骨にヒビが入るようなこともままあったと何かで読んだ記憶がある。
ドレスにしても袖口や胸元の無数のボタン、ドレスのため
TIFFANY 5月12日~365日の香水
香水を創るということ
5月11日の香水で紹介したダリもそうだけれど、異なるジャンルから展開される香水について、今朝ふと、考えた。
ポール・ポワレやココ・シャネルがまずはファッションと香水を結び付けた。今では大半のファッションハウスは自ブランドの香水を展開するのがむしろ普通になったといっていい。
それにジュエリー。あとは著名人が自らの名を冠したり制作に携わったもの。俳優からスポーツ選手、この例も多い
ダリ 5月11日~365日の香水
サルバドール・ダリ
5月11日はダリの誕生日。
シュールレアリスムを代表する作家で、今年(2024年)は生誕120年にあたる。
「ダリの作品は誰にもわからない、私にも」
「控え目に言って、ピカソよりダリが重要だ」
インパクトある発言や奇行でも目立ったスペイン カタルーニャ出身のダリ。確かに画家やアーティストというより、”ダリはダリ”というのがしっくりくる。
生誕地フィゲラスの思い出
彼の出身地で
化学反応 5月10日~365日の香水
美しい化学反応
adams fragrance familyのサロンのテーマは「心のはなれ、大人の自己変容、美しい化学反応」。
サードプレイスというように誰にでも、複数の異なる居場所が必要だと思う。その中で私のサロンは「はなれ」のような存在でありたい。
人はいつでも、いつまででも変容することができる。
そこに集う方々は互いを尊重し互いに影響しあう。
そこで生じる美しい化学反応。
合金
「alli
優しい毒 5月9日〜365日の香水
TENDRE~やさしさの前提
フランス語の「TRNDRE」は柔らかさ、女性的なことを指すラテン語から派生していて、「柔らかい」「感情が豊かで優しい」の意味を持つ。
今日の香水、ディオールのタンドゥールプアゾン(dior/tendre poison)~優しい毒には、“前提となった香水”がある。
それは1980年代という時代を席巻したプワゾン(poison)。
プワゾンについては、大人たちがもてはやし
その名は、花 5月8日〜365日の香水
花が咲くことと気持ちの関係
5月に入って、365日の連載はミュゲ(muguet)~スズランやバラ(ROSE)のことが頻繁になった。
季節だからだ。
NOTEを書きながら、森の中で偶然見つけたスズランや、薔薇の木に間違いなく咲くバラの情景が脳内再生されて、気持ちが穏やかに、晴れやかにさえなって、心の棘が抜け落ちる気がした。
花、植物の力はすごい、そう実感した。
植物と人類の不思議な関係
いつから人
TrueLove 5月7日〜365日の香水
真実とは不変
真実、純粋、深い・・・愛という言葉にはいろいろな形容詞がつく。
結婚の誓いで用いられるのは真実の愛(TRUE LOVE)が一般的なようだ。
19世紀くらいからなのか、政治経済上の理由ではなく”愛情”から結婚相手を選ぶということが始まったと聞いたことがある。そして、愛に基づく結婚の方が政治経済上の結婚に勝るという大衆心理から「真実の愛」という誓いが結婚式で取りざたされるようになったそう